【鈴木宏子】JA土浦、竜ケ崎、茨城かすみの県南3JAが合併して1日、JA水郷つくば(本店・土浦市田中、元JA土浦本店)が誕生した。県内2番目の規模になる。同日開かれた理事会で、新組合長に元JA土浦組合長の池田正氏、副組合長に元JA竜ケ崎組合長の木村透氏と元JA茨城かすみ組合長の糸賀一男氏の2人がそれぞれ選出された。
組合員数約2万8100人、貯金残高約2395億円と、JA常陸(本店・常陸太田市)に次いで県内2番目の規模になる。販売品取扱高は年間約100億円。
1日、土浦市田中の本店で開所式が催され、池田組合長と、木村、糸賀両副組合長がテープカットし門出を祝った。
池田組合長は「スピード感ある事業をしっかり展開したい。2月1日はEUとのEPA(経済連携協定)が発効した日でもある。激動の時代にしっかり対応できるJAをつくっていきたい」と抱負を述べ、「管内人口は40万人。首都圏や地元の消費者に安全安心を届けるのにいい場所」と強みを強調した。さらに今後について「国内だけでなく海外にも進出できるよう独自の加工品をもってしっかり発信し、組合員と地域に貢献できるJAを目指したい」と述べた。
具体的には、地元のレンコンパウダーを使ったうどん「れんこんめん」と「レンコンバームクーヘン」をシンガポールやタイ・バンコクなど東南アジアに輸出する準備を本格的に進めるとした。さらに土浦市大岩田にバームクーヘンの加工工場やレストランを併設した直売所を新設する計画も明らかにした。
合併に向けては昨年3月1日、合併協議会を設置し、8月1日、大井川和彦知事らの立ち合いで3JAの組合長が合併の調印をした。しかし8月25日の臨時総代会でJA竜ケ崎が組合員の3分の2以上の賛成を得られずいったん合併を否決。その後9月24日に臨時総会を開き、合併議案を再審議して合併承認にこぎ着けた経緯がある。
農協の合併は、国が農協改革の一環で今年5月までに一定の自己改革の成果を求めていることなどを背景に、JA自らが組織や経営基盤の強化を図る目的で進めている。水郷つくばは県南の中核農協として今後、JAつくば市や他のJAにさらに合併を働き掛けていく方針だ。