土曜日, 2月 7, 2026
ホームスポーツ高安に歓声 大相撲土浦・牛久場所 稀勢の里は欠場

高安に歓声 大相撲土浦・牛久場所 稀勢の里は欠場

【崎山勝功】2018年冬巡業大相撲土浦・牛久場所(同実行委員会主催)が22日、土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で開かれた。土浦市出身の大関・高安が横綱・白鵬を寄り切り、約3600人の来場者を前に健在ぶりをアピールした。牛久市出身の横綱・稀勢の里はけがの治療を最優先させるため欠場した。

高安は午前中の公開稽古で、土俵上で精力的にぶつかる姿を見せた。結びの一番の横綱・白鵬との対戦では、「高安頑張れ」の応援が飛び交う中、寄り切りで勝つと、場内から大歓声と拍手が沸き起こった。

白鵬と四つに組む高安(右)

観戦した高安土浦後援会の折本明副会長は「生で見ると迫力が違う。高安には1月場所で優勝して2月には(横綱の)綱を張ってもらいたい。親方衆もみんな期待している」と述べた。土浦ロータリークラブの交換留学生としてカナダから来日している高校生のソフィア・ラミレスさんは「初めて力士を見た。本当に面白い」と日本の相撲に関心を示していた。

中川清土浦市長は「ぜひ来年はいいスタートを切ってもらい、常に優勝争いに加わってほしい。そのためには心技体をもっと磨いていただきたい」と期待を寄せた。

報道各社の取材に応じた高安は「たくさんの方から直接励ましの言葉をいただいた。なかなか茨城に帰ってこれなかったので(言葉を)いただけてうれしい」と、地元ファンに感謝の意を示した。

一方、稀勢の里の休場について根本洋治牛久市長は「欠場は寂しい。でも稀勢の里の回復が一番。(欠場の)寂しさを我々が我慢しないといけない時期」と述べ「高安関もいるので(稀勢の里と)2人で千秋楽をにぎわせてくれるのが我々の望み。お互いに頑張ってほしい」とエールを送った。

高安が幼児らと交流

同巡業では高安が幼児を抱っこし、ファンとの交流を深めた。事前に申し込みをしていた約30組の親子が、まわし姿の幼児を高安に抱っこしてもらい記念写真を撮るなどした。

妊娠6カ月の青山りつこさん(33)=土浦市荒川沖=は、1歳7カ月の息子、虎ノ介ちゃんを連れて参加した。お目当ては高安に虎ノ介ちゃんを抱っこしてもらい、妊娠中のお腹をなでてもらうこと。古来から「強い力士に抱っこされると赤ん坊が丈夫で元気に育つ」「力士が妊婦のお腹を触ると安産になる」という言い伝えがあるという。

まわし姿の虎ノ介ちゃんは高安に抱っこされた途端、驚いて泣き出してしまったが、お腹をなでてもらった青山さんは「高安の手は大きくて温かかった。子どもは泣き出してしまったけど元気に育ちそう」と満足げな表情を見せた。

高安からサインをもらったという土浦相撲倶楽部の村野太紀キャプテン(12)=小学6年、つくば市=は「将来は力士を目指している。押し相撲ができる力士になり3役に入りたい。横綱・貴乃花のようになりたい」と話した。

ファンとの交流会で幼児を抱っこする大関・高安=同

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ふるさとのない時代《くずかごの唄》154

【コラム・奥井登美子】お正月には誰も故郷に帰りたくなる。私が育ったのは荻窪のみどり幼稚園。緑の名の通り、生垣に囲まれた家と野原の、のんびりした緑色の住宅街だった。 しかし今の東京の町はどこも高いビルばかりで、緑がない。故郷という言葉とはかけ離れた風景になってしまっている。私の故郷と呼べるような所は、もうどこにもなくなってしまったのだ。 幼い時、父の故郷、新富町へもよく連れて行ってもらった。父は歌舞伎座が新富座であった頃の、鉄砲洲小学校出身。「菅原伝授手習鑑」などに寺子屋の子役として駆り出されて、よく出演させられたそうだ。台詞(せりふ)も筋もよく覚えていて、よく私に語って聞かせてくれた。 隅田川のほとりに町があって、父は「〇〇ちゃんの店でノリを買おう」などと、昔の友達の家に寄っておしゃべりするのを楽しみにしていた。父の故郷はいま、日本ではない、高いビルばかりのどこか架空の空間になってしまっている。 タケちゃんの文が朝日に載った 1月27日の朝日新聞「折々のことば 鷲田清一」に、加藤尚武の文が載っていた。「個人の間の平等は、ある程度まで…自然の平等に支えられているが…国力の差は、ネズミとゾウの違いよりも大きい」 加藤尚武は私の弟のタケちゃん。京都大学の哲学教授を務めた後、鳥取に環境大学を創り、環境問題を、哲学のまな板の上に載せた人。「環境問題のすすめ」という著書もある。生活者として、医療と環境を意識して生活している。 加藤家の男たちはみな食べるのが好きで、父も、兄も、タケちゃんも、好きなものを自分で作って食べるのが趣味だ。 私はせめてせめて、お正月くらいは、おしゃべりの好きな弟のタケちゃん、母の昔の味の料理を作ってくれる妹、姪たちに会って、亡くなった父、母、兄の個性を偲(しの)びながら、今の子供たちと比べて、大笑いするしかないのだろうか。(随筆家、薬剤師)