日曜日, 12月 14, 2025
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【ウェルネスパーク問題】公募からやり直し 議会否決のつくば市指定管理者

【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長が昨年12月議会に提案していた、スポーツ施設「つくばウェルネスパーク」(同市山木)の指定管理者案が、同市議会で否決された問題=2018年12月21日付け19年1月7日付け=で、五十嵐市長は10日の記者会見で「ゼロベースで公募をかけたい」と話し、同選定検討会議(座長・毛塚幹人副市長)の審査で次点だった事業者を議会に提案するのではなく、改めて事業者を公募して選定をやり直す考えを示した。

五十嵐市長は「(選定検討会議の)専門家が様々な議論をして公平に審査した結果(12月議会に提案したのは合計得点が)1番目の事業者になった。専門家の議論が否定されたとは思ってない」と話す一方「決めるのは議会。プロセス部分に対して議会から問題提起があったことを重く受け止め改善策を出す。次点の事業者(を再提案するということ)ではない。(選定検討会議を開いて)選定し直す」などとする方針を示した。

担当の市スポーツ振興課などは「プロセスに関して議会から問題提起があったので、議会の意向をくんで考え方を整理し、参加資格要件も含めて検討したい」などとしている。

一方、現在、同施設を管理運営している事業者の指定期間は今年3月末まで。今回、議会に提案した事業者の選定には、募集開始から候補者選定まで3カ月以上かかった。これから公募し選び直すと4月からの指定に間に合わない可能性が出てくる。新たな指定管理者が決まるまでの間、施設の管理運営をどうするのか、新たな対応が必要になる。市は「どうするかも含めて検討している。なるべく早く(方向性を)示す」などとしている。

市は昨年7月の指定管理者の募集要項で「不測の事態が生じたときは次点候補者を候補者として繰り上げることができる」としていた。さらに応募者の資格要件として、緊急時に迅速かつ適切な対応がとれるよう市内に拠点事務所がある事業者を条件にしていた。

反対「地場産業育成」、賛成「市民の利便性向上」

市長提案に対する12月議会の採決では、五頭泰誠氏(自民つくばクラブ・新しい風)から反対討論として「力のある会社と地元の小さな会社で差が出てしまう。地場産業の育成を市長は公約にうたった。発注段階で庁内でこういうことをもっと考えなければいけなかった」などの意見が出た。

一方、賛成討論として北口ひとみ氏(つくば・市民ネット)は「指定管理者制度導入そのものの目的は民間のノウハウを活用した市民の利便性向上が第一義的。(提案事業者は)地元での雇用にも言及している」などと意見を表明していた。

採決の結果、賛成11、反対16で否決となった経緯がある。

▽今年4月から5年間、つくばウェルネスパークを管理運営する指定管理者には、シンコースポーツ(東京都中央区)、T.P.Hウェルネス推進グループ(代表・塚越産業、つくば市篠崎)、つくばアクアファーム(つくば市竹園)の3者から応募があり、市選定検討会議の審査でシンコースポーツが候補者に選ばれ、議会に提案された。次点は現在、同施設の指定管理者になっているT.P.Hウェルネス推進グループだった。5年間の指定管理料提示額は議会で否決されたシンコースポーツが約3億5900万円、次点のT.P.Hウェルネス推進グループが約3億7400万円だった。

▽12月議会の議決結果は以下の通り(敬称略)
賛成=つくば・市民ネット(小森谷佐弥香、皆川幸枝、宇野信子、北口ひとみ)、公明党(山本美和、浜中勝美、小野泰宏)、共産党(山中真弓、橋本佳子、滝口隆一)、大久保勝弘(つくば政清会)の11人。

反対=自民つくばクラブ・新しい風(長塚俊宏、黒田健祐、神谷大蔵、小久保貴史、五頭泰誠、ヘイズジョン、久保谷孝夫)、つくば市民政策研究会(高野進、柳沢逸夫、須藤光明)、木村清隆(つくば政清会)、木村修寿(同)、塚本洋二(同)、金子和雄(新社会)、高野文男(創生クラブはがくれ)、鈴木富士雄(筑峰クラブ)の16人。

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ソプラノ歌手招き 歌ってフレイル予防を つくばのコーラスサークル

健康を維持するためのコーラスサークル「マウントつくばエコー」(伊藤雄二代表)が今年5月に結成され、国内外で活躍するソプラノ歌手で二期会会員のひらやすかつこさんを都内から招き、ボイストレーニングとコーラスの講座が開催されている。 音楽を楽しむと同時に、大きな声を出すことによって、加齢で心身が老い衰える「フレイル」(虚弱状態)を予防し、健康を維持することを目的としている。歌唱のうまさを競うものでなく、それぞれが楽しく歌うというのがモットーだ。 講座は月1回、同市並木の並木交流センターで催され、ひらやすさんが毎回、呼吸、発声、歌唱方法などを指導する。呼吸は、持参したストローを用い、ゆっくり深く息を吸った後、ストローを使って、吸った時間の倍の時間を掛けてゆっくり吐き出す。声帯と周辺筋肉の「声筋」を鍛えるほか、肺機能を向上させ、副交感神経を優位にすることでストレスの軽減や不安の緩和などの効果があるという。「声筋を鍛えることは認知症予防につながる。日常生活に音楽を取り入れるために、とても良い練習になる」とひらやすさんは言う。 現在会員は15人で、ほとんど欠席者は出ず、毎回毎回を楽しみに通っているという。練習では「埴生(はにゅう)の宿」「ふるさと」「オー・ソレ・ミオ」などをレパートリーとしている。 代表の伊藤さんが、都内でひらやすさんの講座を受講し、「つくばでもぜひやってみたい」と相談したのがきっかけ。伊藤さんが会員を募集しスタートした。 ひらやすさんは、武蔵野音楽大学を卒業後、ドイツ、イタリア、オーストリアなどに3度国費留学。ニューヨークのカーネギーホールで催された日米親善ソリスト公演にも出演した。現在は声楽家にとどまらず、臨床心理療法士、心理カウンセラーと幅広く活躍している。音楽と健康をテーマに、都内で開かれている「ときめきサロン」などの講師を務めているほか、老人ホームなどでも音楽教室を開いている。 ひらやすさんは「つくばは2018年頃から訪れているが、自然が豊かでとても気に入っている街。毎月来るのが楽しみになっている。楽しく歌えば健康になる。どんな形でもどんなジャンルでも歌うことは良いことで、歌うことが日常になってくれれば」と語る。「年を重ねると声帯が固くなり、高い声などが出にくくなる。しかしトレーニングによって改善することが出来る」と言い、「サークルでも、コーラスだけでなく、一人一人に歌ってもらうことで効果を高める指導をしている」と話す。 代表の伊藤さんは、大手半導体メーカー、インテルを退職後「テニスやゴルフ、カードゲームなど趣味に生きていた」が、ひらやすさんとの出会いによって新しい世界が広がったという。「会員のみんなが熱心で、歌うことによって健康になってもらえれば」「現在も会員募集中で、20人ぐらいに増やしたい。将来は旅行などしながら移動コンサートも出来たら」と語る。(榎田智司) ◆マウントつくばエコーのひらやすかつこさんの講座は、毎月第2木曜日午前9時30分~午後1時、つくば市並木4-2-1、並木交流センター音楽室で開催。会費は月2000円。問い合わせは伊藤さん(電話080-1241-5733、メールyuji3itoh@gmail.com)へ。