月曜日, 5月 29, 2023

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川遊び創出に海洋クラブ助け船 【桜川と共に】4

「最近の子どもたちは川に入ってはいけないと教わる。もっと川で遊んで、桜川の環境に興味を持ってほしい。そして澄んだ桜川を取り戻したい」。桜川漁協の組合員らは、大人が安全を重視するあまりに子どもたちが川から遠ざかっている現状を憂う。そんな中、子どもたちが川で遊ぶ機会を創出しようと、桜川に新しい風が吹き込んできた。 地元NPO、7月から本格的な活動へ 桜川での自然体験活動を先導するのはNPO法人Next One.(ネクストワン、つくば市研究学園)。筑波大学大学院で体育科学を修めた井上真理子さん(39)が代表を務める。桜川漁協の協力を得て今年から「B&G Next One.海洋クラブ」を発足させた。本格的な活動を7月から開始する。月1回、桜川での自然体験を行い、地域の人と交流しながら、環境問題についても学びを深めていく予定だ。 式で挨拶する山本杏さん=桜川漁協(つくば市松塚) 28日には、同クラブの活動拠点となる桜川漁業協同組合(つくば市松塚)でカヌーやライフジャケットなどの舟艇器材配備式が行われた。式では井上さんや器材を提供した公益財団法人B&G財団(東京都港区)の理事長である菅原悟志さんらが挨拶。市内外から訪れたクラブ員の児童ら16人とその保護者ら、つくば市環境保全課や観光推進課の職員も出席し、児童と漁協組合員らがクラブ発足を記念して桜の木2本の植樹を行った。式後は児童らが組合員やネクストワンのスタッフらから手ほどきを受けて釣りやカヌーの体験を行い、桜川の自然を満喫した。

ハクレンが大量死 桜川の田土部堰

死魚 つくば、土浦に流下 つくば市玉取、桜川の田土部堰(たどべぜき)で24日午後4時ごろ、ハクレンが大量死しているのを桜川漁業協同組合理事の松田七郎さんが発見した。ハクレンの死魚は2日後の26日午後時点で、下流のつくば市上野と土浦市田土部に架かるさくら大橋を過ぎた地点まで流れ着いている。桜川を管理する県土浦土木事務所河川整備課(土浦市中高津)によると、死んだのは推定で数千匹。県は、流れ下って河川に点在する死魚全てを回収することは困難だが、死魚が集中している箇所を中心に26日から回収を始めているとしている。 24日、大量死を発見した松田理事は、鈴木清次組合長に連絡した。つくば市松塚の漁協事務所にいた鈴木組合長はすぐに堰に向かい、ハクレンの大量死を確認。午後4時30分ごろに県霞ケ浦北浦水産事務所(土浦市真鍋)に連絡した。 24日、川の水がほとんど無くなった田土部堰下流側で大量死したハクレン(同) 県土浦土木事務所によると、大量死の原因は河川の水位低下によるものと推察するが、詳細は不明としている。

一定期間、定期預金で運用 つくば市旧総合運動公園用地の売却益約42億円

つくば市土地開発公社(理事長・飯野哲雄副市長)が、同市大穂、旧総合運動公園用地約46ヘクタールを昨年グッドマンジャパンつくば特定目的会社に売却して得た利益約41億8000万円を、今年3月から、金融機関の定期預金に預けて運用している。同公社が6月1日開会の6月議会に提案する2022年度事業報告書の中で明らかにした。23年度は計約195万円の利子が付く見込みという。 売却金額110億円のうち、開発公社が市から借りていた約68億円は市に返済。残り約41億8000万円を、JAつくば市谷田部とJAつくば市の1年から5年の複数の定期預金に積み立てた。 市財政課によると、同特定目的会社との間で、10年間の間に土地売買契約上の債務不履行があれば市開発公社が土地を買い戻すという買戻特約登記を行っていることなどから、一定期間、開発公社の方で留保することとし、元本割れしない方法で運用することになった。 運用にあたっては地元金融機関を中心にヒヤリングを実施し、他と比較して高い利息で預けることができる2金融機関の定期預金に積み立てることを決めたという。預ける期間がどれくらいになるかや、将来、約42億円をどのように使うかなどは決まっていないとしている。 同用地は、市原健一前市長が総合運動公園を整備する計画を立て、2014年、市内の4金融機関から融資を受けて、同公社が約66億円で購入した。翌15年、住民投票が行われ、計画が白紙撤回された。16年、五十嵐立青市長は、同用地を「URと返還交渉する」ことを最大公約に掲げて初当選した。 その後、借入金返済に毎年3000万円を超える利息がかかっていたことなどから、つくば市は21年3月から10月まで計3回、開発公社に利息分を含めた計約68億円を無利子で貸し付け、同公社は借入金をすべて返済した。

理学部学生の男女比率差解消へ 筑波大など10大学が共同声明

筑波大学など10大学の理学部が25日、理学部の女子学生の割合が低い状況など、ジェンダーバランスの課題に連携して取り組むことを宣言し、同日声明を発表した。10大学はほかに北海道大、東北大、東京大、東京工業大、名古屋大、京都大、大阪大、広島大、九州大の国立大学法人の理学部。 ジェンダーバランスは、さまざまな分野で男女の格差を解消することを指す。国連は2015年から、持続可能な開発目標(SDGs)の一つとして「ジェンダー平等を実現しよう」を掲げており、性別に関わらず、個性や能力を十分に発揮することができる社会の実現を目指している。 一方、日本の大学理学部の女子学生の割合は低く、内閣府の男女共同参画白書によると2021年度の理学部女子学生の割合は27.8%、大学院博士課程は21.0%と他分野と比べて著しく低い。さらに過去10年間の女子学生の比率はほぼ横ばいだった。こうした状況の中、理学部におけるジェンダーバランスのとれた環境の実現に向けて、10の理学部が声を上げた。 声明は、性別や国籍などに関わらず、学びや研究を安心して進められる理学部をつくるために環境を整備し、学生をサポートして、理学部で学ぶことに対する不安を解消できるよう、大学生活や卒業後のキャリアの情報提供を充実させるなどとしている。 大阪府豊中市でオンラインを交えて記者会見した東京大学理学部長の大越慎一教授は「理学部における女子学部生の割合を高めるには、中高生やその保護者を含めた理学部進学の働き掛けや理学部の魅力を発信することが重要である」などとした。 また、理学部の中でも生物学は女子学生の割合が比較的高いのに対し、物理学や数学といった分野は女子学生の割合が低いことに言及し、「(性差の)無意識の思い込み」があると述べ、解消に向けて取り組む努力をしなければならないと話した。

10月着工、物流倉庫建設へ つくば市旧総合運動公園用地

つくば市土地開発公社が昨年、外資系物流不動産会社グッドマンジャパンの同つくば特定目的会社(東京都渋谷区)に約110億円で売却した同市大穂、旧総合運動公園用地(高エネ研南側未利用地)約46ヘクタールについて、同社が物流倉庫を建設する1期工事を、今年10月1日から2033年9月30日まで実施するとした開発行為許可申請手続きに基づく掲示板が、25日までに現地に掲示された。 掲示板によると、1期工事で建設する物流倉庫の建築面積は約3万6552平方メートル、延床面積は約14万1324平方メートル。建物は鉄骨造り、地上4階建て、高さは30.85メートル、建設棟数は不明。 グッドマンジャパン(東京都千代田区)の広報担当者は具体的な事業計画について「いろいろなプランを想定して検討している最中なので、コメントできない」としている。10年間で順次、建設していく計画だが、実際にどのくらいの期間で建設するかは未定という。住民説明会は近く開催するが、日程は現時点で決まっていないとした。 つくば市が昨年8月に発表した同社の事業計画によると、同社は約46ヘクタールのうち道路予定地を除いた面積の5割にデータセンターを7棟建設、同面積の4割に物流拠点を2棟建設し、全体面積の1割の約4.5ヘクタールにカフェや物販店、防災備蓄倉庫などを備えた防災拠点を整備する計画を市に提案し、4社の中から売却先に選定された(2022年8月30日付)。 売却後の昨年10月から市は都市計画変更手続きを開始し、同用地は今年2月21日、倉庫などが建設できる準工業地域に用途地域が変更されるなどした。(鈴木宏子)

教員を懲戒解雇 筑波大 研究成果を不正使用

筑波大学(つくば市天王台)は24日、同大教員が2021年度に、大学の業務とは関係ないところで、企業と行った共同研究の研究成果を不正に使用する行為を行ったとして、同教員を同日付けで、最も重い懲戒解雇処分にしたと発表した。 教員は、同大の共同研究取扱規程及び共同研究契約書の規定に違反したとする。 同大広報局は、教員の研究分野や共同研究の内容、どのように不正使用したかや発覚の経緯などは、共同研究企業との契約などから明らかにできないとしている。 同大の永田恭介学長は「研究を主導する大学教員がこのような事態を起こしたことは極めて遺憾で、共同研究の相手企業並びに関係者の信頼を損なうこととなり深くお詫びします。事態を真摯に重く受け止め、全学を挙げて再発防止に取り組むと共に、学内における知的財産権のマネジメントの徹底を図り、大学の信頼の維持・向上に努めます」などとするコメントを発表した。