筑波大生が運営に携わり、東北6県の日本酒やご当地グルメなどを紹介する「第4回食と酒東北祭り」(同実行委員会主催)が14、15日、つくば市吾妻のつくばセンター広場で開かれている。11の酒蔵が出展し、コップ1杯100円から日本酒を販売している。岩手県北上市の「北上コロッケ」などご当地グルメの飲食店も軒を連ねている。
東日本大震災被災地を継続して支援していくのが目的。「東北とつくばの架け橋になる活動をしていきたい」と、同実行委広報担当で筑波大3年の坪井飛呂香さん(22)は意気込む。
会場には、実行委が東北地方の魅力を伝えるパネルを展示。ステージでは、岩手県の伝統芸能「さんさ踊り」の発表もあった。
「『桃川(青森県)』という日本酒がおいしかった」と話す筑波大3年の男子学生(21)は「つくばでは東北のものを一度に食べる機会が無く、参加してよかった」と話した。
出展した福島県会津若松市、「鶴乃江酒造」の向井洋年統括部長(45)は「筑波大の実行委員会の人たちがわざわざ(福島県まで)来てくれた。若い方が主催するイベントに関われるのがうれしい」と語った。福島県では原発事故の風評被害を受け「味が第一、というのを見せないといけない」と、蔵元同士が技術を教え合い、品質向上に努めたという。その努力もあって、全国新酒鑑評会では福島県が2012年から5年連続で金賞受賞数ナンバーワンを維持。「福島の蔵元みんなが『みんなで金賞を取るぞ』という気持ちでやった」とし「安全性でも全部のコメを放射能検査している。あとは品質で見せたい」と話した。
岩手県大船渡市、「酔仙酒造」営業部販売課の紺野裕介さん(30)は「今年は雨であいにくの天気だが、お客さんの反応はかなりいい」と語る。震災から6年7カ月が経つものの、岩手県沿岸地域は復興途上で「震災のことを気にかけている人がいて、復興の手助けになる」と同イベントを高く評価。「日本酒のレベルが高い、東北の酒蔵が集まる貴重な機会」として、他県の酒造関係者との情報交換にも役立っているという。(崎山勝功)