【崎山勝功】大相撲を引退した荒磯親方=元横綱・稀勢の里=(32)は18日、出身地の牛久市牛久町、エスカード牛久で開かれた「稀勢の里関郷土後援会 感謝のつどい」(同後援会主催)に引退後初めて出席し、後援会員ら約420人のファンに感謝の意を伝えた。
荒磯親方はスーツ姿で登壇し「力士人生の17年間、郷土後援会ができて約15年間、大変お世話になりました。苦しいとき、つらいときもたくさん応援していただき、国技館にもたくさん足を運んでいただき本当に力になりました」と振り返った。その上で「苦しかったことやうれしかったことを後輩に伝えていけたら。次世代の力士のために尽力します」と、今後は後進の指導に力を入れることを改めて表明した。
商店主ら3000枚のメッセージ手渡す
集いでは、牛久・龍ケ崎両市民らが感謝の言葉を記した名刺大のメッセージカード約3000枚が荒磯親方に手渡された。和菓子店「手作処かっぱ本舗」(牛久市田宮町)の村松慎次さん(50)が企画した。「稀綱祭(きずなまつり)」と題して、両市の商店主有志らが2月1日から約2週間、各店の店頭などでメッセージを集めた。
村松さんは「横綱がいてこそ龍ケ崎・牛久がクローズアップされた」と話し、参加した喫茶店「サイトウコーヒー」(同市南)の斉藤孝司さん(45)は「お客さんが『ぜひ書かせてください』と書いてくれた。うれしかった」と振り返った。サツマイモ菓子専門店「芋千」(同市南)の冨岡大晃(ひろあき)さん(38)は「店先でいろいろな方に書いてもらったけど、小さいお子さまからおじいちゃんまで、皆(稀勢の里が)大好きだったんだな、絆を感じた」と述べた。
荒磯親方は龍ケ崎市立松葉小学校出身。2年生のとき担任だった、牛久市立牛久第二小の鶴巻幸子校長(60)は、牛久二小の児童345人のメッセージカードを手渡した。鶴巻校長は「元気が良かったから、何か大物になると思った」と当時を振り返り「けがをしない強い力士を育てるとの言葉通り、先輩や親方への恩返しも込めて頑張ってくれると思う」と語った。
集いでは大勢の地元ファンのサインや写真撮影にも応じた。サインをもらった女性は「『ありがとうございます』と言うのが精一杯だった。これからも変わらず応援していきたい」と話した。
同後援会応援団長の石渡昇さん(67)は「けがに負けない力士を育てていただきたい。(日本相撲協会の)理事、理事長になって、100年先の大相撲の発展を願っている」と新たな期待を寄せた。その上で新しい相撲部屋の場所について「牛久、龍ケ崎、つくばなど考えてもらえれば」と希望を話した。
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