金曜日, 1月 2, 2026
ホームつくば【シルバー団地の挑戦】6 自治会がごみ出し支援 利用広がらず 心理的抵抗感課題

【シルバー団地の挑戦】6 自治会がごみ出し支援 利用広がらず 心理的抵抗感課題

【橋立多美】つくば市茎崎地区の森の里自治会(倉本茂樹会長)は、ごみ出しなどの生活支援をする「高齢者支援隊」を結成して弱者支援を行っている。相互扶助の先駆的な取り組みだが、思ったほど利用世帯が集まらない。加齢で支援隊員を辞退する例も後を絶たず、さらに高齢化が進んで利用世帯が増えたときの対応が懸念されている。

高齢などで自力でごみを出せなくなった「ごみ出し困難世帯」は、朝日新聞の調査によると全国で少なくとも5万世帯に上るといわれる。中でも独り住まいの高齢者はごみ屋敷になる可能性があり、内閣府はごみ屋敷の予備軍は1万人以上と予想する。

結成6年 利用世帯もボランティアも減少

40年前に開発された森の里団地は世帯主の多くが団塊世代で、1300世帯中2割が高齢の1人暮らし。このうちの3割超を75歳以上の後期高齢者が占める(2016年10月1日現在)。

同自治会は高齢化に伴う弱者対策として燃やせるごみと粗大ごみのごみ出し、電球など簡易な器具の交換をする「高齢者支援隊」を12年に結成した。隊員は住民からボランティアを募った。高齢者は利用券1枚100円でごみ出しを依頼できる。支援隊員には、森の里自治会有償ボランティア規則に基づいて謝金(時給700円)が支払われる。利用券収入との差額は自治会が補てんしている。

開始からの利用は6世帯と広がりに欠け、現在は歩行困難な80代の独り住まい1世帯のみだ。支援隊員の担当は斉藤一夫さん(74)。週1回、燃やせるごみを玄関から集積所まで運ぶ。毎回利用者に署名捺印してもらう決まりで「何か変わったことはないか、安否確認に役立っている」と斉藤さんは話す。

ごみ出し支援を受けている人がいる一方で、老々介護の90代の男性は重いごみ袋を持つことが大変で、台車に載せて集積所まで運んでいる。近隣住民が手伝いを申し出るが「おむつが入っているごみ袋を人に頼むのを妻が嫌がる」。ある女性は「半透明のごみ袋はスナック菓子の袋や封筒などが透けて見える。暮らし向きが分かるし遠慮もあって団地住民に頼みたくない」と打ち明けた。ごみを見られることへの抵抗感が相互扶助システムの広がりを阻んでいるようだ。

自治会長の倉本さんは児童の登下校を見守る防犯パトロール隊の団長を兼務し、児童の安全を見守りつつごみ集積所を丹念に見て回る。ごみ出しに台車を使うなど自力でのごみ出しが困難な高齢者に支援隊の利用を呼びかけてきたが、「動けるうちは自分で」と返されることが多いという。一方で、加齢による体調不良などで支援隊員4人が活動できなくなり、現在は前出の斉藤さん1人になった。

来年4月「プラ容器分別が心配」

倉本さんは「今は(ごみ出しを)頑張る人が多くて支援隊員1人で足りているが、もっと高齢化が進むとみんなが支援を受けたくなる。その時、支援する側とされる側のバランスはとれるか」と眉を曇らせる。

民生委員でごみ出し支援の窓口を担当する浅田紀子さん(64)の心配は、来年4月から同市で始まるプラスチック製容器包装の分別収集だ。「資源の有効活用という趣旨は分かるが、認知症でなくても高齢者には細かい分別収集は大変だと思う。できない人には緩やかな収集方法を考えてほしい」と話した。

つくば市におけるごみ管理の課題を調査する国立環境研究所の鈴木薫研究員

国立環境研究所(つくば市小野川)資源循環・廃棄物研究センター循環型社会システム研究室の鈴木薫研究員は、超高齢化社会におけるごみ集積所管理のサポート手法を解明することを目的に、同市内全域の自治会(区会)にごみ集積所の課題についてヒアリング調査を行っている。「地縁血縁でごみ出しを助け合う旧集落と比較すると、組織ぐるみで支援する森の里は取り残される人が少ない。利用を左右する心理的要因を考慮する必要はあるが、『ごみ出し支援はこれから考える』という区会もあり、森の里の支援システムに学ぶことは多い」という。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

読み聞かせの卒業と増えていく書物《ことばのおはなし》89

【コラム・山口絹記】この数年で読み聞かせを卒業した娘の読書スピードがみるみる上がり、休日には厚めの児童書を1冊以上読むまでになった。学校でもよく本を読んでいるらしく、担任の先生との面談でもその旨を「偉いですね」というニュアンスで伝えられ、「はぁ」とか「まぁ」と曖昧にうなずいているのだが、活字中毒患者の真意を伝えるのはなかなか難しいものである。 私自身は学生時代、母親に「本の犬食いはやめなさいよ」「本ばっかり読んでないで」とよく言われたのだが、真偽不明な情報スジによると、小さい頃に抑圧された欲は大人になって暴走することがあるらしい。 なので私は、『100万回生きたねこ』の白猫ように、娘の完読宣言を受けても、そっけなく「そう」とだけ答えている。実際のところ、私の母親もいわゆる本の虫で、口ではいろいろ言っても本当に読書を禁じていたわけではなかったし、ことあるごとに娘にも書籍をプレゼントしてくれるので、まぁつまり、そういうことである。おそらくどうしようもない。 そんなこんなで最近、娘と本屋に行くことが増えた。私が誘うこともあるし、娘が「本がきれたから買いに行きたい」というのでついて行くこともある。個人的には我が子の言動について不安を感じるところである。本が“きれた”という表現が完全に中毒患者のソレだ。おそらくもう手を付けられないところまで中毒症状が進行してしまったようである。 枕元に本が5、6冊 一方で、“きれた”という状況認識ができているうちは健全である、という見方もある。私くらい重篤な患者になると、自分の読書スピードをはるかに上回るスピードで書物が部屋に堆積していくため、目も当てられない。妻もすっかり諦めているようだ。 夜に寝室に入ると、寝ている娘の枕元には本が5、6冊積まれていて、(私も全く同じことをするのだが)客観的に見ると本は同時に1冊しか読めないのに、なぜ積む必要があるのだろうと疑問に思う。自問自答しても理由がよくわからないので、これもおそらく専門家のカウンセリングが必要な案件なのだろう。 あと数年すれば、娘と共有できる書籍もぐっと増えると思われるので、私の部屋と実家の数万冊の書籍が役に立ってくれることを祈るばかりである。(言語研究者)

引退競走馬の可能性を広げたい 馬耕ワイン、セラピー 美浦村に拠点

2026年は午(うま)年。日本中央競馬会(JRA)美浦トレーニング・センター(トレセン)がある美浦村に、引退した競走馬のセカンドキャリアを模索し、馬耕によるワイン作りやホースセラピー、子供たちとの触れ合いなど、さまざまな取り組みに挑戦している拠点がある。 引退競走馬の可能性を広げたいと、JRAの調教師でもある大竹正博さん(56)が2023年10月に開設した。施設の設計には筑波技術大学(つくば市天久保)の梅本舞子准教授と建築系の学生らが関わり、大竹さんの夢を形にした。施設を中心に様々な活動が評価されて25年グッドデザイン賞を受賞した。 地域の人が集う 拠点は約1ヘクタールの広さで、美浦トレセンの西側にある。敷地北側に、木造平屋建ての建物が弧を描くように3棟並び、隣りに広さ約800平方メートルの砂地の馬場が設けられている。南側には約5000平方メートルのブドウ畑が広がる。拠点の名前は「ブリコラージュ」。手元にあるものを寄せ集めて新しいものを作り出すという意味のフランス語だ。 3棟の建物はそれぞれ、8畳間4部屋分(約56平方メートル)の広さで、正方形の形をしている。3棟のうち2棟は厩舎(きゅうしゃ)で、現在、競馬を引退したサラブレット4頭とポニー1頭の計5頭が暮らす。1棟は引退馬に関わる地域の人々が集うクラブハウスだ。 ブリコラージュには、元のオーナーから引退競走馬を引き取った今の所有者らが通い、馬の体をブラッシングしたり、馬場で運動させたり、乗馬を楽しんだりしている。発達障害児などを支援する放課後等デイサービス「きゃっちぼーる」を利用する子供たちが毎週1~2回来て、えさを用意したり、乗馬に挑戦したりする。地域クラブ「美浦ホースクラブ」は、土日に厩舎を掃除したり、えさを用意したり、乗馬を体験するなどしている。調教師の大竹さんのほか、近くに住む美浦トレセンの元厩務員が馬の手入れなどを手伝う。 南側のブドウ畑では10品種が栽培されている。つくば市のワイナリー「つくばヴィンヤード」の高橋学さんからブドウ栽培の指導を受けた牛久市の畠山佳誉さん(53)が、2022年から苗を植え毎年増やしてきた。引退競走馬は畑で鋤(すき)を引っ張り、横に伸びるぶどうの根を切るなど「馬耕」をする。年3回ほどまく堆肥は、つくば市若栗にある「つくば牡丹(ぼたん)園」の関浩一園長が開発した馬ふん発酵堆肥だ。競走馬の育成牧場などから大量に出される馬ふんからつくられている。 畑を耕しているのは「サモン」という名の8歳の元オス馬。2017年に北海道日高町で生まれ、19年にデビューした。12回レースを戦ったが1勝ができないまま、20年に中央競馬の登録を抹消された。地方競馬への転籍を検討したが、骨折していることが分かり引退となった。サモンの管理調教師だった大竹さんと、デビュー時からサモンをずっとひいきにしてきた美浦村の関亮子さん(52)の2人が共同所有者となって、元のオーナーから引き取った。 関さんは「サモンは人懐っこくて、ずっと応援していた」と話す。大竹さんは、サモンに馬耕をさせる際、周囲から「競走馬に馬耕させるのは聞いたことがない」と驚かれたと振り返る。「馬耕をするようになって、サモンはむしろたくましくなった」と大竹さんは目を細める。 サモンが耕した畑のブドウで2025年春、初めて赤ワインを醸造し362本が出来上がった。「綴(つづり)」と名付け、美浦村のふるさと納税返礼品にもなった。ブドウ畑を担当する畠山さんは「馬が畑を耕す『馬耕』のほかに、これからは収穫したブドウや堆肥を馬に運んでもらう『馬搬』にも取り組み、引退競走馬のセカンドキャリアを応援したい」と話す。畑にブドウの苗をさらに植えて、ワインの種類も3種類くらいに増やす計画だ。 年5000頭近くが引退 中央競馬では毎年、5000頭近くの競走馬が引退するという。馬の寿命は長いと30年ほど。引退後は地方競馬に転籍したり、乗馬クラブが引き取ったり、競馬ファンが譲り受けるケースなどがある。しかし活躍の場が用意されない引退馬も少なくないと大竹さんはいう。 大竹さんは東京都出身。父親は騎手で、子供の頃から馬に親しんで育った。麻布大学獣医学部を卒業後、北海道で働いた後、JRAの調教師になり、2009年、美浦トレセンに厩舎を開いた。18年に有馬記念を制したなどの実績がある。 調教師の仕事の傍ら、大竹さんは個人で、引退競走馬支援団体を応援するなどの活動を続けてきた。「かつて、母屋と厩(うまや)が一体になった曲がり屋で人と馬が隣り合って暮らしてきたように、人と馬が一緒に過ごせる現代版のコンパクトな曲がり屋をつくりたい」と思うようになり、2020年ごろから、馬がストレスなく過ごせる、馬が主役で人が集まる場所づくりの構想を温めてきた。 実現に向け、筑波技術大の梅本准教授らと構想を練り上げた。美浦トレセンそばの畑を大竹さんが一部購入したり、借りるなどしてブドウ畑をつくり、厩舎とクラブハウス3棟を建て、ブリコラージュが完成した。3棟の建物の骨組みには、岩手県の森林で切り出された木材を馬が運んだ「馬搬出材」を用いている。弧を描くように配置された3棟は、人と馬が常に気配を感じられるように設計されている。施設には視覚を遮る垣根などは設けず、通り掛かった人だれもが、馬がいる風景を眺められるにした。 引退馬を引き取ると通常、管理費用として1頭当たり月15万円、年間で200万円程度かかる。大竹さんは、引退馬を引き取った所有者や、引退馬に関わりたいと希望する地域住民が自ら、馬のえさやり、手入れ、運動などを手伝うことでコストダウンできる仕組みをつくり、だれもが支援の担い手となれるようにした。厩舎の清掃やえさやりをする地域クラブ「美浦ホースクラブ」代表の阿部彩希さん(37)は「一人一人、ブリコラージュに集う目的は違うが、馬を通じて、地域のたくさんの人が自分の目標に向かって活動し、協力し合う場所になっている」と話す。 人と馬が一緒に過ごす3棟の建物で構成される現代版の曲がり屋を、だれもが引退競走馬に関わることができる支援拠点として、地域にさらに増やしていくのが大竹さんの次の目標だ。大竹さんは「まずここに来て馬を知ってもらって、興味をもってくれたら」と話す。(鈴木宏子)

あけましておめでとうございます【吾妻カガミ】214

【コラム・坂本栄】高市さんのピント外れには唖然(あぜん)としています。デフレは終わりインフレが心配なのに安倍さんの経済政策をまねしているからです。トランプさんは唖然どころか呆然(ぼうぜん)です。関税政策と移民政策で国を壊しながら外交では敵と味方の区別もできないようです。以上、今年80になる高齢者の繰り言でした。 私は年相応の病を抱えながら仕事をしています。昨夏には隔月刊フリーペーパー「ふるさと通信」の会長職を引き受け、定款に広告代理店業を加えました。NPOネット媒体の活動費を補うだけでなく、地域のFM放送、ネットTV、ケーブルTVなどの広告取りを手伝うためです。 日米の首相と大統領に唖然 上の2パラは年賀状の文面ですが、少し補足します。デフレ脱却を目指したアベノミクスは金融緩和+財政出動+規制緩和で需要をつくり出すことでした。ところが世界のあちこちで戦争が起き、このところモノやサービスの価格アップが目立ちます。安倍さんの時代とは様変わりなのに、高市さんは師匠の財政大出動をなぞっています。経済の現実よりもアベノミクスに目が行くようです。 方向性が違うメニューもあります。国の内外で広がる排外的な動きに便乗したのか、高市さんは外国人の受け入れでは規制を強化しています。先進国の社会・経済は外国人の世話にならないと成り立たないのに、入国や滞在を規制するのは愚策です。 トランプさんの思考がよく見えてきました。2期入り早々、軍事・資源上の必要からデンマーク領のグリーンランドがほしい、経済圏として見るとカナダは米国の一部だ―などと言っていましたが、最近では嫌いなベネズエラの大統領を力で排除すると公言しています。こういった身勝手には友好国も付いていけません。 トランプさんの暴言を見聞きし、プーチンさん、習さんはさぞ喜んでいるでしょう。ロシアの一部だと言ってウクライナに攻め込んだプーチンさん、台湾をいずれ中国に組み込むと言っている習さん。トランプさんの思考は彼らと同じです。これでは相手の振る舞いに文句を付けられません。 告知記事・広告記事も掲載 年賀状の後段についても補足します。NPO法人 NEWSつくばは、新聞など信頼できる媒体と同じように、きちんとした取材による行政やイベントなどの記事のほか、地域の識者によるコラムを掲載しています。それに必要な経費は、企業などからの大口寄付やバナー広告収入、個人や法人の正会員と賛助会員から納めていただく会費で賄っています。 「ふるさと通信」との連携は、本サイト運営に必要な経費確保の多様化を図ったものです。取材編集と経費確保の両面で、私たちは柔軟なマネジメントを追求していきます。今年もよろしくお願い申し上げます。(経済ジャーナリスト、NEWSつくば理事長) <事務局から> 告知記事と広告記事の掲載についてはinfo@newstsukuba.jp宛て事務局に問い合わせてください。

不適切な事務 新たに4点 つくば市生活保護行政 県監査で指摘

生活保護行政をめぐり茨城県福祉部が今年度実施した一般監査で、つくば市に対し、新たに4点の不適切な事務を指摘し、市に改善を求めていたことが情報開示請求で分かった。 つくば市の生活保護行政をめぐっては、誤認定や過支給など不適正な事務処理が2024年度に相次いで明らかになり、市は今年6月、実態調査の結果と再発防止策を記した報告書をまとめたばかり。報告書の調査は十分だったのかが問われる。 県の監査結果は今年8月に市に通知され、市福祉部は9月に改善報告書を県に提出した。市は4点の指摘事項をいずれも認め、県に改善に向けた取り組みを報告している。 問われる再発防止策の実効性 不適切だと指摘を受けた4点のうちの一つは、2024年度に発覚した障害者加算の誤認定の後処理をめぐるもの。県の監査で「自立更生費の検討過程について記録が不十分な事例」があり不適切だなどと指摘された。 市は、誤認定により生じた過支給分の返還を生活保護受給者に求めるにあたり、一部の受給者について、過支給分から「自立更生費」を差し引いた上で返還を求めた。自立更生費とは、受給者が就労や健康回復など日常生活や社会生活上の自立を目指すために必要な費用で、家電の買い替え、資格取得の学費、就労に必要な衣服の購入費、住宅の修繕費などが認められる。 6月の報告書で市福祉部は、誤認定をめぐる再発防止策として「今後の誤認定を防止するため、法令を再確認し、チェックリスト、フローチャートの作成を行い」「法令と根拠資料を突合し、要件の確認を徹底していく」など、自ら再発防止策を掲げていたにもかかわらず、県から指摘を受けた。 県の指摘に対し市は「ケース診断会議で自立更生費の詳細な検討は行っていたものの、記録についての認識不足により検討過程の記録が不十分だった」と県に回答しており、6月の報告書で自らまとめた再発防止策の実効性が問われた形だ。 自立更生費に清涼飲料水121万円 一方、市が誤認定の後処理をするにあたり、具体的に何を自立更生費と認め、返還金から控除したかが、情報公開された資料で一部明らかになった。返還に関する資料に自立更生費として「清涼飲料水代121万750円」「電動自転車12万円」「貸し倉庫利用料10万6244円」などが記されており、生活保護に詳しい関係者によると、通常は認められることが難しい内容だという。 自立更生費として控除したのは最大で過去5年分という。詳細は明らかにされてないが、121万円の清涼飲料水の場合、仮に1本150円と計算すると8071本分、1日当たり4.4本に相当し、5年間にわたって毎日、150円の清涼飲料水を4.4本を飲み続けた額に相当する。この点について市社会福祉課は、医師に病状調査し決定したなどとし、対象者の生活状況や病状によって必要かどうか個別に検討した結果であり、適正だったとする。 不適切な診断料500件超 監査での県の指摘事項はほかに①生活保護受給申請者の親、きょうだい、配偶者などに経済的に援助する力がないかを調査する扶養能力調査が適正に実施されていない事例があった、②受給者の収入の課税調査について、遅くとも8月分の保護費に反映するとされているにもかかわらず、課税調査の完了が9月となっている事例があった、③障害年金の受給を申請する際に必要となる診断書料の支給手順について、本来、市が検診命令を出し、医療機関からの請求を受けて、市が医療機関に支払うべきところ、申請者が医療機関に診断書料を払い、市が申請者に支給していたなど、国の通知に基づかない不適切な診断書料の支給が2019年度から5年間で500件を超過していたことが新たに認められたーなど。 ③500件を超える不適切な診断書料の支給について市社会福祉課は「県には以前から運用誤りの報告をしていた」などとして、県に監査結果通知の訂正を求めていたが、県は「見解は変わらない」としている。市によると、不適切な診断書料の支給は550件225万1350円分で、国に返還する必要はないとしている。(鈴木宏子)