金曜日, 5月 9, 2025
ホームつくば【猫の日】㊤ 看板猫のいる花屋さん ペットロスに寄り添うミュー

【猫の日】㊤ 看板猫のいる花屋さん ペットロスに寄り添うミュー

【橋立多美】2月22日は「ニャン・ニャンニャン」の語呂に合わせた「猫の日」。つくば市高野台に看板猫のいる花屋さんがあると聞いて、訪ねてみた。

そこは静かな住宅街の一角にある「花*mjuk(ミューク)」。木の風合いが心地よい北欧のスウェーデン住宅で、店名のミュークはスウェーデン語で「柔らかい」の意。看板猫は黒目がちの大きな目が愛らしいキジトラの雌4歳で名前は「ミュー」。

3年前の春、同店の店主・加藤敦子さんが花を納品している市内の菜食レストランの敷地内に捨てられていたミューに出合ったのが始まり。加藤さんは無農薬農法に取り組んでいる夫との2人暮らし。夫婦そろって猫を飼ったことがなく迷ったが、ためらわず加藤さんの車に乗り込む姿に縁を感じて花店を兼ねた自宅に引き取った。今では「猫ってこんなにかわいいの」と2人で文字通り猫かわいがりするようになったという。

暮らしに、生花と観葉植物が同居する同店。靴を脱ぐ玄関に鉢花やドライフラワーなどが置かれ、広々としたリビングには切り花が並べられて低めのローテーブルがしつらえてある。客はゆったりした空間で花選びができる。その中を自由に歩き回るのがミューで、常連客にプレゼントされた襟巻きは副店長のユニフォームだ。

おとなしく甘え上手なミュー=同

来客に分け隔てなくつぶらな瞳を向けてすり寄ったりする接客上手で、爪を出したりかみついたことはない。ミュー目当てに来店したり、ローテーブルを囲んで猫好き同士の交流が生まれることは珍しくないそうだ。愛犬を亡くしてペットロスから抜け出せない人が来店すると、ミューはそっと脇に寄り添う。加藤さんは「きっとミューには分かるのだと思う」と話す。

同店の切り花は日持ちが良いと定評がある。それは、加藤さんが街の生花店に勤めていた時に身に付けた切り花の特性をアドバイスしているからだ。加藤さん自ら花き市場で仕入れて水揚げなどもしていることから、リーズナブルな価格もうれしい。客の好みに応じたアレンジメントや、配達と全国発送にも対応している。

猫好きがハッピーになれる原画展開催

「ニャン・ニャンニャン」の日にちなみ、猫好きの人がハッピーになれる絵本の原画展を同店で開催する。茨城生まれのイラストレーター、小林由季さんの絵本『木の実とふねのものがたり』の原画10点を展示。22日は午後1時~5時。23日は午前10時~午後5時。両日とも作者が来店する予定だ。

◆花*mjuk(ミューク)
つくば市高野台3-10-28。営業時間は水・金曜が午後1時~6時。木曜が午前10時30分~午後6時、土曜は午前10時~午後6時。日曜は午前8時30分~完売次第閉店。月・火曜定休。駐車場完備。茶色の建物でグリーンの玄関ドアが目印。問い合わせは電話090-8680-8636(加藤さん)。

リビングの一角を占める切花と観葉植物=同

➡猫に関するコラムはこちら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

若者の奨学金返還を支援 土浦市

2分の1を5年間 若者の奨学金返還を支援しようと、土浦市は今年度から新たに、大学、短大、専門学校などを卒業後、市内に居住し市内で働いている20代の若者を対象に、返済した奨学金の2分の1を最大5年間支援する事業をスタートさせる。 併せて現在、都内などに住み就職活動中の大学生などのうち、卒業後は土浦市内に住み県内で就職を希望する学生などを対象に、就職活動にかかった交通費を補助する地方就職学生支援事業を開始する。 あらゆる業種で人材不足がいわれる中、若年層を経済的に支援し、大学生などのUターンなどを促して、市内への移住や定住促進を図るのが目的。いずれも12日から受け付けを開始する。安藤真理子市長は「若者の定住による土浦市の活性化につなげたい」とする。 同市によると奨学金返還支援事業を実施するのは日立、かすみがうら市などに次いで県内市町村で10番目。地方就職学生支援事業は県が2024年度から実施する事業。 奨学金の返還支援は、30歳未満で市内に1年以上住んでおり、市内の中小企業に正規雇用で就労していたり、保育士や介護福祉士、栄養士、看護師、鍼灸師、医師などとして市内の法人に正規雇用で就労していたり、個人で市内で農業などを営む若者などが対象。大企業の社員や公務員は対象外となる。支援金額は、前年度に返済した奨学金の額の2分の1で、上限は年間10万円。最大5年間支援する。初年度は年間30人の支援を想定している。 一方、就職活動の交通費を支援する地方就職学生支援事業は、都内に本部がある大学などに在学し、東京、神奈川、埼玉、千葉県に住む学生が対象で、県内企業への就職活動にかかった交通費を上限4260円補助する。今年度は年間100人の支援を想定している。二つの支援事業の同市の今年度予算は計342万6000円。 日本学生支援機構発表の2022年度学生生活調査結果によると、大学学部生(昼間部)の奨学金受給率は55%、労働者福祉中央協議会発表の24年高等教育費や奨学金負担に関するアンケート調査結果によると、日本学生支援機構の貸与型奨学金利用者の借入総額は平均344万9000円で、7割が今後の返済に不安を感じ、4割台半ばが返済の負担感に苦しさを実感していると回答している。 ◆奨学金返還支援事業は12日から土浦市政策企画課窓口で、就職活動交通費補助は市商工観光課窓口でそれぞれ受け付ける。書類の提出が必要になる。詳しくは電話029-826-1111(同市)へ。

600ミリレンズも買ってしまった《鳥撮り三昧》1

【コラム・海老原信一】初めまして。皆さんお元気ですか? お元気な方は今をキープ、そうでない方は少しだけでも元気に。そうなってもらえたらうれしいなと思いながら、このコラムで皆さんとお話をしていけたらよいなと思い、書かせていただくことにしました。 コラムのタイトルと文末の略歴から、私が一体何をしているのか分かると思いますが、なぜこのコラムを担当するようになったのかの経緯も含め、身の上話的なことを話させてください。 50代に入ったころ、ひょんなことからヨシ原にいた小鳥を、そのころ出始めたばかりの、今と比べたら悲しいぐらい性能の低かったデジカメを使い、撮影したことから始まります。画像をパソコンで開いたら、ヨシの中にポツンと黒い点が! 「あれ、鳥はもしかしてこれ?」。これがいけませんでした。 あれこれ調べて、デジカメにも一眼レフがあると知り、200ミリのレンズと共に購入。同じような状況で撮影してパソコンへ。確かに鳥と確認はできましたが、鳥の種類は? う~ん、分からんな~。財布をのぞきながらも、気持ちは早や400ミリレンズへと走っていました。今度はちゃんと種もわかる。うれしくなりました。 野鳥に専念、写真展18年 それからというもの、時間をつくっては野鳥の撮影。それ以外考えなくなりました。経験を重ねるうちに、鳥との距離がどうも近すぎる…。鳥に緊張感が感じられる…。鳥との距離に余裕を持ちたい…。またもや欲望が吹き上がることに。 野鳥撮影の定番として600ミリレンズの存在を知ることになり、無理して購入。その後は、野鳥との出会いに日々を費やすことになりました。そして、野鳥を撮ることに専念したいと、職場を早期退職。それからは鳥を撮影する毎日で、今日に至っているわけです。鳥たちと出会える喜びを共有できたらうれしいと、写真展を18年続けています。 その来場者の中に、この欄に寄稿しているKさんがおられ、野鳥の観察、撮影を通じて思ったことなどをコラムに書いてみてはとの誘いがありました。上の写真は展示会を決意するきっかけになると同時に、鳥に向き合う心持ちに変化が生まれた1枚です。この写真については、後日、お話しするつもりです。 野鳥と向き合う日々の以前と今を行ったり来たりしながら、レンズを通して見たこと、感じたことなどを、拙い文章になりますが、お話させていただくのを、緊張しながらも続けていけたなら幸いです。よろしくお願いします。(写真家) 【えびはら・しんいち】高卒後、食肉加工会社(土浦市)で設備営繕に従事。野鳥写真に専念するため56歳で退職。日本野鳥の会、野鳥の会茨城県、竜ケ崎バードウオッチングクラブの会員。阿見町などの探鳥会講師。2007年3月から洞峰公園ギャラリーで写真展を49回開催。76歳。阿見町在住。

つくば市に欠ける地域アイデンティティ《水戸っぽの眼》1

【コラム・沼田誠】新しくコラムを担当することになりました、元水戸市職員の沼田と申します。タイトルは「水戸っぽの眼」となっていますが、これは私が名付けたものではありません。そもそも県外出身者である私が水戸に関わるようになったのは2000年からで、まだ四半世紀。私のような「ヨソ者」が「水戸っぽ」を名乗っては、「何言ってんだおめ~」と水戸人に怒られてしまいます。 皆さん、「水戸っぽ」の意味をご存知でしょうか? 「水戸っぽ」という言葉は、義理人情に厚く、頑固で一本気な水戸人の気質を指すとされ、水戸藩以来の歴史の中で醸成されてきた地域アイデンティティを示す言葉です。このような人物像は、体感では以前よりかなり弱くなってきていますが、それでも水戸市民の中に底流としてあり、良くも悪くも、地域に対する愛着や誇りを形成する要素として機能しています。 では、つくば市はどうでしょう。住み始めて4年ほど経ちましたが、「つくば人」やそれに類する表現はまだ聞いたことがありません。一方で、「つくばスタイル」という言葉があり、こちらは、先端技術を活用した利便性の高い生活や、豊かな自然との共生を強調していて、人ではなく暮らしや環境に焦点を当てています。 ただし、「つくばスタイル」はいわゆる「中心地区」やTX沿線を外向けにアピールするためのもので、市全体を包括したものとは言えないでしょう。このように、つくば市という地域全体をわかりやすく象徴するものがないことの背景には、つくば市が研究学園都市という国策から出発していることや、「中心地区」が多様な地域や文化から集まった住民の集合体として発展してきたことがあるものと想像しています。 また、行政の側も、市制施行からすでに38年もの時間が経過した今でも旧町村の枠組を意識せざるをえないことも、そうした傾向に拍車をかけているのかもしれません。(例えば、市の「周辺市街地の振興に向けた取組方針」でも「旧町村時代」という文言が使われています。それは使う必要があると行政が判断しているからです) 人口増加=住みやすい市ではない 国立社会保障・人口問題研究所が2023年にまとめた地域別将来推計人口調査によると、つくば市は10年後の2035年に水戸市の人口を抜き、茨城県内で最も人口が多い都市になるそうです(気にしている水戸人は結構います)。 しかし、地域アイデンティティが十分に形成されていなければ、地域への帰属意識や一体感は希薄なままです。それでは、つくば市がいくら人口を増やしたとしても、地域のことに主体的に参画する住民は増えず、住みやすい地域にはなっていかないでしょう。つくば市が今後さらに成熟した地域として発展するためには、「つくばスタイル」からもう一歩踏み込み、どこに居住していようとも市民誰もが感じることができる地域アイデンティティを育むことが意識される必要があるのではないでしょうか。 今年3月に発表された「第3期つくば市戦略プラン」では、「2030年の未来像」の一つとして「性別、国籍、年齢等を問わず、自身や他者の選択を尊重し合い多様性をいかす文化が地域に根付いています」ということが示され、基本施策でも「多様性が尊重された、包摂的な社会をつくる」(Ⅲ-3)ということが位置付けられています。 個人的には、「多様性の尊重」や「包摂性」が、国籍・性別・障がいの有無といったジャンルを超えて展開され、地域アイデンティティとして根付いていけば、つくば市は全体として、住む人にとって、よい地域として感じられるのではないでしょうか。(元水戸市みとの魅力発信課長) 【ぬまた・まこと】一橋大社会学部卒。民間企業を経て、2000年、水戸市役所入庁。12年、庁内公募で「みとの魅力発信課」に移り、広報・シティセールス・フィルムコミッションなどを9年間担当。同課課長、文化交流課長を経て、22年退職。飲み歩きイベント「水戸バー・バル・バール」実行委員、街歩きサークル「水戸との遭遇」を主宰。1971年、京都生まれ。つくば市在住。

常総学院が3連覇 春季高校野球県大会

第77回春季関東地区高校野球茨城県大会は5日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で決勝戦が行われ、常総学院が3-1で境を下し3年連続18回目の優勝を果たした。3位決定戦では藤代が6-4で水城を破った。常総学院、境、藤代の3校は17日から本県で開催される関東大会に出場する。 第77回春季関東地区高校野球茨城県大会決勝 J:COMスタジアム土浦境    100 000 000 1常総学院 300 000 00× 3 決勝戦は1回表に境が先制。1死からの遊ゴロを水口煌太朗が一塁へ悪送球し走者二塁とされ、次打者の右前打で1点を奪われた。だが常総学院はその裏、3点を奪って逆転。3番・佐藤剛希の左前打などで満塁とし、相手投手の四球押し出しで1点を返した後、6番・吉岡基喜の右前打で2者が生還。「打ったのはまっすぐ。インコース高めを腕をたたんで捉えた。犠打を打とうとボールのラインにバットを入れたが、詰まってヒットになった」と吉岡。結局、この点差を最後まで守り切った。 常総学院の先発・小澤頼人は8回を投げて1安打1四球の自責点1。9回は野口龍馬が三者凡退に抑えた。「初回はエラーがありリズムも良くない中で、自分も調子悪いなりに最少失点で抑えられてよかった。5回のピンチも0点に抑えれば流れが来ると思った。境打線は初球からどんどん振ってくるので、低めの変化球から入る意識で抑えられた」と小澤。野口の救援について島田直也監督は「緊張する場面をストライク先行で抑えてくれた。もっといろんな選手を試したい気持ちもあったが、それよりも負けたくない気持ちの方が強かった」と話した。 5回表のピンチとは先頭打者が左越え二塁打、次打者の投ゴロを一塁ベースカバーに入った二塁手の吉岡が落球、無死一・三塁とされたもの。しかし遊撃への小飛球を水口がダイビングキャッチし一塁送球、走者戻れずダブルプレーとなった。このように常総学院は1試合で4つの失策を数えたが、一方で3つの併殺を奪うなど、ミスを帳消しにする好プレーも多かった。 むしろ課題は、追加点を奪えなかったこと。「準決勝までは打線がつながっていたが、初めての決勝の舞台に気持ちの未熟さが出た。ヒットが出なくても小技や足をからめるなど、打てないなりにできることがまだまだあるはず。一人一人が持っている引き出しの多さを発揮することができなかった」と浜崎怜央主将の振り返り。関東大会に向けては「強豪と戦える機会で学ぶことが多い。その中で自分たちの野球がどれだけできるか。チームの士気を高めながら挑んでいきたい」と意気込んだ。 春季関東大会は17日開幕の予定。常総学院は3年連続24度目、境は37年ぶり2度目、藤代は6年ぶり3度目の出場となる。(池田充雄) 優勝した常総学院