金曜日, 10月 17, 2025
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駅前の販売テントに行列 龍ケ崎コロッケ 月1回、勤め帰りに各店の味

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多くの人々でにぎわう「りゅうころ」販売テント=JR佐貫駅東口前
コロッケを揚げる「りゅうころ」運営スタッフ

龍ケ崎市の名産品、龍ケ崎コロッケを広く市民に知ってもらう販売イベント「りゅうころ」(コロッケクラブ龍ケ崎主催)が毎月1回、龍ケ崎市佐貫町のJR佐貫駅東口前で開かれ、市民の人気を集めている。2016年2月から始まり1年9カ月経った現在は、平均約300人が市内各店のコロッケを買いに立ち寄り行列ができるという。

龍ケ崎コロッケは今年4月、地域名と商品名を組み合わせた地域ブランド「地域団体商標」に登録された。本場結城紬、笠間焼に次ぐ県内3番目の登録で、着実に知名度を上げている。

材料は「なるべく地元の食材を使う」のが共通ルールだが、それ以外は自由なため、各店舗が創意工夫を凝らした新製品を開発している。

りゅうころは「市の玄関口の佐貫駅で龍ケ崎コロッケを食べたい」として始まった。当初は駅東口の空き店舗でのスタートだったが、1年程前からテント販売に移行。販売回数を重ねるごとに「木曜日の午後4時から9時台が利用客が一番多い」という結果が出たため、現在は毎月第2木曜日午後4時~9時を「りゅうころ開催日」と定めた。

9日、駅前に設けられたテントには、市内の販売店が加盟する「コロッケクラブ龍ケ崎」各店舗のコロッケ8種類が販売された。具の中にカマンベールチーズが入ったものや、肉じゃがの味付けをしたものなど個性的なコロッケが並び、学校や仕事帰りの駅利用客らが足を止め、揚げたてのコロッケを購入していた。行列に並んだ利用客の間からは「いつもここで買っていく」との声が聞かれた。

次回は12月14日に開かれる。りゅうころ開催日は、コロッケクラブ龍ケ崎の公式フェイスブックで告知している。(崎山勝功)

仲睦まじく時間紡ぐ姿デザイン つくばの野中和宏さん 「くきざき夢まつり」ポスターに思い込める

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繊細に仕上げるためにイラストを手描きする野中さん=つくば市平沢
くきざき夢まつりのポスター(タテ594㎜、ヨコ420㎜)

つくば市平沢に住むグラフィックデザイナーの野中和宏さん(43)は、今月23日(祝)に開催される第5回「くきざき夢まつり」のポスターを作った。まつりの実行委員会から発注を受けた。

野中さんは水戸出身。宇都宮大学教育学部美術科を卒業後、大手デザイン会社に就職し35歳で独立。都心までのアクセスが良くて自然豊かな環境を求めて、5年前に平沢官衛遺跡のある平沢の地に家を建て、妻と猫2匹と暮らしている。平沢に溶け込んだ今は「歴史と人の温かさもあってつくばは奥が深い」と感じている。

ポスター制作の前に茎崎地区を訪ねた。田園風景が広がり、人々が仲睦まじく時間を紡いでいるイメージが膨らんだ。背景色はヒマワリのように明るい黄色とし、筑波山と牛久沼のハスの花、そして楽しそうな家族のイラストを配置した。

「夢まつり」は旧茎崎町当時の「ひまわりまつり」を継承した地元住民主催の一大イベント、地区住民相互の交流の場でもある。約40人の実行委員会(古山和一委員長)に区長15人が加わり、まつりの運営を担っている。副委員長で茎崎区会連合会長の小原正彦さんは「自分たちの祭りだから機材運びやら片付けまで、みんなで汗を流す。お陰で横のつながりは強くなった。茎崎で育つ子どもたちの為に継続していきたい」と話す。

野中さんは「地元の皆さんが熱心に取り組んでいる祭りに参加できて良かった。ポスターを見た家族連れが見に来て、楽しい一日を過ごしてくれれば嬉しい」と話している。
(橋立多美)

◆夢まつりは茎崎運動公園(下岩崎)を会場に午前9時~午後3時まで。ステージでよさこいソーランやキッズダンス、舞踊などが披露されるほか、消防防災フェア、神輿(みこし)と山車が繰り出すなど、終日楽しめる。飲食の模擬店も多数出店する。雨天決行。問い合わせは☎090-3427-5298(くきざき夢まつり実行委員会)。

筑波大が13年ぶり15回目の優勝 関東大学サッカーリーグ戦

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試合終了後、リーグ戦優勝を決めて喜ぶ筑波大選手たち=龍ケ崎市中里のたつのこフィールド
【筑波大―流経大】後半29分、流通経済大ゴール前で競り合う筑波大の渡邊陽(中央)

第91回関東大学サッカーリーグ戦・後期第21節の筑波大―流通経済大戦が11日、龍ケ崎市中里の市陸上競技場たつのこフィールドで行われた。同リーグ1位の筑波大と3位の流経大という県勢同士が対戦する「茨城ダービー」は、筑波大が3―0で流経大に完封勝ち。残り1試合を前に、リーグ2位の順天堂大の自力優勝の可能性が消滅したため、筑波大の優勝が決まった。優勝は、前身の東京教育大、東京高等師範大を含め、2004年以来13年ぶり15度目。

筑波大は前半、流経大ゴールを攻めるも、GKオビ・パウエルオビンナ(2年)らの堅守を前になかなか得点が決まらずにいた。前半35分にFW中野誠也(4年)が先制点を決め、1―0で前半を折り返した。

勢いに乗る筑波大は、後半7分に中野が2点目を決めた。同29分にMF戸嶋祥郎主将(4年)がMF渡邊陽(1年)のアシストを受けて3点目のダメ押し。流経大も筑波大ゴールを攻めるも、筑波大のGK阿部航斗(2年)が一切の得点を許さず茨城ダービーを制した。

試合を終えた筑波大の小井土正亮監督は「今日はうまくいかない時間でも我慢していった。何よりも流経大に前期(直接対決の試合で)負けていたので、今日の試合で勝ってくれたのはうれしい」と喜びを見せた。その上で「リーグ戦は年間を通しての大会。選手たちに感謝したい」と選手らをねぎらった。

敗れた流経大の中野雄二監督は「スコアは0―3だけど悲観するほどでもない。先制点がどちらかに入るかでスコアがどちらかに偏る。筑波大は『勝てばリーグ優勝』というモチベーションがあった」と試合を分析し、筑波大の優勝について「一番身近にいるライバルが優勝して悔しいけど良かった」と余裕を見せた。その上で全日本大学サッカー選手権(インカレ)を念頭に「お互いに勝ち上がっていけばまた(筑波大と)当たる。どっちも日本一になる力を持っている。もう一回インカレの準決勝戦でやりたい」と筑波大との再戦を視野に入れていた。

【筑波大―流経大】後半7分、2点目を決め笑顔を見せる、筑波大の中野誠也

 

第91回関東大学サッカーリーグ戦1部第21節
(11日、たつのこフィールド、2126人)
筑波大 1―0 流通経済大
2―0

 

筑波大の戸嶋祥郎主将がJ1新潟アルビレックス入り

11日の試合で3点目を決めた筑波大の戸嶋祥郎主将(4年)は、来シーズンからJリーグ1部の新潟アルビレックスへの入団が内定。戸嶋主将は「ひとまず進路が決まったのでほっとしている。本当に素晴らしいクラブに入れるので頑張っていきたい」と抱負を述べた。新潟には、同大OBで急性白血病で治療中の早川史哉元主将が在籍。戸嶋主将は「早川さんは本当に素晴らしいキャプテンだったので、また一緒にサッカーができるように頑張りたい」と語った。(崎山勝功)

人気の野鳥写真家、海老原信一さん 個展30回の選りすぐり紹介 15日までつくばで写真展

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全30回の案内ハガキの前の海老原さん=洞峰公園新都市記念館展示ホール
写真を見て各々感想を話す写真クラブの会員ら

鳥を撮り続けている「日々探鳥びと」の阿見町、海老原信一さんによる「鳥撮り三昧第31回写真展」が、つくば市二の宮、洞峰公園新都市記念館展示ホールで開かれている。

今回は「感謝で振り返る30回」と題し、今まで発表した写真の中から各回2枚ほど、特にお気に入りや印象深い57点を選び展示している。

正面入口には全30回の案内ハガキが飾られ、過去の写真展の興味深い一場面がよみがえる。スズメの親子の写真もあいさつ文と一緒に掲げられている。土木用重機の足元で食べ物を与える親鳥と受け取る子の写真で、レンズを向けても飛び去ることもしない懸命な姿に、海老原さんは「撮るんだとの思いから、撮らせていただく、と鳥を撮る心持ちを変えた作品」と語っている。この親子を撮ったカメラも展示している。

毎回、人気の高い写真展で、熱心に作品を見て回っていた土浦の写真クラブ「フォトサークルうらら」の会員8人は「時間をかけてじっくり撮っているのがよく分かります」「すばらしい作品ばかりですてきですね」と口々に話していた。(鈴木萬里子)

◆会期は15日(水)まで。入場無料。開館時間は午前8時30分~午後5時(最終日は3時)。問い合わせは公園管理事務所(☎029・852・1432)

 

「本格ピッチャーに」広島が期待 霞ケ浦高、遠藤選手が仮契約

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(左から)父親の隆さん、霞ケ浦高の高橋祐二監督、遠藤淳志選手、広島の尾形佳紀スカウト、母親の美江さん=土浦市城北町のホテルマロウド筑波

今年のプロ野球ドラフト会議で、霞ケ浦高校3年の遠藤淳志選手(18)=土浦市出身=をドラフト5位に指名した広島東洋カープは10日、土浦市城北町のホテルマロウド筑波で遠藤選手と仮契約を結んだ。

遠藤選手の契約金は3000万円、年俸は480 万円(推定額)。背番号は12月13日に本契約を結ぶ際に決まる。来年1月6日ごろから選手寮に入寮する予定。

遠藤選手は仮契約後に報道各社の取材に応じ「これから『プロの世界』という実感がわいてきた。入団1年目は体をしっかり作り、5年後、10年後にはチームを代表する選手になっていきたい」と抱負を述べた。

2年の夏の県大会から遠藤選手に注目していたという広島の尾形佳紀スカウトは「背も高いし投げ方もいいので、本格的なピッチャーになってもらえれば」と期待を寄せた。

かつて岩手県盛岡中央高校野球部で高校球児として活躍した父親の隆さん(65)は「うらやましいやら、これからが大変という気持ち」と話し「ファンに長く愛されるピッチャーになってほしい。ケガをしないように肩とひじは大事にしてほしい」と、元高校球児らしい助言をした。

同校野球部の高橋祐二監督は「早く人間的に大人になってほしい。その分大人の野球ができる」と語った。(崎山勝功)

地元若手監督の最新作鑑賞し応援 18日つくばでシネマカフェ 制作秘話など生トークも

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「第5回つくばcinemaカフェ」のチラシの一部

若手映画監督が制作した自主映画を鑑賞し、監督との交流を楽しむ「つくばcinemaカフェ」が18日、つくば市下平塚の手作り工房「にれ工房」で開かれる。地元出身の若手監督を応援し、映画を架け橋に新たな出会いの場を作ろうと2013年に始まったプロジェクトで、今年で5回目。

牛久市出身で筑波大芸術専門学群卒の飯塚貴士監督の最新作「おばけナンバーワン」や、飯塚さんの友人で第3回にも出演した秦俊子監督の最新作「パカリアン」などを上映する。両監督とフリーアナウンサーの木村さおりさんによる、映画制作の秘話などが生で聞けるトークショーも行われる。

第1回から出演している飯塚監督は人形とミニチュアセットを用いた作風が特徴。監督、脚本、撮影、美術、音楽、登場人物の声をほぼ1人で行っている。飯塚監督の友人で第3回にも参加した秦監督はコマ撮りアニメーションを多く制作、俳優の斎藤工さんとコラボレーションした作品も話題となっている。

同プロジェクトのメンバーでトークショーの司会を務める木村さんは「会場のにれ工房の木の温もりあふれる空間で、参加者が映画を見ながら一体となって盛り上がれるアットホームな雰囲気をぜひ味わってほしい」と参加を呼びかける。(大志万容子)

◆開場は午後5時、開演午後6時。参加費は一般1200円、小学生以下600円(お茶付き)。申し込みはメール(saori@tonesdirection.jp)で。問い合わせは☎090・1057・7626(佐山さん)

ハッとする日常切り取る 「平熱日記」の斉藤裕之さん 牛久で個展、19日まで

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作品をバックに自作について語る斉藤裕之さん=牛久市南のタカシサイトウギャラリー

常陽新聞(今年3月休刊)にコラム「平熱日記」を連載していた牛久市在住の画家、斉藤裕之さんの個展「平熱日記Vol.7」が同市南のタカシサイトウギャラリーで開かれている。

斉藤さんは毎週、日常の中で感じたさまざまな思いをつづったコラムを、自身が描いた挿絵と共に連載していた。挿絵は、身近なものや出来事など日常をそのまま切り取って描いた。挿絵の色彩が醸し出す不思議な雰囲気は「絶妙な文章と自然な形で融合している」と毎回好評を博していた。

個展はコラムと同じ題名で、今年7回目となる。コラムで掲載された挿絵の原画を展示している。いずれも金網を切り漆喰(しっくい)を塗った土台にアクリル絵の具で描いた作品で、斉藤さんの飄々(ひょうひょう)とした雰囲気そのままの作品44点が会場に並んでいる。今までは小作品を中心に描いていたが、今回は少し大きめの作品も展示されている。

斉藤さんは「季節を感じさせ、ハッとする色や形を描きたい。興味ある物の見方が絵になる」と話している。(鈴木萬里子)

◆会期は19日(日)まで。開館午前10時~午後6時(最終日は午後4時まで)、月曜休廊。問い合わせは同ギャラリー(電話029・872・8951)

みずみずしい色彩が魅力的な作品「ぶどう」

 

地学女子が感動を虹色で表現 筑波大の石田理紗さん個展 11日まで土浦のカフェで

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虹色をテーマにした水彩色鉛筆画
石田理紗さん

筑波大3年、石田理紗さん(20)による「虹色」をテーマにした個展が、土浦市中央2丁目の古民家カフェ、城藤茶店で開かれている。11日まで。

石田さんは同大生命環境学群地球学類で大気科学を学んでいる。今年7月、氷河の調査のため訪れたスイスで虹を見つけ、まぶたを閉じても焼き付く自然の色の力に圧倒された。「スマートフォンを見るばかりの生活で人工的な色に慣れてしまっていた。この虹色で人の感情を表現したい」と作品を書き始めた。

展示されているのは、A5用紙に水彩色鉛筆で描いた架空の女性の表情。虹を見つけた瞬間の感動や驚いた表情のほか、石田さんが初めて鉱石を磨いたときの喜びを虹の七色で表現した作品など計8点が展示されている。「色鮮やかな虹色の七色を植物や空から探すきっかけになれば」と話す。

隠された動物探す楽しみも 牛久で多田夏雄展

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作品に見入る来場者。作品にはどこかに動物が描かれている=うしく野東のART SPACE ある・る

生命の根源をテーマにした作品やシュールレアリスム研究科としても知られる画家、多田夏雄さんの作品38点を展示した「多田夏雄展」が、牛久市ひたち野東のART SPACE ある・るで開かれている。

多田さんは埼玉県熊谷市生まれ。東京芸大油画科卒、同大学院修了。同大非常勤講師を経て現在は文星芸術大教授を務めている。大学在学中に油画科素描コンクールで久米圭一郎賞、大学院修了卒業制作にて大橋賞を受賞。卒業後は新美術協会展で大賞、文部大臣奨励賞、内閣総理大臣賞など数々の賞を受賞、2014年から同協会の理事に就任している。

牛久市での個展は、以前から知り合いだったギャラリーオーナーとの縁で開催となった。水彩で描いた上に油絵を塗り、さらにその上に蝋(ろう)の入ったオイルを塗って完成させた作品などが展示されている。蝋の入ったオイルを用いることで油絵が柔らかい色彩になるという。

ほとんどの作品の中に猫やウサギなどの小動物、実在しないが画家の感性から生まれた動物などが描かれている。「人間より動物が好き」だという作者の遊び心から生まれた作品だという。すぐに見つけられる動物ばかりでなく、一目で見分けられない動物もあり、見つけ出す楽しみが隠されている。

つくばから来場した女性は「水彩画のような油絵ですね。透明感のある色彩がすてきです」と話していた。会場には絵画のほかに絵本、冊子、ポスターカードなど多数展示されている。(鈴木萬里子)

◆同展は入場無料。会期は11月24日(金)まで。開館時間は午前11時~午後6時。月曜休廊。

TX総合基地に車体更新場 一般公開でお披露目 世界最長のシャッターも

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一般公開されたつくばエクスプレス車体更新場

つくばエクスプレス(TX)総合基地(つくばみらい市筒戸)に、列車の大規模修繕を行う「車体更新場」が完成し、このほど開かれた一般公開イベントで初公開された。

時速約130㎞近くで高速走行し損傷した車両を約1~3カ月かけて大規模修繕したり、新しい部品の交換を行うために新設された。

車両の屋根部分を修繕する2階部分には、作業員の転落を防ぐため幅3m、長さ21mのシャッターが設けられた。横にスライドするシャッターの長さは世界最長で、ギネスブックに認定されているという。

1階部分には、1台当たり重さ約38tにのぼる車両を水平移動するのに使う「トラバーサー」が設置されている。洗浄ブースや集塵ブースも備えられ、普段の車体清掃では取れない汚れを取るという。

来場者らは同更新場の設備などを熱心に見学していた。

一般公開は10月14日の鉄道の日に関連したイベントで、約1万6000人が訪れ、約400tの重さがある12両連結の列車と親子連れ約50人による綱引きなども催された。

同日、常総市水海道高野町、関東鉄道常総線車両基地も一般公開され、双方を結ぶシャトルバスが運行された。(崎山勝功)

茎崎、谷田部に商業店舗など提案 庁舎跡地利活用で つくば市が調査結果公表

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茎崎庁舎跡地=つくば市小茎
谷田部庁舎跡地=同市谷田部

茎崎庁舎(つくば市小茎)と谷田部庁舎(同市谷田部)の跡地利活用について、つくば市は、民間事業者を対象に実施した対話型市場調査(サウンディング型市場調査)結果を発表した。茎崎庁舎跡地(約4850㎡)には5事業者から公共施設を併設したスーパーマーケットや、ドラッグストアなどの提案があった。谷田部庁舎跡地(約7900㎡)は10事業者からスーパーマーケットやドラッグストア、ホームセンターなどの商業店舗、健康増進・交流施設などの提案が出された。

市公共施設跡地利用室によると、今回の調査で出された提案を土台に、今後、地域説明会を開き住民の意見を聞いて検討を続けるという。一方、今回提案を受けた事業者とは引き続き協議を重ね、実現可能性などを検討する。公的利用、民間利用を含め新たな提案も引き続き受け付けるという。

調査はいずれも9月と10月に実施した。茎崎庁舎跡地は①庁舎跡地と保健センター用地、職員用駐車場も含めて一体的利活用を図り市窓口センターなどの公共施設を併設したスーパーマーケットを建設する②食品や日用品も販売するドラッグストアを建設する―などの提案があった。ただし同跡地は市街化調整区域のため建設できる施設に制限があり、今後、調整が必要になるという。ほかに高齢者福祉施設、植物園、エネルギーインフラ整備などのアイデアが出された。

谷田部庁舎跡地は①福祉施設や保育所などを併設したスーパーマーケット②ドラッグストア③ホームセンター④健康増進・交流施設―などの提案があった。市街化区域のためいずれも建設可能だが、国道354号線からの直接乗り入れを要望する事業者もあった。ほかに公的機関が入居する合同庁舎、子育てや介護などの複合型福祉施設、エネルギーインフラ整備などのアイデアが出された。

茎崎庁舎は2015年度、谷田部庁舎は13年度にそれぞれ解体、撤去された。跡地の利活用をめぐっては、市原健一前市長が09年6月に策定した「新庁舎建設に伴う現庁舎利活用方針」で、茎崎庁舎跡地はつくばエクスプレスとJR常磐線牛久駅とを結ぶシャトルバスの運行やサブターミナルとしての活用を検討するとされ、バス待合所を併設した市窓口センターと本格的バスターミナル建設に向けたの基本設計が実施された。谷田部庁舎跡地は一部を谷田部小グラウンドとして使用するほかバスターミナルやパークアンドライドの交通拠点として活用するなどとされた。

その後、昨年11月に初当選した五十嵐立青市長が「(茎崎のバスターミナル計画は)地区住民の意見と乖離(かいり)している」などとして見直しを表明。今年8月に谷田部庁舎跡地も併せて、利活用に向けた調査参加事業者の募集が実施された。(鈴木宏子)

紅葉前線駆け降りる 筑波山麓の古刹、性山寺にも  

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秋の陽に映える性山寺の山門と色づき始めたモミジ=つくば市国松

紅葉前線が駆け降りて筑波山が秋色に染まってきた。西側の山すそにあるつくば市国松、性山寺(しょうざんじ)は室町時代の1559年に建立された古刹(こさつ)で、モミジが美しいことで知られる。

ことに歴史を感じさせる山門と色づいたモミジとのコラボレーションは一服の絵のようだ。同寺の紅葉は始まったばかりで今月いっばい楽しめる。

参道入り口の太鼓橋周辺や本堂前には枝垂れ桜の古木がすくっと立つ。「開花の頃にも多くの見物人がやってくる」と近所の人は話していた。(橋立多美)

◆参道右手に駐車場があるが、狭い坂道なので注意が必要。同寺と近隣の迷惑にならないようマナーを守ってお楽しみください。

河川の清掃や花植えなど活動 つくばの3団体が表彰 県水際線シンポジウム

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県河川協会会長の中山一生・龍ケ崎市長から河川功労者の表彰を受ける団体代表者㊨=龍ケ崎市馴馬町、市文化会館

「ゆたかな牛久沼を活かして地域の未来を作ろう」をテーマに第30回県水際線シンポジウム(県河川協会など主催)が、このほど龍ケ崎市の市文化会館で開かれた。河川功労者として、森の里自治会、桜川ふるさと自然再生の会、つくば市水質浄化対策推進協議会のつくば市の3団体と、県河川協会前会長の山口武平元県議の一個人が表彰された。

森の里は、谷田川周辺で雑草の刈り払いや空き缶、空き瓶の回収を行い、河川堤防に花壇を設け花を植えて河川愛護の啓蒙活動を実施した▽桜川の会は、桜川周辺で雑草の刈り払いなどを10年以上実施した▽水質推進協は、桜川で雑草の刈り払い、清掃活動のほか、河川敷に種まきをし「花いっぱい活動」を展開した。

県河川協会会長の中山一生龍ケ崎市長から表彰状を受け取った森の里の永野勇二会長は「2012年から始めた自治会有志のボランティア活動が実ってうれしく思う」、桜川の会の楢戸和夫会長は「大半の人が(活動の成果を)喜んでいるので今後も続けていきたい」、水質推進協の鈴木清次会長は「いろいろ活動して認められてありがたい」と話していた。

シンポジウムでは、筑波大学の大澤義明教授による道の駅の基調講演が行われたほか、県立竜ケ崎一高の生徒が筑波大生と協力して作った、牛久沼周辺地域のPR動画が公開された。

中山市長やインターネットテレビ「ちゃんみよTV」の綾部みよ理事長ら5人によるパネル討論では、牛久沼の清掃活動や水質浄化、国道6号線沿いの牛久沼河畔に建設を進めている道の駅に関する話など多岐にわたって議論が進んだ。このうち牛久沼漁業協同組合代表理事組合長の堤隆雄さんは「牛久沼は全体の約40%がヨシやガマ」と述べ、水質浄化の観点から「牛久沼のヨシ、ガマを守っていくことが大切かと思う」と述べた。(崎山勝功)

牛久沼に関するパネル討論
筑波大生と協力して作った牛久沼周辺地域のPR動画を紹介する、県立竜ケ崎一高の生徒たち

 

ミツバチサミット初開催 筑波大で11-12日 研究者、養蜂家ら一堂に 読み聞かせや蜂蜜作りも

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参加を呼びかける実行委員長の横井さん㊨、前田さん(中央)、「えほんや なずな」の藤田さん

ミツバチや花粉を運ぶ昆虫に関わる人々が一堂に集まり、意見交換する初の「ミツバチサミット2017」が11、12日の両日、筑波大学(つくば市天王台)大学会館で開かれる。生息場所の減少などミツバチが直面する問題を、研究者や養蜂家、蜂蜜販売会社、農家、一般市民など幅広い人たちが共有し、解決の道を探ることが狙い。ミツバチをテーマにした本の読み聞かせなど子ども向けの自主企画もあり、大人も子どもも楽しめる。

ミツバチに関わる全国の若手研究者らでつくる実行委員会が主催する。ミツバチは生態系の中で重要な役割を果たすだけでなく、食生活など多くの分野で人の生活を豊かにしてくれる。だが、蜜を集める植物が足りなくなったり、生息場所が減っている問題があるという。農研機構生物機能利用研究部門・上級研究員の前田太郎さん(45)は「研究者や養蜂家、蜂蜜業者それぞれが問題意識を共有して話し合うことで、解決に向け新しいアイデアが生まれると考えた」と狙いを話す。

サミットでは、ミツバチに害を及ぼすダニの問題を議論するシンポジウムや、養蜂に取り組む全国の高校・大学生の団体が意見交換する集いなどが開かれる。花粉を運ぶ昆虫について、生物多様性に関する政府間組織のメンバーが意見交換する国際シンポジウムもある。

子どもを対象にした自主企画も多彩に催される。つくば市の「友朋堂書店」や絵本専門店「えほんや なずな」などが主催してミツバチに関する本を紹介する「ミツバチライブラリー」では、ミツバチが登場する昔話や絵本の読み聞かせ会を企画する。またオリジナルブレンドの蜂蜜を作るワークショップや養蜂家の家族を描いたアニメ映画の上映会などもある。

実行委員長で筑波大学生命環境系の横井智之助教(38)は「海外では一般の人も気軽に参加できる学術的な集まりが多くあるが、日本では少なかった」と述べ、「ミツバチや花粉を運ぶ昆虫は、身近なようで意外に知られていない。今回は幅広い人に来ていただける内容なので、楽しみながら理解を深めてほしい」と話した。

また自主企画で絵本の読み聞かせをする「えほんや なずな」の藤田一美さん(56)は「昔話の中のミツバチは弱いものを助ける役割を担っており、昔の人がミツバチの営みを優しい目で見守ってきたことがうかがえる。この機会にもっと深く知ってもらえるとうれしい」と述べた。
(大志万容子)

◆入場料は一般1000円(高校生以下無料)。当日参加も可。詳しくはHPを参照(http://bee-summit.jp/)。問い合わせは℡029-838-6289(ミツバチサミット実行委員会・前田さん)

「にぎわい取り戻したい」合言葉 谷田部市街地でフェア 商店主や区長ら

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そぞろ歩きで宝物を探す来場者たち=つくば市谷田部
手作りの豚汁や焼きそばなどが販売されて行列ができた

秋晴れに恵まれた「文化の日」の3日、「谷田部市街地のオータムフェア」がつくば市谷田部の千歳通りとふれあい広場で開催され、500人を超す市民でにぎわった。「谷田部市街地のにぎわいを取り戻したい」を合言葉に、商店主によって組織された谷田部タウンネット、区長会谷田部支部、つくばくらしの会が主催した。

石畳が敷かれた千歳通りで小学生の金管バンドやダンス、ソーラン踊り、中学生の吹奏楽演奏が繰り広げられた。地元グルメの模擬店や老舗和菓子店も出店。買い求める人の行列ができた。

谷田部総合体育館隣のふれあい広場では古物商約50店による骨董(こっとう)市が開かれた。アンティークな皿や絵画、仏像、古銭、工具などが並べられ、宝探しを楽しんだり、古物商と値段を交渉したりする人の姿が見られた。

谷田部市街地はかつて商業の拠点で1987年、つくば市誕生時には本庁舎が置かれた。だが大型商業施設がセンター地区にできたことで、同地区の商業機能は急速に低下した。2010年、新庁舎が研究学園(旧谷田部町)へ移転して市街地は活気を失い、シャッター通りとなっている。

区長会谷田部支部の宮崎栄二さんは「往年のにぎわいを取り戻したい」と熱を込める。09年に発足した谷田部タウンネットは、現状を打破して活性化を目指そうとクリスマスイルミネーションなどの活動を展開している。(橋立多美)

花火テーマに茶会 土浦二高茶道部 文化の日の土浦博物館

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お点前を披露する県立土浦二高茶道部=土浦市中央、市立博物館

文化の日の3日、土浦市中央、市立博物館が無料開放され、県立土浦二高茶道部による茶会が催された。同館開館30周年記念特別展「土浦と花火Ⅰ」が催されているのにちなんで、「花火に寄せた茶会」と題して来館者に抹茶と和菓子が振る舞われた。

土浦の花火や亀城公園などが描かれた茶碗や水差しなどの茶道具を用いて茶がたてられ、赤、黄、青の3色の花火の大輪が描かれた同市桜町、田中清月堂の和菓子が振る舞われた。

茶道部副部長で2年の増山実桜さん(16)は「先輩が引退して大きな会場でやるのは初めてなので、とても緊張した」などと話し、部長の2年、加藤千尋さん(16)は「少しでも多くの人に茶道に興味を持ってもらえたら」と語っていた。

特別展「土浦と花火Ⅰ―競技大会のあゆみ」は13日まで。関東大震災で疲弊した土浦の経済活性化と霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊のため、1925(大正14)年に私財を投じて花火大会を始めた同市文京町、神龍寺住職の秋元梅峯の功績など、花火大会の歴史や花火製造技術の進歩などが写真や当時の資料、模型などで紹介されている。(鈴木宏子)

入館料は一般105円。開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館。県民の日の13日は入場料無料になる。問い合わせは電話029・824・2928(同博物館)

開催中の特別展「花火と土浦Ⅰ」会場で展示資料を解説する木塚久仁子学芸員

ファミマ駐車場で安全に乗り降り つくタク 待ち時間は店内で

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店頭に「つくタク」のステッカーが貼られ、今年春から乗降場所になっているファミリーマートつくば若栗店=つくば市若栗
公共交通事業協定を締結したファミリーマート北関東ディストリクトの藤田聡統括部長㊧と五十嵐立青つくば市長=2日、つくば市役所

路上で乗り降りすることが多く安全確保が課題となっている、つくば市のデマンド型乗り合いタクシー「つくタク」の乗降が、コンビニ店、ファミリーマートの駐車場で出来るようになっている。2日、つくば市とファミリーマート(東京都豊島区)が公共交通事業協定を締結し取り組みを明らかにした。県内初という。

ファミマ駐車場が乗降場所となるほか、利用者はつくタクが到着するまで店内の飲食スペースで待つことができる。つくタクの利用券も店内で販売、つくタクの運転手も店内で休憩できるようにする。コンビニ店にとっても顧客開拓が期待できる。

市内27店のうち、駐車場がない店を除く22店で順次利用できるようにする。今年春からスタートし、すでに7店で実施しているという。乗降場所になった店の店頭には「つくタク」と書かれたステッカーが貼られる。

同社北関東ディストリクトの藤田聡統括部長は「市民の安心と便利につながるので一店舗でも多く利用できるようにしたい」と話し、五十嵐立青市長は「提供していただけて、ありがたい。市だけでやるのは不可能な時代になっているので、市と民間のいい関係ができるようにしたい」などと述べた。

春からつくタクの乗降場所となっている同市若栗、ファミリーマートつくば若栗店の平間聡店長は「店内でコーヒーを飲みながら待っているお客さんもおられる。以前はお店の前がバス停になっていて乗降客と車の接触事故があったとも聞いているので、そういうトラブルが無くなればいい」と話している。

つくタクは2016年度に約5万人の利用があった。8割が高齢者、1割が障害者という。乗降場所は現在市内に750カ所ある。今後、市では、商業施設やクリニックなどに乗降場所を増やしていきたいとしている。(鈴木宏子・ラヂオつくば特約記者)

街なかの掘り出し物見つけて 4日、第2回つちうら亀の市 城下町散策も

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大盛況だった第1回つちうら亀の市=4月30日、土浦市中央

歴史ある土浦の街なかに眠る掘り出し物などを販売する「第2回つちうら亀の市」が11月4日(土)、土浦市中央、中城山不動院・琴平神社参道や、隣接のまちかど蔵大徳・野村で開催される。

城下町だった土浦には歴史的な建物、老舗に伝わる宝、逸話、神社や寺の行事、伝統技術など貴重な文化遺産が多く残っている。それらを後世に伝え継承する仕組みづくりや、街なかでの商いの創出を目指す。

第1回亀の市は今年4月30日に開催され、多くの人でにぎわった。4日は2回目の開催となる。「土浦界隈まちづくり研究会」のメンバーが中心となって立ち上げた「つちうら亀の市実行委員会」が主催する。

テーマは「地域遺産の継承とまちづくり」と「Re…」の二つ。「継承」では、土浦観光ボランティアガイド協会の協力による「歩いてみっぺ!土浦古地図で旧城下町散策」が企画されている。亀の市を出発しその界隈(かいわい)のまち巡りを通して城下町だった土浦を味わう。

「Re…」ではリメイク、リユースに焦点を当て、古本、古布バッグ、掘り出し物食器、アンティーク家具などの展示販売が行われる。ほかに飲食、有機野菜、工芸品など計27もの店が参道を埋め尽くし、市をもり立てる。

同会場で、亀の市と同時開催される「まちなか文化祭」も多彩な催しが企画されている。土浦二高書道部による書道ガールズ・筆供養、チンドン屋による「土浦に復活!昔懐かしい街頭紙芝居」などが催される。不動院境内では第1回でも好評だった「まちなか音楽祭」が行われる。亀の市の始まりを告げる太鼓の演奏に続き、琴演奏や歌などで花をそえる。

まちかど蔵では3~5日、「水郷の思い出」パネル展、まち歩き講座写真展も行われる。

土浦界隈まちづくり研究会メンバーで亀の市実行委員の伊藤春樹さんは「歩いて五感で、水郷土浦の魅力に触れてほしい」と話している。(鈴木萬里子)

◆亀の市の開催時間は午前9時から午後3時まで。雨天の場合は5日に順延。主催者が用意した無料駐車場が会場周辺に多数ある。問い合わせは「土浦界隈まちづくり研究会」伊藤春樹さん(電話090・4059・4860)

第1回まちなか音楽祭でアラブの楽器ウードを演奏した荻野仁子さん

認知症予防へ、おしゃべりの場 「かっぱサロン」1年 土浦

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木の実を使って帽子のアクセサリーを作る「かっぱサロン」の参加者=土浦市中央、奥井薬局
完成したアクセサリーを愛用の帽子に取り付ける参加者ら

高齢者の認知症予防を目指す楽しいおしゃべりの場「かっぱサロン」が、土浦市中央、奥井薬局でスタートして間もなく1年を迎える。

霞ケ浦の水質浄化運動に取り組み、46年の歴史がある老舗の市民団体「土浦の自然を守る会」代表の奥井登美子さんら、かつての旗手たちが世話役となり、地域医療の小さな守り手となっている。

自然を守る会の事務所ともなり、30年前、子供たちに絵本を読み聞かせた同薬局の一室にある「こども文庫」を改装してサロンとし、昨年12月スタートした。

月2回、市内の高齢者ら約10人が集まって、木の実を使ったアクセサリー作りや、折り紙、クリスマス飾り作りなどに挑戦している。

専門家が講師となり、高齢者の熱中症対策、塩分のとり方、じょうずな湿布の貼り方などを講義することもある。朗読のプロが声の出し方を教えてくれたり、わらべ歌を皆で歌ったりすることもあるという。

奥井さんは「おしゃべりしながら、手を動かして、頭を使うのが認知症予防になる」と話す。

このほど開かれたサロンでは、奥井さんや近所の人が散歩の途中に拾い集めたさまざまな種類のドングリなど木の実を使って、帽子のアクセサリーを作った。「日頃から帽子をかぶる習慣を付け、転倒ぼうし(防止)に役立てる」のが狙いだと奥井さんはいう。

参加者の一人、岩﨑惇子さん(80)は「年を取ると新しい友達をつくるのが難しくなるが、ここへ来ると知らなかった人と知り合いになることができ、人生のいろいろな話を聞くことができる。毎回バラエティーに富んだメニューなのでとても面白い」と話している。(鈴木宏子)

人生の「旅の途中」切り取る オダギ秀さん写真展 つくばで3日まで

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見る人が思わず心象風景を重ねたくなるモチーフが並ぶオダギ秀さんの写真展

土浦市の写真家、オダギ秀さんの写真展「旅の途中」が、つくば市高野台のCafe&Galleryロダンで始まった。オダギさんが「人生という旅の途中で、目に触れたり、心に残ったりしたことをスケッチするように撮影した」という17点を展示している。

小さな頃からカメラに触れ、撮影歴は50年以上になるというオダギさん。2010年から開いている同展は13回目。日常の中で心に残ったことをスケッチするように切り取り、自身のホームページで公開してきた作品の中から、この半年内に撮影したものを中心に選んでいる。

こぢんまりとしたギャラリースペースに合わせて35×35㌢の額に統一して展示。水滴がついた網の上のクモ、いたずらっ子のような笑顔のお地蔵さま、枯れた曼珠沙華に横たわるアゲハチョウ‥見る人が心象風景を重ね、思わず語りかけたくなるモチーフが並ぶ。オダギさんが撮影した時の思いを綴った文章も添えられている。

訪れた人は、写真を先に見て回ってから文章をじっくり読んだり、写真と文章を交互に眺めたり、思い思いに鑑賞を楽しんでいた。昔からオダギさんのファンという、つくば市小田の飯塚睦子さん(78)は「写真からも文章からも、ほっとする優しい気持ちが感じられるのが素敵です」と話していた。

同展は11月3日まで。入場無料。(大志万容子)