土曜日, 10月 25, 2025
ホームつくば「あしなが募金」街頭呼びかけ体験、記者の思い 21日からつくば駅前などで秋の活動

「あしなが募金」街頭呼びかけ体験、記者の思い 21日からつくば駅前などで秋の活動

常陽新聞(今年3月休刊)記者だった筆者は、高校や大学への進学支援を訴える「あしなが学生募金」の活動ぶりや遺児たちの苦しい生活事情を記事にしてきた。新聞が休刊したあと遺児たちの記事が書けなくなる―そう絶望感に襲われた記者は「遺児たちのために何かできることはないか」と春の街頭募金活動に志願した。秋の募金は10月21日から29日まで土日の4日間、つくば駅前(21日のみ)など県内4カ所で行われる。

街頭募金は春と秋の年2回実施される。記者は4月に取手とつくばで街頭募金活動に参加した。4月は新年度の切り替え時期と重なるため、例年学生ボランティアが不足する。2016年4月にはボランティア不足のため、つくばでの街頭活動が断念された。

4月22日、JR取手駅西口では、群馬県から来た学生スタッフの女性と2人で募金活動を始めた。茨城のボランティアが足りないため群馬県から遠征してきたという。記者は中学生のとき、郷里の岩手県宮古市で「赤い羽根共同募金」活動に参加した経験があり、街頭での呼び掛けに抵抗感はなかった。

午前10時から開始したものの、募金どころかチラシを受け取ってもらうだけでひと苦労。駅を行きかう人はなかなか足を止めようとしない。インターネットで流れている言葉をうのみにして「募金が何に使われているのか分かっているのか」と食ってかかる男性もいたが、ひとしきり持論を述べてから募金に応じてくれた。

粘り強くチラシ配布を続けると、少しずつ募金に応じる人が出てきた。「ボランティア不足であしなが学生募金が苦境」という報道が新聞やテレビであったため、認知度が上がったのだろうか。硬貨ではなく紙幣を募金してくれる年配の女性などもいて、女性スタッフは「取手はすごい」と感激していた。

午後から、あしなが奨学生OBが助っ人に加わってくれたこともあり弾みがついた。午後4時までに記者が集めた募金は1万4963円だった。

4月30日、つくば駅前での活動には午前中のみ参加した。取手とは打って変わって、高校生、大手保険会社社員のボランティアなど20人前後がいて、飛び入りで参加した親子連れもいた。

「つくばは大学生や研究者が多いから関心度が高いのか」と期待したが、チラシも受け取らず通り過ぎる市民が多かった。心が折れそうになったが、高校時代、応援団長から「腹から声出せ」と指導を受けたのを思い出し、大声で呼び掛けた。2時間で募金額は2028円。取手と比べると少ないが健闘したと思う。

10月21日からの募金ボランティアの参加は「あしなが学生募金」公式サイトで受け付けている。

あしなが育英会は2018度から「給付型奨学金」を新設し、大学生などには月3万円(年間36万円)、高校生などには月2万円(年間24万円)が給付される。従来から行われている貸与型の無利子奨学金と併用すると、大学生で年間84万円を受けられることになり、勉学に打ち込める環境が改善される。(崎山勝功)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

土浦の花火100年と大会の見どころ《見上げてごらん!》45

【コラム・小泉裕司】11月1日(土)に予定されている今年の「土浦の花火」は初回から数えて100周年。そこで、その歴史に簡単に触れたあと、今大会の見どころを花火鑑賞士の視点から解説しておきたい。 第1回の会場 土浦の花火は、100年前の1925年9月5日、霞ケ浦湖畔の岡本埋立地で始まった。10万人を超える観客が土浦の町中にあふれたそうだ。ただ、当時のプログラムが残存せず、競技の内容、出品作品や花火師の名前は確認されていない。プログラムがあったのかどうかもわかっていない。 ちなみに、湖畔の埋め立ては、当時霞ケ浦で盛んだった汽船業を起業した故岡本儀兵衛氏が行ったもので、現在の川口運動公園エリア(第1回会場付近=Googleマップ)になる。 第2回の会場 大会公式パンフレットによると、桜川河畔に会場を移転したのは6年後の1931年とあるが、その3年前の「いはらき新聞」は、開催地について桜川岸と報じている。「土浦町内ものがたり」(本堂清著、常陽新聞社)にも、第2回には常磐線踏切の警備上の問題で移転したとある。 異常な混雑の中、安全な大会を確保するための警備体制の強化など、人的にも費用的にも大変な苦労があるのは今も同じ。そういえば、踏切の横にあった跨線(こせん)橋を渡った記憶がかすかによみがえる。 移転先は、匂橋付近の桜川右岸の土手。対岸の現桜町地区は、土浦町が「土浦百年の構想」として1922年から進めた耕地整理事業が完成し、1925年に土浦町内に散在していた花街がこの地に三業指定地区として強制移転させられ、地区名を「栄町」とした。 花火見物客はさらに増え、街の商店街はうるおったようだ。現在、土浦市立博物館で開催中のテーマ展「土浦の花火百年」(本サイト記事は10月12日掲載)に展示中の第2回プログラムによれば、大会に共催した店舗は、飲食店や旅館が並んでいることからも、第2回移転説は信憑(しんぴょう)性が高いように思う。 会場の今後 その後、霞ケ浦湖畔に移ったが、安全対策を勘案し、1971年には現在地「桜川大曲」に移り、100年の半分以上をこの地で開催し、今日に至っている。残念ながら、現在地周辺の急激な環境変化を勘案すると、この地での永続性は考えにくい。土浦の花火200年に向け、会場のあり方を早期に方針を固めることが、今を生きる私たちの役割に違いない。 今大会の見どころ 今大会は、全国19都道県から57の煙火業者が一堂に会し、内閣総理大臣賞を目指し、匠(たくみ)の技を披露する。10号玉の部45作品、創造花火の部22作品、スターマインの部22作品の3部門で競技が行われ、各部門の優勝者には経済産業大臣賞などの権威ある賞が授与される。ちなみに、参加業者数57は国内の競技大会日本一を誇る。 スターマインの部 最近の傾向は、速射連発の「迫力系」と、しっとりゆったりの「芸術系」に2極化しており、全作品が音楽付き。0.03秒単位でコンピュータプログラムされた花火とのシンクロが見もの。精魂込めた、夜空を彩る400発余の光と音の傑作に没入しよう。 創造花火の部 前大会は、時差式花火の応用など、近年にない創造性豊かな作品が私たちを感動させてくれた。 田端煙火(静岡県)の「もぐらバトルロイヤル」は、夜空でモグラたたき? 北陸火工の「見てくれ!鍛え抜かれた俺の腹筋」は、今年も女性花火師のアイデアか? 前大会「しんちゃん」で優勝した北日本花火興業の「赤いキツネと緑のタヌキ」も、大いに気になる。今年の作品タイトルも、ワクワク感いっぱい。 10号玉の部 前回よりも1作品増えた「五重芯」7作品に注目だろう。完璧な四重芯や三重芯も美しいが、匠の究極の技と言われる五重芯による優勝争いが繰り広げられることは必至。観客席のみなさんは動体視力の限界に挑戦しながら、夜空を凝視してほしい。 土浦花火づくし 競技開始から1時間後の午後6時30分、大会提供ワイドスターマイン「土浦花火づくし」の打ち上げ開始。幅500メートル、9カ所から4号、5号、8号玉を約7分間、2000発を打ち上げる。 このプログラムを楽しみに訪れる来場者が多いのはうれしいが、終わると帰りを急ぐ方が多いのはとても残念。後半の打ち上げは、昨年の大会の成績上位の煙火業者。余りにもったいなさ過ぎるので、どうか最後までご覧いただくことを切願する。 撮影減衰効果 大会を間近に控え、毎年、要らぬアドバイスを繰り返しているが、今回はスマホによる花火撮影について一言申し上げる。 感動して写真や動画に残したいと思うのはやまやま。一方、撮影することに集中するあまり、その瞬間の感動と記憶が薄れてしまうことは学術的に立証済。花火師によると、今夜打ち上げた花火と同じ花火を打ち上げることはできないとのこと。いわば一期一会の世界を、スマホの画面越しではなく、目視でしっかりと脳裏に焼き付けてほしい。 今年こそ、大会の無事開催を祈り、「ドーン ドーン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長) ▼ラジオ特番&ネットで生中継:会場に行けない方にはFMラジオやネットでのライブ配信がお薦め。土浦全国花火競技大会実行委員会YouTubeチャンネル

つくば市職員2人を失職及び懲戒処分

つくば市は24日までに、同市職員2人をそれぞれ失職及び停職2カ月の懲戒処分にしたと発表した。 スマホ見ながら運転し歩行者にけが 失職となったのは、こども部の30代一般職員。市人事課によると同職員は、今年1月31日、勤務時間外に土浦市内で、自家用車で買い物をし、帰宅途中、スマートフォンを見ながら運転し、赤信号で交差点に進入。横断歩道を渡っていた歩行者に衝突し、けがを負わせる交通事故を起こし、過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕された。 その後7月30日、水戸地検土浦支部から過失運転致傷罪で起訴され、10月8日に水戸地裁土浦支部で禁固1年4カ月執行猶予3年の判決が言い渡され、同22日、刑が確定した。 禁固以上の刑に処せられた場合、地方公務員法により自動的に公務員の職を失うことになり、22日付で失職となった。同課によると本人は、事故を起こしけがを負わせたことに対し真摯(しんし)に反省しているという。 無断欠勤含め37回理由なく欠勤 一方懲戒処分となったのは、市民部地域交流センターの50代一般職員。市人事課によると同職員は、今年2月から10月の間、体調不良を理由に休暇を取得する中で、与えられた年次休暇20日と夏季休暇5日の計25日をすべて取得した上で、無断欠勤を含め計37回にわたり正当な理由なく欠勤したとしている。 職員には療養休暇などの制度があり、所属部署などから「医療機関を受診し適正な休暇手続きをすること」「勤務できない場合は所属部署への連絡を入れること」について繰り返し指摘を受けていたにもかかわらず、適正な手続きをとらなかった。 市職員分限懲戒審査委員会が23日開かれ、同職員に対し、24日から停職2カ月の懲戒処分が決まった。市人事課によると、本人は申し訳ありませんと述べているという。 職員2人の処分について五十嵐立青市長は同日「自動車の運転については公私問わず交通法規を遵守し細心の注意を払うよう再三にわたり注意喚起していたにもかかわらず、このような事故が起きてしまったことは誠に遺憾であり、事故の被害者に対して心から深くお詫びし、体調の回復を強く祈念します」とし、「職員の欠勤については、職員として必要な手続きを怠っただけでなく全体の奉仕者たる公務員として市民の信頼を損ねる行為であり、深くお詫びします。今後、市民の不信を招くことが無いよう、職員に対し改めて安全運転や服務規律を徹底させ綱紀粛正に努めます」などとするコメントを発表した。

筑波大 岡城選手 阪神がドラフト3位指名

「ファンに負けない熱い選手に」と目標 今年度のプロ野球ドラフト会議が23日開かれ、筑波大学硬式野球部の岡城快生選手が、阪神タイガースから3位指名を受けた。大学構内の野球・ソフトボール室内練習施設「Invictus athlete Performance Center」(インヴィクタス・アスリート・パフォーマンス・センター)で吉報を聞いた岡城選手は、野球部の同期の仲間らに胴上げされるなどして喜びに浸り、「筑波大を背負ってプロの世界で戦うので応援よろしくお願いします」とあいさつした。 指名を受けての感想は「こんなに早く選ばれるとは思ってなく、正直ほっとした。指名を待つ間は緊張が抜けなかったが、後ろに同期の仲間がいたので気持ちが楽になった」と岡城選手。阪神についての印象は「ファンと球団の心理的距離が近く、一体感があるチーム。ファンも熱い人が多いので、自分も負けずに熱い選手になりたい」。プロ野球選手としての目標は「具体的な目標や理想の選手像などはないが唯一無二の選手になりたい。強みである走力を生かして走攻守オールラウンダーなバランスとれた選手になり、けがなく長く選手を続けたい」と話した。 岡城選手は岡山県出身。進学校の岡山一宮高校へ進み、ショート兼投手としてプレー。最高成績は県大会2回戦止まりだった。進路は「将来が広がるよう野球が強い国公立へ」と考え、筑波大学に進学。「ストレスがない環境で、心も体もゼロから積み上げることができた」と成長を実感できたという。 同部監督の川村卓教授は「肩と足は入学時から良かったが、特に目立った選手ではなかった。課題を一つ一つ克服でき、積み上げによってここまで伸びることができた。特に打撃が伸び、課題としていたインコースを打てるようになった」と評価するほか、練習中の様子や試合中のベンチからの声掛けなど、人柄の部分でもスカウトの目に止まったようだと話した。 俊足強肩を生かして大学1年時に外野手として抜擢され、2年春からベンチ入り、3年春から中堅手のレギュラーとして定着。3年冬には大学日本代表候補にも選出された。身長183センチ、体重83キロ、右打ちで右方向へも放つことができ、走力では1塁到達タイム約4.2秒と高い能力を誇る。(池田充雄)

まちの進化が分かる「けんがくトレカ」《けんがくひろば》17

【コラム・島田由美子】25日(土)に開催される「けんがくハロウィン2025」で、ちょっとワクワクする新企画が登場します。 その名も「けんがくトレーディングカード」。このカードは、研究学園(略してけんがく)地域が生まれてから今の姿になるまでの“まちの進化”を写真でたどる、全16種類のカードです。その写真には、研究学園駅、市役所、駅周辺マンション群、イーアスつくばなど、おなじみの場所がいっぱい。 まっさらな土地から建物が建ち、そこに人が集まり、にぎやかなまちになっていく様子が、1枚1枚のカードにギュッとつまっています。 カードの名前もユニークです。「まっ平らな更地」を表す“タイラー”、「役所」をもじった“ヤクショー”など、思わず笑ってしまう工夫が盛り込まれています。攻撃力は駅の乗降者数や「けんがく」の人口でポイント化されていて、家族で見比べながら「このころはまだ何もなかったんだね」なんて、話が弾みそうです。 みんなでカードを交換しよう! ハロウィン会場では、来場者全員にカードが4枚配られます。 カードにはアルファベットと数字が書かれていて、他の人と交換して集めるゲームになっています。同じアルファベットのカードを4種類そろえたり、同じ数字を4種類そろえると、景品がもらえます。さらに、4人でチームを作って16種類すべてそろえたら、研究学園地域のお店や会社から豪華賞品がチーム全員にプレゼントされます。 カードをきっかけに、「これと交換しよう!」「この写真すごいね!」と、初めて会った人とも仲良くなれるかもしれません。遊びながら、地域のことを理解できる、少し特別なハロウィンになるでしょう。 カードに使われている写真は、20年近くの間、研究学園のまちを見つめ続けてきた一住民が撮影したものです。その写真をもとに、地域住民がアイデアを出し合い、デザインを考え、心をこめて作り上げました。このカードは住民が力を合わせて作った“地域の宝物”です。 ぜひ「けんがくハロウィン」へ! 「けんがくハロウィン2025」は、学園の杜公園と研究学園駅周辺で開催します。トリックオアトリートやハロウィンクラフト、ごみ拾いなど家族で楽しめるイベントがいっぱいです。カードを集めながらぜひ、まちの思い出をたどる秋の1日を楽しんでください。(けんがくまちづくり実行委員) <けんがくハロウィン2025>・日時:10月25日(土)正午〜午後4時30分(荒天中止)・会場:学園の杜公園&研究学園駅周辺(受付は公園)