【鈴木宏子】つくば市は7日、夫から暴力を受け市内に引っ越してきたDV被害女性の資格証明書を昨年4月、誤って加害者の夫が住む住所に送付してしまったと発表した。女性は身の安全を図るため直後の5月に転居し、引っ越し費用約27万円を市が女性に損害賠償した。
市障害福祉課によると、女性は、夫に転居先を知られないよう住民登録を変更しないまま、つくば市に引っ越してきた。資格証明書には、女性が利用している医療機関名と薬局名、封筒にはつくば市の市名が書かれていた。女性のつくば市内の住所は記されておらず、夫からの問い合わせなどはなかったという。
昨年5月1日、女性から問い合わせがあり、誤送付が判明した。市は女性に謝罪したという。
窓口で受け付けた市職員が、送付先の住所をつくば市内に変更する旨の情報を同課のシステムに入力しなければならなかったが、入力を怠り、事情を知らない別の職員が、女性の住民登録地である前の住所に送ってしまったという。
五十嵐立青市長は「起こしてはならない重大な過失で、被害者に多大な迷惑をお掛けしたことを心よりお詫びします。今回の事態を重大に受け止め、再発防止策として庁内の情報共有システムとチェック体制を強化しました。今後は二度とこのような事態を起こさないよう努めます」とするコメントを発表した。