水曜日, 9月 9, 2026
ホーム ブログ ページ 116

気温が体温と同じぐらいに《くずかごの唄》130

8
イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】気温が、体温と同じくらいになるなどということは、今までの日本で考えられなかった現象である。コンクリート道路の上などは40度C近くになってしまう。

こうなると自分で自分の体温が維持できない人たちが増えてくる。

今までにない身体現象だから、あいまいに、おおまかに、春は「花粉症」、夏は「熱中症」と呼んでいるが、呼吸、皮膚炎、頭痛、咽喉炎、生理痛などが体温の変化と複雑に絡み合ってしまっている。

こういう時代が来ることは、医療関係者も予想していなかったにちがいない。

平凡に解熱鎮痛剤を処方する医者。抗アレルギー薬を入れて処方する医者。熱があるからといって抗生物質を処方する医者。先生たちも気温と体温の、からみあいのめちゃめちゃに頭を悩ましているに違いがいない。

えっ、ドクダミって薬草なの?

暑すぎるので雑草たちも元気がない。その中で、なぜか根茎で増えるヤブガラシとドクダミだけは元気過ぎるほど元気で、我が家の庭も草抜きが大変だ。

子供たちにドクダミの花を見せてあげる。

「ほら、ドクダミの花、可愛いでしょ」
「おかしな匂いがするね」
「嗅いでごらんなさい。薬草の匂い」
「えっ、薬草なの? ドクダミは毒草だと思っていた」
「冗談じあない。十薬といって10の効果のある薬草の中の王様なのよ。昔は家で採ったドクダミを、きれいに洗って軒下にぶら下げて、干してある家もあったわよ」

昔の子供たちはごく自然に、ドクダミは身近にある家庭用薬草ということを知っていたのに、今の子供たちは全然知らない。

「毒ではないのに、何で毒ダミなんていう名前なの?」

さあ困った。何でドクダミなどという名をつけたのだろう。「牧野富太郎先生、教えて下さい」(随筆家、薬剤師)

終盤猛追も及ばす つくば国際大は惜敗【高校野球茨城’23】

0
9回1点差に迫り湧き上がるつくば国際大ベンチ=日立市民球場

第105回全国高校野球選手権茨城大会は14日、2回戦10試合を行った。日立市民球場に乗り込んだつくば国際大は終盤、日立工を追い上げたが及ばす8ー9で破れた。

つくば国際大は中盤突き放され、6回までに9−3と大量リードを許す苦しい展開。7回1死で山口が左翼に二塁打を放つと一番打者の阿井が、狙っていた変化球をレフトスタンドへ運ぶ2ランで、反撃ののろしをあげた。ここまで3打席凡退で繋げようという気持ちで打席に入ったという。

7回1死二塁で放った阿井の2ランが反撃ののろしになった

8回には先頭の古田が右前打で出塁し、2死後に山本の三塁打で1点を返し、3点差で9回を迎えた。ヒットと四球で無死一・二塁のチャンスを作り、高野のタイムリー二塁打と石橋のライト犠飛で1点差に迫ると、応援に駆けつけたサッカー部12人と控え部員の大きな歓声が響いたが、追撃もここまで。後続が凡退し及ばなかった。

両チーム共に11安打を放った乱打戦。つくば国際大は主戦投手、山本頼みの試合が多かったが、これまでにない打線の奮起が試合を盛り上げた。

試合後、伊藤徹監督は「完敗。先発山本と2番手阿井が9点取られるとなかなか追いつけない。そんなに点数が取れる打線ではなく、最小失点に抑えて1点差で勝つ野球をやってきたので、今日みたいな展開で追い上げられたのは打線としてはよく頑張った」と選手の健闘をたたえた。

先発したエース山本の投球

先発した山本は「いつもより調子が悪かったが打線もよく繋いでくれて自分達の野球で最後まで諦めず過去一番いい試合が出来た。自分は1年生から背番号をもらって、2年でも投げていて最後に力を出し切りやり切った」と満足した表情を見せた。

吉田主将は「自分が主将になって秋、春と3点以上取ったことがなく、ここまで追い上げたのは満足だけど最後勝ちきれなかった。ここまで成長でき夏の集大成でみんなの思いが一つになって良かった」と話した。(高橋浩一)

土浦湖北、狙いの後半勝負で初戦突破【高校野球茨城’23】

0
6回裏土浦湖北2死一・三塁、長谷川凌汰の勝ち越し打で2者が還り、ベンチの祝福を受ける=J:COMスタジアム土浦

第105回全国高校野球選手権茨城大会は14日、J:COMスタジアム土浦で土浦湖北が守谷と対戦した。前半のきっ抗した展開から、後半に湖北が逆転に成功、最終的には14安打で7-2と突き放し、3回戦に勝ち進んだ。

湖北の先発、久保田蓮大は、予定回数の5回までを3安打1失点の好投。直球を軸に、カットボールでタイミングを外すピッチングで、「自信あるボールで攻めていけ、テンポよくリズムを作れていた」との本人評。一方、打線は軟投の相手投手に対し、毎回のように走者を得点圏に進めるが、肝心の場面での一打が出ない。ようやく5回に清水俊輔の適時打で追い付き、迎えた6回の攻防がカギとなった。

5回を好投した湖北の先発・久保田蓮大

この回湖北は、久保田から浅野真那斗へと投手交代。その替わりばなを攻められた。四球と2連打で無死満塁とされ、右前への適時打で1点は許すものの、2人目の突入には捕手、野口彗太が本塁を死守。野口は次打者のファウルチップにも反応よく飛びつき、この回を最少失点で切り抜けた。浅野は登板直後は球離れに乱れがあったようだが、その後は調子を取り戻し、7回と8回はともに併殺で打ち取り、9回は3連続三振で締めている。

6回裏、湖北は富施賢太の左前打から2死二塁とし、木村恭太郎の左翼線を破る二塁打で同点。投手交代でピンチを乗り切ろうとする守谷に対し、浅野の中前打と長谷川凌汰の左越え三塁打で2点を勝ち越した。長谷川は「打ったのは真ん中に入ってきたスライダー。ストレートにヤマを張りながらスライダーも狙っていた」と振り返る。

6回表守谷無死満塁、適時打から2人目の走者のホームインは、捕手・野口が阻む

湖北は7回にも1死満塁の好機をつくり、平田夢叶のスクイズと木村の左前打で計3点を追加した。土佐一成監督は「投手が替わった後も浮いたボールを狙い、後半は粘り強く打ってくれた。もう少し早く点が取りたかったが、初戦なのでやむを得ない部分もある。レギュラー陣は去年からのメンバーは少なく、緊張もあったと思う」。

「自分たちは後半勝負。俺たちならやれると、あせりなく試合に臨めていた。チャンスにはベンチも盛り上がり、相手のミスにも付け込んで、一つずつつなぐ自分たちらしい野球ができた」と野口主将。「今年のチームはバッティングが魅力的。投手の枚数もあり、去年より完成度は高いと思う。甲子園に向かって一戦一戦、今日と同じ気持ちで戦っていきたい」と次戦を見据えた。

「勘十郎の馬鹿っ堀」 《写真だいすき》22

0
宝珠庵赤子:石仏は、人々を救ってくださる仏さまではなくて、救って欲しい人々の姿なのだと思いながら撮影することもある(撮影筆者)

【コラム・オダギ秀】何十年の時が流れても、いつまでも心に残る撮影は、少なくなかったが、いま、その地を訪ねたら、新しい住宅が並び、わずかな水溜(た)まりがあり、ここがあの撮影地だったかよと思った。

霞ケ浦の北岸近くに、紅葉(もみじ)と言う美しい名の集落があり、そこに紅葉運河という古い大きな堀跡がある。堀は、紅葉から大洗に近い涸沼の海老沢という入り江まで、途切れ途切れにつながっていた。その堀は三百年ほども前、運河として掘られたものだが、数十年前の撮影に訪ねた頃は、田んぼや溜め池となっているところがあって、水をたたえてはいても流れてはいず、もちろん運河とは言えず、ただの水溜まりの連なりであった。

堀を見下ろす土手の木立の中に、素朴な小さな石の慈母観音菩薩さまがあった。慈母観音は、子安観音とか子育て観音などと呼ぶこともあり、しっかりと幼子を抱き、その成長を願うものだが、その観音さまは、菩薩と言うより、妙に人間的な息づかいを感じさせる野の仏さまで、心に残った。

江戸時代初期、奥州諸藩から江戸に送られる米は、多く海から船で運ばれ涸沼に入り、対岸の海老沢に荷揚げされると紅葉村まで陸送され、ふたたび船積みされて、北浦、利根川、江戸川を経て江戸に運ばれた。

紅葉運河は、この涸沼の海老沢から紅葉村までの陸送区間を船で結ぼうという、当時としては壮大な目論見の運河なのだった。

宝永四年(1707)、深刻な財政難に苦しんでいた水戸藩は、船運経路の発展と通航船からの交通税の取り立てをねらい、松波勘十郎という浪人事業家を起用して、この紅葉運河を起工した。それは、幅40~50メートル、深さは20メートル余り、延長10キロにもおよぶ運河を通すという大工事で、しかもそれをわずか半年で完成させようとしたのだった。

この工事のため、延べ百数十万人にのぼる農民が強制的に労役に駆り出され、賃金も支払われず酷使された。過酷な工事は、2年足らずの後、領内全域にわたる農民一揆を引き起こし、失敗に終わった。

「酷かったもんだよ」。堀端の家の古老に堀の由来を尋ねると、三百年も昔のことなのに、ほんの少し前に聞いたかのように、その様を語ってくれた。忘れ去られずに語り継がれるほど、過酷な歴史だったと言うことだろうか。

堀を見下ろす慈母観音菩薩さま

じつはボクは、堀のことではなく、堀端の慈母観音さまのことを尋ねたのだ。すると古老は、ひとしきり過酷だった運河工事の話をし、それから「それでな」と、慈母観音さまの話に入った。

「工事には、犠牲者も少なくなかったのよ。紅葉におった、かよさんという女房の旦那も駆り出され、事故に遭って簡単に死んでしもうた。かよさんには可愛がっている幼子がおってな。だが、労役で野良仕事が出来んかったから、金もなく食わせるものもなく、幼子も死んでしもうた。夫を亡くし子をなくし、つらかったろうなあ。それで世をはかなんだかよさんも、堀に身を投げて死んでしもうた」

堀を見下ろす慈母観音菩薩さまは、そのかよさんを供養する像だと言う。「観音さまは、あれはかよさんじゃ。かよさんと、かよさんの子じゃ」。だからいつも食べ物を供えて慰めていると、笑いのない眼で古老は語った。

慈母観音は、本来、母と子を護ってくれる菩薩と言われる。だが、木立の陰に立つこの観音さまには、子を守ることができなかった母の悲しみが満ちていた。

堀工事はずさんで、涸沼と紅葉との高低差を確かめることさえなく進められたから、結局、低池から高地へ水が流れる運河とはならず、通船を見ることはなかった。後の人々は、ただの溜まり水をたたえたこの堀を、工事を進めた松波勘十郎の名をとり、「勘十郎の馬鹿(ばか)っ堀」と呼んでいたが、今の人々は、勘十郎堀という名さえ、定かには知らないようだ。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

木村「二刀流」で圧倒 土浦三、霞ケ浦に苦杯【高校野球茨城’23】

0
4回まで打者12人から5三振を奪った霞ケ浦の先発・木村=J:COMスタジアム土浦

第105回全国高校野球選手権茨城大会は13日、2回戦に入り、J:COMスタジアム土浦では土浦三が霞ケ浦とのご近所対決。初回からの連打攻勢の霞ケ浦が土浦三の繰り出す7投手を打ち込んで、5回コールド勝ちした。プロ注目の右腕、木村優人は140キロ台の速球を投げ込み、打では右翼ポール直撃の本塁打と大暴れだった。

霞ケ浦は初回、打者一巡の猛攻。5安打で5得点を挙げ、難しいとされる初戦の立ち上がりを万全の形で入った。

土浦三の先発、中村太陽は「自分のピッチングができず3年生に申し訳ない。打たせて取るつもりだったが、甘く入った球を全部持っていかれ、詰めの甘さを実感した。一瞬の隙も見逃してくれず、1番から9番まで気が抜けなかった」と相手打線を評する。

1回表霞ケ浦無死二・三塁、木村の中前打で三走・新保玖和が還り先制

「ロースコアに持ち込んで勝機をうかがいたかったが、自分たちの攻撃の前に大量失点してしまった。逆に相手は大量リードで気持ちに余裕ができた」と土浦三の竹内達郎監督。軟投で霞ケ浦打線のタイミングを外すプランは早々に崩れ、2回以降は手持ちの投手を次々と投入。だが2回には木村のソロホームランを浴び、3回と5回にも失点を重ねた。

霞ケ浦はその木村が先発のマウンドに立ち、3回までノーヒットのピッチング。土浦三は木村を想定した対策を積んできたが、打席に立ってみるとボールのキレがけた違いだったという。「木村のボールは手元でグッとくる。芯でとらえても押し込まれて、みんなボールに押し負けていた」と増田築主将の証言。

4回、伊藤達矢が木村から初安打を奪う。初回の第1打席は外角ストレートを空振り三振だったが、この打席は同じ球を左前へはじき返した。「木村はまっすぐが伸びるが、かといって変化球は即座に対応が難しい。この打席もまっすぐに狙いを絞り、初球から積極的に振っていった」との振り返り。

土浦三4回裏2死から伊藤が左前へ初安打。この後二盗を狙うも阻止される

ご近所同士の両校は、市内大会や練習試合などで顔を合わせる機会も多く、また土浦三の1・2年生には霞ケ浦高付属中出身の選手もおり、打撃や守備のレベルの高さなどは耳に入っていたという。中村は「自分たちもああいうチームになりたいと思う一方、対抗意識も持っていた。特に今回は地元での試合なので、負けたくないという思いが強かった」と語る。

今年の土浦三は、登録メンバー20人中15人が1・2年生という若いチーム。「この大会の経験をチーム内で共有し、来季も高い目標を持って戦えるよう、自分たちでチームを盛り上げていきたい」と伊藤と中村は口をそろえた。(池田充雄)

中林、5回参考も完全試合 常総学院コールド発進【高校野球茨城’23】

0
5回打者15人を完全に抑えた常総学院の中林投手=ひたちなか市民球場

第105回全国高校野球選手権茨城大会は13日、2回戦に入り、ひたちなか市民球場では第一シード常総学院が登場。先発した中林永遠投手(3年)が、5回参考記録ながら完全試合を達成し、打線は2回の打者一巡の猛攻など毎回得点を重ねて、麻生に5回コールド勝ちした。

常総学院先発の中林は初回3者連続三振を奪う立ち上がりから、5回を60球9三振を奪い、走者をひとりも出さずに参考記録ながら完全試合を達成した。

打線は1回山崎、川上の連打で1死後一、三塁のチャンスに武田のセンターへの犠牲フライで先制。2回には相手エラーと四球で2点を追加し、さらに一、三塁から近藤がライトへタイムリー、秋山がレフト線への2塁打で続き、この回打者10人で6点を上げた。3回にも近藤が2本目のタイムリーを放ち1点、4回にも2点を追加し10ー0としてコールド勝ちを決めた。

2回1死1、3塁でライト前タイムリーを放つ常総学園・近藤(捕手・池田)

中林は背番号18。先発を言われたのは3日前で、ずっと準備してきた。「応援団、ブラスバンドが入って最後の大会でいろいろ掛ける思いがあった」そう。「初戦は大事になってくると思うのでチームが勢いに乗れるようなテンポいいリズムで投げた。四球もなかったので自分のイメージした通り投げた。少し甘くなって相手が打ち損じてくれてよかった完全試合は意識しないで自分のピッチングが出来た」

島田直也監督は「初戦と言うことで2年ぶりに勝ててほっとしている。選手より自分のほうが緊張しついた。長丁場なので4番手、5番手の投手をどれだけ使えるか試した。中林は期待以上にやってくれた」と手応えを語る。「選手には大会前からコールドで勝とうが1点差で勝とうが勝ちは勝ちなので最後に勝っているほうが勝ちだと言ってきた。打線に関してはまだまだ繋がりが足りないので上げていかなければならない」と手綱を締めた。

常総学院は3回戦で17日に下妻二ー日本ウェルネス茨城の勝者と対戦する。(高橋浩一)

■このほかのつくば・土浦勢の結果

詳報はこちら

常磐線も4車線でまたぐ 25日に354号土浦バイパス全線開通

5
跨線橋を下りバイパスを直進すると土浦北IC方向=木田余バイパス西入口交差点= 土浦市木田余

土浦市若松町~手野町の間で県による4車線化整備が進められていた国道354号土浦バイパスのうち、最後まで残っていた常磐線をまたぐ木田余跨線橋(きだまりこせんきょう)など0.9キロ区間の工事が完了し、25日午後2時から全線開通する。

今回開通するのは、常磐線をまたぐ跨線橋が東西で立ち上がる木田余跨線橋東交差点~木田余バイパス西入口交差点の区間。既存の木田余跨線橋の南側に新たに2車線を増設する形で橋梁を拡幅整備し、両交差点について改良工事を行った。事業費は約30億円。線路に架かる橋梁工事の一部をJR東日本水戸支社(水戸市)に委託している。

354線土浦バイパスと荒川沖木田余線

国道354号は、茨城県西から県南、鹿行地域にかけて横断する広域幹線道路で、災害時の緊急輸送道路にも指定されている。そのうち土浦バイパスは鹿行地域方面から常磐自動車道土浦北ICへのアクセス機能の強化と土浦市内の渋滞緩和を図るため、1991年度から延長5.3キロ、幅員25メートルの4車線で着手された。バイパスは2011年2月に暫定2車線で供用し、これまでに、おおつ野団地入口交差点~木田余東交差点まで約2.9キロと、若松町の市道をまたぐ跨道橋~木田余西入口交差点まで約1.5キロの4車線化が完了している。

25日は開通に先立ち、午前10時半から地元の公民館で県土浦土木事務所主催による安全祈願を行う。

土浦駅東のボトルネック解消には道遠し

県は「土浦市内の渋滞緩和や常磐道の土浦北ICへのアクセス強化が図られる」としているが、交通量の増大により木田余跨線橋東交差点からJR土浦駅東方向に向かう荒川沖木田余線(荒木田線)の交通混雑がさらに悪化する懸念もふくらむ。同バイパスの24時間交通量(国交省道路交通センサス)は2021年で2万5000台を超え、2010年の約2倍、特に大型車は3倍近くに達している。

荒木田線は常磐線の東側を並走する形で、阿見町荒川沖本郷から土浦市木田余に至る延長11.5キロの都市計画道路。1957年に都市計画決定され、全区間の整備が一応は完了している。しかし土浦駅東の港橋から南側区間(荒川沖方面)の都市計画決定が幅員25メートルなのに対し、北側区間(木田余方面)は幅員18メートルだった。土浦駅方向への通勤や送迎のためラッシュが朝夕に恒常化し、ボトルネックとなった北側区間は同市きっての渋滞路線になっている。

354号土浦バイパスとの交差点周辺は、同市特産のレンコンの生産地帯で、渋滞を嫌った一般車両が農道に入り込んでは、生産者とトラブルになるケースも少なくない。2016年に新築移転した土浦協同病院(同市おおつ野)への緊急車両がひんぱんに混雑に巻き込まれたりもしている。

354号土浦バイパス入口。左折して4車線化された跨線橋に入る。手前が荒川沖木田余線=木田余跨線橋東交差点

荒木田線は2013年、幅員18メートルの約2.3キロ区間について幅員25メートルに都市計画変更され、車線数も4車線に設定し直された。これ以降、県と土浦市が事業区分を分担して整備を進めてきた。このうち土浦市が施行者となる木田余跨線橋東交差点~流域下水道事務所(同市湖北)まで1.3キロ区間は、4車線への拡幅工事が年内にも完了し、年度内に供用できる見通しとなっている。

しかし、土浦駅東寄りの約1キロ区間の整備は手つかずで、ボトルネックの解消にはなお遠い道のり。事業区分上、県が約370メートル、市が約630メートルを残しており、共に用地取得の交渉中で着工の見通しはついていないという。(相澤冬樹)

タロットカードで街を眺める ひたち野うしく《遊民通信》68

0

【コラム・田口哲郎】
前略

オカルトが似合う街は新興住宅地だと前回書きました。新興住宅地は伝統的な宗教色がありません。そしてオカルトは伝統宗教とはちがった意味をもとめます。ですから、新しくできた、科学技術があちこちに感じられる新興住宅地を歩いていると、そこはかとなくオカルトの匂いを感じるのです。

現在のオカルトの源流は19世紀フランスに求められます。そのオカルティスムの祖はエリファス・レヴィとされています。レヴィはタロットカードをユダヤ神秘主義思想にもとづいて整備しました。この思想は歴史があり、ある意味伝統的です。それではオカルトは宗教的伝統がないわけではないではないか、と言われそうです。たしかに源流ではそうです。

でも、現在までさまざまな社会の変化を経たオカルトには、宗教的伝統の影はほとんどないと言えるでしょう。宗教の伝統で育ったオカルトが世の中に広まる途中で、旧来の宗教の養分を消化吸収して、新しい「宗教のようなもの」をつくろうとしています。

「Ⅵ 恋人たち」のカード

前置きが長くなりましたが、ここでタロットを使って、オカルトが似合う街を眺めてみたいと思います。私は散歩していて、オカルトと街をつなげてみたらどうかと思いつきました。今回は、ひたち野うしくを、タロットの大アルカナ(22枚)のなかの1枚をひいて、オカルト的に見てみます。よくカードを切って、1枚を選びました。出たカードは「Ⅵ 恋人たち」のカードです。

このカードの絵柄は、太陽の光のもとで、雲のなかに大天使がいます。地上にはアダムとイブを思わせる裸の男女が向かい合って立っています。大地の奥には高い山が遠くに見える。男女それぞれの背後には1本ずつ気があり、男の後ろの木は炎の花が咲いている。女の後ろの木にはリンゴがなっていて、幹にヘビがからんでいます。このカードは全体的にとても明るく美しいイメージです。

ひたち野うしくは超高齢社会にあってとても若い街です。子育て世代も多く、小・中・高生が多く歩いています。若い家族が子どもを育てて、活気がある街。これがこの「恋人たち」のタロットカードによく表れていると思います。1回1枚ひいただけではただの偶然じゃないかと言われそうですが、この偶然を信じることが、オカルトには大切だと思います。ごきげんよう。

草々
(散歩好きの文明批評家)

南北のアクセス向上 県道取手つくば線バイパス全線開通

6
交通安全祈願式の後、開通した=つくばみらい市板橋のバイバス上

県道19号取手つくば線バイパスが12日、つくばみらい市板橋から南太田までの約1.6キロ区間で供用を開始し、延長約4.1キロのバイパス全線がつながった。

バイパスは同市谷井田から狸穴(まみあな)までの路線で、つくば市街と取手・守谷方面を結ぶ南北の軸線となる生活道路。1992年に都市計画され93年に事業着手、完成までに約30年かかった。今回の開通区間の事業費は約20億円。全体の総事業費は約80億円だった。

式典で挨拶する渡邉千明つくばみらい市副市長

開通に先立ち、12日午前には交通安全祈願式が行われ、県土浦土木事務所の大森満所長や渡邉千明つくばみらい市副市長らが参列した。渡邉副市長は「交通量が多いにもかかわらず歩道の整備が十分でなかったり朝夕の渋滞が厳しかったりで心から整備を望んでいた」などと挨拶した。

つくばみらい市板橋から南太田までは幅員18メートルの2車線道路。両側車道と区分された歩道が整備された。板橋地区や谷井田地区は、幅が狭く歩道がない道路に交通が集中していたが、バイパスの開通で朝夕の渋滞が解消され、通学路などの安全も確保できるという。開通区間には小中学校も近接する。

県道取手つくば線は、北上して常磐道谷田部ICを経て、サイエンス大通りから圏央道つくば中央ICに接続、学園都市を縦断しつくば市北条に至る路線。南は取手市で国道6号につながる。常磐道と6号の間でつくば市街地から県南部へのアクセス向上を担う道路に位置づけられる。

県道19号取手つくば線バイパスの位置図

バイパスは2005年に北側の約2.0キロメートル区間を暫定2車線で供用開始した。19年には南側の約0.5キロメートル区間が完成し、2車線で供用開始した。今年4月に北側の約2.0キロメートルの4車線化が完了している。(田中めぐみ)

自分らしく生きるということ 《ハチドリ暮らし》27

0
旅先で苔の生えた樹や岩を見つけました(筆者撮影)

【コラム・山口京子】「自分らしく生きる」というフレーズをよく見かけます。そんなとき、「自分とはなんだろう?」とわからなくなります。「自分らしく生きる」とは、他人の評価を気にしないで、自分の価値観を大事にして、自分の気持ちに正直に生きることを意味するようです。

では、自分が持つ価値観はどんなものなのか、自分の気持ちに向き合ってどんな気持ちが表れるのか…。自分が持つ価値観はどういう価値観か。それはどうやって形成されたものか。時代や社会、家族の影響が少なくないでしょう。今の自分の気持ちに向き合うとき、思うのはケンカはしたくないということです。

ケンカって、しようと思ってするのではなく、相手がいて、相手と合意がつかなくなって、聞き苦しい言葉があったりすると、手や足が出てしまう。物心ついたころから、父親が母親を殴ったり蹴ったりする光景を見てきました。酒が入ると一方的に殴りつける父親。しらふのときは借りてきた猫のような父に、殴ったことをまくしたて非難する母。その繰り返しが何十年も続きました。

子どものころ、妹とケンカして、泣かせてしまった記憶があります。結婚してからは夫とケンカになったり、子どもとケンカしたり大人気ない自分です。自分の至らなさと配慮のなさを自覚しないまま、自分が言っていることは正しいと一方的に主張していました。

自分も相手のこともきちんと知る

自分が正しいと思っていても、それは自分のご都合主義でしかなかったかもしれません。また、正しいと思っていたとして、それを相手に伝わる言葉で相手が納得できる裏付けをもって説明できたのか。相手の言い分をどれだけきちんと聞き取れたのか、感情的に反応しなかったか。…出来ていなかった。

それが出来るには時間がかかります。とても難しいと感じています。でも、穏やかに暮らしたいので、穏やかな人間関係を持ちたいのです。

自分のことも相手のこともきちんと知ろうとすること。自分の主張と相手の主張を踏まえて、時間軸も意識しながら合意を見つけること。時には、距離を置いてみること。事柄によっては、ほどほどで落ち着くようにすること。

「自分らしく生きる」というけれど、自分に執着しないほうが幸せに暮らせる気がします。最近は対面でのセミナーに呼ばれることが増えました。テーマについての自分の思いを相手に伝わる言葉で話すことの大切さを痛感しています。さまざまなテーマをいただいて、レジュメを作ることが楽しく、あっという間に時間が過ぎてしまいます。(消費生活アドバイザー)

ウクライナの民族弦楽器バンドゥーラで平和を祈る 16日にチャリティーコンサート

4
昨年のコンサートで演奏するカテリーナさん=市民ホールとよさと(主催者提供)

ウクライナ出身で東京都在住の民族楽器奏者、カテリーナさん(37)のコンサートが16日、ノバホール(つくば市吾妻)で開かれる。弦楽器の一種バンドゥーラを奏でるチャリティーコンサートで、収益と募金はウクライナ大使館や同国からの避難学生が学ぶ筑波大学、国境なき医師団に寄付する予定だという。

コンサートを主催するのは、つくば市上郷在住の尾崎秀子さん(75)。「ウクライナへの軍事侵攻がはじまり、これは他人事と思わずに、なぜこのような戦争が起こったのか、当たり前の普通の暮らしがいかに貴重であり、もろく崩れ去るのか、平和な状態をどのようにして維持できるかなどを考えてもらいたいと思った。それで、カテリーナさんの音楽の力をお借りしようと思い至った」と話す。

カテリーナさんは、日本各地でバンドゥーラの公演を行っている。ウクライナのブリビャチ生まれ。チェルノービリ原発から2.5キロの地点で生まれ、生後1カ月で原発事故により被災。自宅から強制退去となり、家族で首都キーウに避難した。被災した子供たちで構成された音楽団「チェルボナカリーナ」に所属し、世界各地に演奏旅行に赴く中、日本にも公演に訪れ、19歳の時に日本に活動の拠点を移した。

今年5月には生い立ちや音楽、戦争についてつづる「カテリーナの伝えたい5つのこと」(ナイデル)を出版した。福島の原発事故にも心を痛め、演奏活動を通じて支援を行っているという。

つくばでのチャリティーコンサートは昨年7月にも市民ホールとよさと(つくば市高野)で行い、2回目の開催となる。前回は425人が来場し、チケットの売り上げは経費を除いてウクライナ大使館に寄付した。尾崎さんがカテリーナさんのCDを初めて聞いたのは2010年頃のことで、友人からCDをもらったのがきっかけだった。2013年に兄と姉を3カ月の間に亡くし、その悲しみを慰めてくれたのがバンドゥーラの音色だったという。

「若い方々、学生さんたちには、自分の人生、何を大切にして生きて行くのか、考えてもらいたい。カテリーナさんの歌声とバンドゥ-ラの演奏から何かを感じ取って頂ければうれしい。きっと心に響くものを感じ取っていただけると思う」と来場を呼びかける。(田中めぐみ)

◆カテリーナ〝平和を祈る〟コンサート 16日(日)午後1時30分開場、午後2時開演。 会場はノバホール(同市吾妻) 入場料は大人2000円、18歳以下・学生・障害者1000円。チケット販売はノバホール。 定員800人。問い合わせは事務局(電話080-1118-0289)

杏の里と杏仁豆腐《続・平熱日記》137

2
絵は筆者

【コラム・斉藤裕之】「杏(あんず)の実がなったから!」というギャラリー「art cocoon(アートコクーン)みらい」の上沢さんからの知らせを受けて、またもや信州は千曲市にやって来た。梅雨の晴れ間、杏農家の柳町さんの車で畑に向かう。その光景は…梅に似た何千本? もある杏の樹には、黄色や赤みがかった大きな実がたわわになっていて、花の時期、桃源郷と見まがうばかりの杏畑は、私にとってはより興奮する「花より団子」状態となっていた。

もっと驚いたことに、この街にはいたるところに杏が植えられていて(中には直径50~60センチを超える木も)、街路樹や河川敷、民家の庭にも大きな杏がうそみたいになっているのだ。

こんな街、こんな風景、見たことない! とにかく一つ食べてみた。初めて食べる生杏は思ったより硬い、シャキシャキとした食感で、ただ甘いだけでないワイルドな味。値段も手頃で、生食用とジャム用を買い求めた。夏のような日差しの中だったけれど、信州の空気は気持ちよかった。

さて午後は、個展の案内状をデザインしてくれた西澤さんが松本に連れて行ってくれるという。およそ30年ぶりの松本。まずは日本書紀にも出てくるという浅間温泉のギャラリー「ゆこもり」を訪ねる。先祖から受け継いだという湯治場は、まさに文豪が滞在でもしていそうなたたずまい。高低差のある敷地を廊下で結んだ建物をリノベーションして展示スペースにしたというオーナーは、現在も滞在型のアートギャラリーを目指して改装中とのこと。

続いて、すぐ近くの「松本本箱」という温泉旅館と書店を合体させた、とてもおしゃれな施設も訪ねる。湯船や洗い場までもが本とくつろぎの空間となっていて驚いた。それから市内に移動して、友人が関わっている陶器店を訪ねたが、街は古いものと新しいものがうまく調和して多くの人でにぎわい、活気があった。

北アルプスや上高地などの自然や観光地にも恵まれ、音楽、演劇、クラフトなどでよく耳にする「松本」。市内を流れる女鳥羽(めとば)川の流れも清く、とても魅力的な街に思えた。

松・竹・梅 → 桃・李・杏

ところで、杏の種から杏仁豆腐(あんにんどうふ)を作りたいという上沢さん。実は杏仁豆腐は妻の大好物だったのだが、私は杏仁豆腐がそもそも杏の種の中身「杏仁」からできるなんてなんて思いもしなかった。調べてみると、食べられている杏仁豆腐のほとんどは杏の種とは別の似たものでできているとのこと。また、わりと簡単に種を割ることもできて、杏仁豆腐を作るのもそれほど難しくなさそうだ。

しかし、杏畑はご多分に漏れずの後継者不足で、今はNPO法人がそんな畑の面倒を見ているそうだ。農業体験としての収穫作業ツアーとか…。

世代を経て、「松」「竹」「梅」に代わって、今は「桃」「李」「杏」などの文字が名前によく使われる。名前に杏の字を持つアンズちゃん達を招待しての収穫祭とか。本物の杏を見ると、自分の名前にもより愛着が沸くと思う。6月下旬には、パーコットという桃のような大きさの品種が旬を迎えるそうだ。来年は、いや将来は、季節労働者として訪れるのも悪くない。(画家)

去年の悔しさ背負い基本練習やり続けた 常総 島田監督【高校野球展望’23】

0
常総の島田直也監督

高校野球県南3強チーム監督インタビューの最終回は常総学院高校の島田直也監督。常総学院は昨夏、創部史上初の初戦敗退を喫し、「常総の時代はもう終わった」とささやかれた。しかし、昨秋の県大会では準決勝に進出し、優勝した土浦日大に1対7で敗退した。春の県大会ではその土浦日大との延長10回タイブレークを制し優勝。続く関東大会でも並み居る強豪を撃破して4強入りを果たし、まさにV字回復の途上である。7年ぶりの頂点をかけてこの夏を迎える常総学院の島田監督に意気込みを語ってもらった。

絶対に茨城の1位を獲る

ーまずは春の県大会の振り返りをお願いします。準決勝の常磐大高戦の5点差から逆転勝利が印象的ですが、どのような所感がありますか。

島田 春はあの試合に限らず粘り強く戦えたと思いますね。準決勝は選手が最後まで諦めることなく戦った結果、7回と8回で逆転できたのだと思います。

ー常磐大高戦では中林永遠投手が相手打線に捉えられていた中で、だいぶ引っ張ったなという印象があります。そこは何か意図があったのでしょうか。

島田 意図はないです。ただ僕の継投のタイミングが遅れたというだけです。あそこまで連打を浴びないだろうと、どこかで切ってくれるだろうと思っていたのですが続いてしまった。プロのペナントレースとは違う、負けたら終わりの高校野球における継投のタイミングの難しさをあの試合では痛感しました。選手交代のタイミングはまだまだ僕に足りないところです。それでも準決勝は僕の失敗もあったのに5点差を逆転してくれた。選手に助けられたという思いはありますね。

ー決勝戦はもつれた試合になり最後は延長10回タイブレークで勝利しました。

島田 絶対に茨城の1位を獲るという選手の思いと、諦めず戦った結果がこのようになったのではないかと思います。

ー続いて関東大会初戦の関東一高戦はどうでしょうか。

島田 秋に関東に出場できなくて悔しい思いをしましたし、関東で常総学院という名を知らしめる良いチャンスですから当然優勝を目指していました。関東一高戦の入りは良かったんじゃないかと思いますね。先制して追い上げられても突き放した。自分達がやってきた野球が出来ていたんじゃないかなと思います。

ー準決勝は木更津総合に0ー3で敗退でした。

島田 春の大会前の練習試合では大差で勝利したのですが、そこまで力の差はなかったのでロースコアの展開になるかなと思っていました。結果的にはうちはチャンスに1本が出なかった。相手はチャンスをしっかりとものにできた試合でした。

ー準決勝を前に島田監督が「関東大会準決勝の会場が現役時代を過ごした横浜スタジアムで、僕が一番うれしい」とコメントされていました。実際に久しぶりに横浜スタジアムに立ってみていかがでしたか。

島田 新しくウイング席が出来てから初めてグラウンドに立ちました。ここでやってたんだなあと思いながら、マウンドに立たせてもらいました。感慨深かったですね。

次ページに続く

汚染水を海洋放出しないでください《邑から日本を見る》139

26
田植えから2カ月。穂ばらみ期を迎える谷津田(撮影は筆者)

【コラム・先﨑千尋】国際原子力機関(IAEA)のラファイル・グロッシ事務局長は4日に首相官邸で岸田首相と会談し、東京電力福島第1原発の「処理水」を巡り、海洋放出の安全性に対する評価を含む包括報告書を渡した。また原子力規制委員会は7日に東電に海洋放出設備の検査適合の終了証を交付した。国際機関の「お墨付き」を得たので、岸田首相は「夏ごろ」とする放出時期を最終判断する、と伝えられている。

IAEAの報告書は、「処理水」の放出による人や環境への放射線への影響について、「放出計画は国際的な基準に準拠しており、影響は無視できるレベル」と評価。基準を超える濃度の処理水流出を避けるための放出設備の設計・安全管理や、原子力規制委員会の対応も適切、としている。しかし、報告書には「(政府の)方針を推奨するものでも、支持するものでもない」とも書いており、日本政府と一定の距離を置いている。

国と東電は2021年4月に海洋放出する方針を決定した。この決定により東電は放出設備工事を進めてきた。東電の計画では、「処理水」は大量の海水で100倍以上に薄め、トリチウム濃度を国の排出基準の40分の1未満にする。その上で、沖合1キロ先の海底トンネルの先端から放出する。放出時期は30年程度に及ぶ見通しだ。

これらの動きに対して、直接被害を受ける立場の漁業者は反対の姿勢を崩してこなかった。2015年に福島県漁業協同組合連合会(福島県漁連)は国と「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分もしない」という文書を取り交わし、全国漁業協同組合連合会(全漁連)も、毎年の総会で海洋放出に反対する決議を続けてきている。

先月、西村康稔経済産業相は福島、茨城、宮城の漁連を訪れ、海洋放出への理解を求めたが、いずれの漁連も反対を表明している。

「差止め請求裁判を起こせばよい」

岸田首相は、国の内外に対して丁寧に説明を行っていきたいと語っているが、漁業者は反対の姿勢を崩していない。反対が続けば「理解」を得たことにはならない。村井嘉浩宮城県知事も5月19日、西村大臣に「海洋放出は漁業への風評被害が心配されるので、それ以外の処分方法を検討するよう」要請している。東京新聞は「10年かけてようやくという今、なぜ流すのか。風評被害はもう起きている」と報道している(7月5日)。

事故を起こした原発への地下水の流入を防ぐために凍土壁を作ったが、依然として地下水は原発敷地に入っている。これを止められれば、地下水が原発敷地に流入しなければ今ある「処理水」も増えない。海洋放出を行わないため、さらに廃炉作業を円滑に進めるために、この作業を最優先に進める必要がある。

汚染水の処理方法はいくつかあるが、そのまま保管すればいいではないか。いくら薄めても総量は変わらない。海に流された汚染水がどう動くのか、どのような被害が出るのか、誰も予測できない。

では、海洋放出を止める方法はあるのか。「原発を止めた裁判長」樋口英明さんは、「汚染水の差止め請求の裁判を起こせばいい」と話している(「日々の新聞」6月30日)。(元瓜連町長)

後半粘って土浦一 逆転で初戦突破【高校野球茨城’23】

3
8回裏2死満塁、小野が左中間へ2点適時打を放つ=J:COMスタジアム土浦

第105回全国高校野球選手権茨城大会2日目の9日、J:COMスタジアム土浦では一回戦で土浦一が石岡一との一高対決、立ち上がりの失点から5回までに5点を失う苦しい展開となったが、5回と8回に3点ずつを奪い逆転勝ちした。

土浦一が後半に地力を発揮、因縁の相手に逆転勝利を収めた。「石岡一は春大会の地区代表決定戦で敗れた相手。そこから石岡一に勝つチームを目指して頑張ってきた。再戦となった今日は、絶対やってやろうという気持ちで臨み、今までやってきたことが報われた」と土浦一の中里洸介主将は胸を張った。

前半は石岡一ペースで、土浦一は5回までに5点を失った。だが各回とも最小限の失点でしのいだことが、勝利につながったという。「後半勝負はうちのペース。選手があきらめずにやってくれると思い、0-5でも気にせず戦えた」と柴沼剛己監督。

4回2死からマウンドに立った本間航平が流れを変えた。制球に苦しむ場面もあったものの、力の入れ具合などを調節しながら修正し、「決めるところは決めにいけた」という。8回までを1犠飛と1安打でしのぎ、5三振を奪った。

8回表を終えた本間が、足をつらせてベンチへ下がる

反撃は5回。相手投手の乱れから1死満塁の場面をつくり、本田雅樹の左犠飛でまずは1点。続いて大津翔吾の左前打が敵失を誘い2点を追加した。

8回には大関祐二朗と篠崎元彦の2連打から、遠山勇気の送りバントが相手投手の悪送球を招いて1点を追加。さらに2死満塁の場面で、小野瑛太の打球が左中間を破る2点適時打となった。

9回裏、再びマウンドに上がった中里が最後の打者を三振に打ち取る

この日途中出場で9番に入っていた小野は、もともとは1番を打っていた。春大会で疲労骨折を起こしてから控えに回っていた。1点ビハインドで迎えた絶好機に「自分が打つしかない」との気持ちで臨んだ。打席に入って一塁に目をやると、走者の中里主将が自分の方を見ながら胸を叩いている。「決めてこい」というサインだと受け取り、相手投手の高めの直球を思いきり振り抜いた。「うれしいという言葉しか出てこない。一塁ベース上で涙が出てきた」

土浦一の2回戦は13日、ノーブルスタジアム水戸の第3試合で岩瀬日大と対戦する。(池田充雄)

土浦三 6失点を一気に挽回、コールド勝ち【高校野球茨城’23】

2
勝利の校歌斉唱の後、一塁側応援席に駆け出す土浦三ナイン=日立市民球場

第105回全国高校野球選手権茨城大会2日目の9日、日立市民球場では一回戦で土浦三が科技学園日立と対戦、初回に大量6失点の土浦三は3回に打者一巡の猛攻で一気に逆転、7回までに16点を奪いコールド勝ちした。

初回に先発黒田が満塁ホームランなど6失点で降板した土浦三は、3回に反撃。2死満塁から関川、木口の連続適時打で2点を返すと、代打酒井がレフトオーバーのタイムリーで同点とし、続く中村のヒットでこの回大量7点を奪い一気に試合をひっくり返した。

5回、2点タイムリー三塁打を放つ中村

続く5回にはランナー2人を置いて中村の三塁打で2点を加え、試合を有利に進めると6回、7回にも追加点。結局17安打16点の猛打で科技学園日立を7回ゴールドで圧倒した。

初回の大量失点後、2番手としてマウンドに上がり、逆転打を放つなど中村が投打に大活躍した。「点数は気にせずに自分のピッチングを心掛けた。ベンチ、スタンドからの応援で気分が楽になり力になった。自分の球種である直球、カーブ、スライダー、チェンジアップを上手く使い分ける事が出来た」と自身の投球を振り返った。

7回裏を抑え、ハイタッチする関川投手と伊藤一塁手

竹内達郎監督は「昨年秋の大会、市内の大会でも5点差を逆転されて投手陣が整備されていないので1年生を抜擢した。大きく変えることが大事だ。投手陣には課題を残したが打撃陣は初回に6点取られて開き直れた。選手は思ってたより焦りはなかった。打線がしっかり繋がった」と話す。

4年振りの声を出しての応援が解除されスタンドには応援団、チアリーダー、ブラスバンドを含む全校生徒が応援に駆けつけ選手に熱い声援を送った。チアリーダーの武田空来さんは「声出して応援出来るのはみんなで盛り上がれて一体感があっていい」と楽しんでいた。

2回戦の相手はAシード、霞ケ浦。13日、J:COMスタジアムでの土浦でご近所対決となる。中村は「自分の持ち味を出して全員で戦い勝つ」と力強く語った。竹内監督は「当たって砕けろでチャレンジャー、挑戦者で向かっていく」という。(高橋浩一)

甲子園で勝つため心血注いだ初のチーム 土浦日大 小菅監督【高校野球展望’23】

3
キャプテンの塚原と打ち合わせを行う土浦日大の小菅勲監督(左)=土浦日大屋内練習場

高校野球県南3強チーム監督インタビューの2回目は土浦日大高校の小菅勲監督。土浦日大は秋の県大会で優勝、春は準優勝し、2季連続で関東大会に出場して安定した強さを誇っている。盤石な左右のエースを有し、下級生から主力を務めたタレントぞろいの今年のチームは、今夏の優勝候補の一角とされる。小菅監督に大会への決意を聞いたところ、例年は「一戦必勝」と控えめな答えだったが、今年は意外な答えが返ってきた。

大勝して狂い生じた

小菅監督

―関東大会を振り返って、所感を教えてください。

小菅 関東大会でベスト4に入る目標を持って臨みました。心身ともに県大会の疲れがあり、あまりいい状態で臨めた大会ではありませんでした。特にメンタル面でモチベーションアップができなかった部分があります。相手の健大高崎(優勝校)に名前負けした雰囲気にならなかったのは良かったと思います。相手が強かったというのが一番の敗因だと思います。相手投手陣を打ちあぐねましたね。どの投手相手にもつなぐバッティングが出来なければ勝ちきれないという経験にもなりました。タイブレークは県大会決勝戦でも経験させていただきましたが、県大会では裏攻撃、関東大会では表攻撃でした。まず経験できたということが良かったと思います。延長10回からのタイブレークは息つく暇もなく試合が急展開します。それを経験できてしのぎ合いをした耐性というか、免疫というか、負けはしましたがこういったところが大きな財産になったかなと思います。

―タイブレークで表攻撃と裏攻撃の2つの敗戦から何か教訓になったことはありますか。

小菅 取れるアウトを確実に取らないと、必ず最後に点数になって跳ね返ってくるということがありありと分かりました。本当に当たり前のことを当たり前にやる。凡事徹底がいかに大事か分かりました。失点は構わないのですが、相手に余計に献上してしまう進塁や点数があったので、6月はそうした部分を徹底的に修正しました。

―春の県大会準々決勝ではプロ注目投手でもあるつくば秀英の五十嵐大晟投手から香取蒼太君が2打席連続ホームランを放つなど、9対1で大勝しましたね。

小菅 大会というのは微妙なものがありまして、まさに「好事魔多し」です。大勝してしまったせいで部員の中でちょっと過信してしまった部分が見られました。実は春はあの試合の後から少しチームの方向性に狂いが生じました。春はまだ後日談にできるので、しっかりとみんなで反省して立て直しました。おそらく部員にもいい教訓になったと思います。

ー準決勝の霞ケ浦戦はいかがでしたか。香取君の犠牲フライの1点で勝ちました。

小菅 霞ケ浦の木村優人投手が非常にいいので10三振をくらってもめげずにやろうと、2度や3度はチャンスが巡ってくるだろうと予想し、3点をもぎ取ろうと臨みましたが、1点を取るのが精一杯でした。本当に良い投球をされましたね。好投手相手には三振したから気持ちが沈むということがないように、バットにかすっただけで喜んでいくように気持ちをつくっていかないといけません。

ー決勝戦を振り返ってどうでしょうか。何が敗因ですか。

小菅 春の大会の常総学院は波に乗っていましたね。実力プラスアルファのものが出ているように見えまして、これは嫌だなという感じがしていました。あの状態の常総とよく戦ったものだと思います。よく1失点で最後まで来てと。ツキもなかったですね。中盤に太刀川幸輝のピッチャーライナーで打線の繋がりが途切れた時にこれはまずいなと思いました。7回の一死三塁の勝ち越しを機に3番の後藤陽人が狙い球を絞れなくて少し泳がされてセカンドライナーになってしまった。太刀川、後藤はうちの主軸ですので打順がどこであっても彼らが決めなくてはならない。敗因は決めきれなかったところですね。

次ページに続く

つくば工科 開幕戦で敗れる【高校野球茨城’23】

1
7回、2塁から生還するつくば工科の横嶋翔太主将

第105回全国高校野球選手権茨城大会が開幕した8日、1回戦1試合がノーブルホームスタジアム水戸で開会式直後に行われた。つくば工科(つくばサイエンス)が登場したが、2ー9で下館一に敗れた。

つくば工科は2回に守備の乱れで失点するも、先発の矢口遼真が5回まで粘り強く投げ、追加点を許さなかった。しかし6回、下館一 横田健留の左中間を破るタイムリー三塁打などで6点のリードを許した。

つくば工科の先発、矢口遼真投手

6回まで下館一先発の海老澤歩夢にノーヒットに抑えられていたつくば工科の打線は、7回に先頭の横嶋翔太がセンター前に初ヒットを放つと、2死一、二塁から岡野修也、秋山昴の連続タイムリーで2点を返す。しかし反撃及ばず、投打で圧倒した下館一に敗退した。

チーム初ヒットを放った主将の横嶋翔太は「自分が長打を狙ってチームを楽にしたかったが、監督からヒットでいいと言われた。がむしゃらに必死になりホームに突っ込んだ」と振り返った。「入学した時から同級生は自分1人で、先輩5人とやってきた」とし、助っ人で大会に参加してくれた同級生、下級生に感謝を述べた。

7回2死一、二塁からレフト前にタイムリーヒットを放ち1点を返すつくば工科の岡野修也

タイムリーを放った岡野修也は「試合前は緊張していたが、先輩が引っ張ってくれて、回が進むごとに緊張がほぐれてきた。苦しい場面だったが、変化球を頭に入れつつストレートを狙った。点が取れて良かった。自分なりにやり切った」と話した。

佐藤将光監督は「5回までエラーがあっても粘ってくれたので選手たちは成長したと思う。3年生1人の横嶋が本当にチームをよく引っ張ってくれた。助っ人部員が参加してくれたお陰でずっと単独チームでできた。横嶋が本当に1人で頑張ってくれた」と健闘をたたえた。(高橋浩一)

高校野球茨城大会が開幕 4年ぶり全89チーム一堂に

10
4年ぶりに出場校全チームが集まって開かれた開会式=8日、ノーブルホームスタジアム水戸

第105回全国高校野球選手権茨城大会が8日開幕し、ノーブルホームスタジアム水戸で開会式が催された。新型コロナが5類感染症になったのを受けて、4年ぶりに96校89チームの選手が勢ぞろいし、開会式に臨んだ。26日まで、甲子園をかけた熱戦が展開される。

午前9時、大洗高校マーチングバンド部「ブルーホークス」の演奏が響き渡る中、昨年の優勝校、明秀日立を先頭に96校89チームの選手が元気よく足並みをそろえて行進した。スタンドからは拍手が響いた。

開会式では県高校野球連盟の榎戸努専務の開会宣言の後、深谷靖会長があいさつし、第101回以来、4年ぶりとなる開会式開催に感謝の言葉を述べた。さらに「甲子園という聖地を仲間と共に目指した経験が、皆を成長させ、生涯忘れることのない思い出になる。選手1人1人のプレーが大勢の人々に元気と勇気を与えてくれることに期待している」と述べた。

選手宣誓する霞ケ浦高校の新保玖和主将

選手宣誓では霞ケ浦高校の新保玖和主将が「好きな野球に打ち込み、技術的にも人間的にも成長してきたことに感謝します。コロナ禍での3年間、思うように練習出来ず、試合の勝敗以上に苦しい思いをしてきた先輩方がたくさんいます。先輩方の思いを背負って、今までやり続けてきた夢を胸に、最後の1球まで全力プレーで全ての人に感動を与える戦いにすることを誓います」と力強く宣誓した。

霞ケ浦高校のプラカードを持って選手を先導した水戸女子高校の増田穂佳さんは「初めての経験でグラウンドから見る景色が広いし歓声に感動した。やって良かった」とうれしそうに微笑んだ。開会式の司会進行を務めた下館一高3年の関向日葵さんと境高校2年の塚田有真さんの2人は「緊張して間違えて噛んでしまって心残りはあるが、やって良かったし人生の良い思い出になった」と話した。(高橋浩一)

プロ注目のエース木村起点に役割分担 霞ケ浦 高橋監督【高校野球展望’23】

7
自校グラウンドでノックを打つ霞ケ浦高校の高橋祐二監督

夏の高校野球県大会が8日開幕した。2019年から始まった県南3強チームの監督インタビューは今年で5回目を迎える。今回も常総学院、土浦日大、霞ケ浦の各監督から熱い話を聞かせてもらった。

1回目は霞ケ浦高校の髙橋祐二監督。霞ケ浦は秋(秋季関東地区高校野球県大会)の準決勝では常磐大高に、春(春季関東地区高校野球県大会)の準決勝では土浦日大に敗れたが、昨夏から3季連続で4強入りを果たしている。プロ注目の木村優人投手を擁してこの夏をいかに戦うのか語ってもらった。

髙橋監督

―毎年恒例のインタビューです。今年もよろしくお願いいたします。まずは春の大会の振り返りをお願いします。準々決勝の岩瀬日大戦は2対1とロースコアになりました。

高橋 春は全体的に打てませんでした。ファーストストライクを振りにいけない、どうしても消極的な場面が目立ちましたので、修正に取り組んできました。岩瀬日大戦は木村以外の2番手以降の仕上がりが課題になることが改めて浮き彫りとなりました。打者との戦いではなく、自分との戦いになってはね。心は熱く、頭は冷静にやっていかなくてはなりませんね。

―準決勝の土浦日大戦は0対1とこれまたローゲームになりました。

高橋 打てませんね。木村が粘って最少失点に抑えてくれたんですが、攻め手を欠きました。夏は修正して臨みたいと思います。

木村は3段階くらいギア上がった

―今年のチームについて紹介をお願いします。

高橋 今年はキャプテンの新保玖和を中心としたまとまりのあるチームです。新保が私と同じ方向に向かって進んでくれて、強烈なキャプテンシー(統率力)で引っ張ってくれています。チームのことを最優先に考えてくれているんですが、少し根(こん)を詰めすぎるところがある。そこはバランスを取りながら、たまには引くことも大事だよと言い聞かせていますね。

ピッチャー陣はエースの木村優人が抜きん出ています。木村以外の投手陣の力量を見極めて起用の仕方を考えていきながら、なるべく木村に負担が掛からないように役割分担できればいいなと思っています。

打撃陣もやはり新保と木村が起点になります。ここに俊足の山崎隼人が絡んでくると面白い展開になるでしょうね。良い働きを期待しています。キャッチャーは何枚かいますので、ピッチャーとの相性を見ながら起用することになると思います。

霞ヶ浦のエース木村

―木村選手はプロ注目投手として名前が上がりますが。

高橋 春は私としても驚くほど木村が成長を見せてくれました。ボールが明らかに強くなったし、3段階くらいギアが上がった感じがします。ただし、これは春だからこそできたことであって、夏の猛暑の中であのピッチングをするのは、いくら木村でも至難の業だと思います。最近メディアでよく取り上げていただいていますが、まだ18歳の高校3年生です。気持ちが浮足立って来ていることが見かけられましたので、そこはギュッと締め直すように、目の前のことに集中して勘違いしないようにと指導していますね。

次ページに続く