火曜日, 5月 30, 2023
タグ 多機能型事業所

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リソグラフを楽しもう! つくばでワークショップ開催

日本発の印刷技術「リソグラフ」に特化した印刷所、えんすい舎(小林佑生店長)が4月、つくば市天久保にオープンして半年が経った。障害者の就労を支援する多機能型事業所、千年一日珈琲焙煎(コーヒーばいせん)所(大坪茂人代表)が運営する。近年、欧米ではリソグラフの生み出す独特の「味」が人気を呼んで、国内でも再評価されている。20日には、えんすい舎で地域住民を対象としたワークショップが予定されている。店長の小林佑生さん(39)は「リソグラフは人の手が入る部分が大きく、表現の幅広さが特徴。楽しさを皆さんに伝えたい」と参加を呼びかける。 欧米から「逆輸入」再評価される印刷技術 リソグラフは、家庭用の簡易印刷機「プリントゴッコ」を手掛けた理想化学工業(本社・東京)が1980年に開発した事務用印刷機で、国内では主に学校などで、それまでのガリ版印刷に置き換わり普及した。 画像を読み取り複製するコピー機やインクジェット印刷とは違い、データ化した図案を色ごとに分けて版を作り、一色ずつ色を重ねていくのが特徴だ。 小林さんによれば「版画のイメージ。色が多いと印刷時のズレやカスレも出る。それを目視で調整するのも面白い」そう。「使える用紙も幅広い。和紙など薄いものから厚紙など、他のプリンターでは使えない紙が使用できる。濃度と色の重なり具合、用紙との相性、この広い選択肢がリソグラフの奥深さ。ものを作る感覚がより強い」 日本で生まれた印刷技術を表現手段と捉えたのが欧米のアーティストたちだ。リソグラフによるアートブックや雑誌、音楽家のフライヤー(チラシ)など、その特性が広く活用されるようになる。日本でも2000年以降、各地に専門の印刷所ができはじめ、今年10月に東京都現代美術館で開かれた、国内外の芸術家や出版社による「TOKYO...

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異星人と犬 《短いおはなし》15

【ノベル・伊東葎花】若い女が、ベンチで水を飲んでいる。傍らには、やや大きめの犬がいる。「犬の散歩」という行為の途中で、のどを潤しているのだ。なかなかの美人だ。身なりもいい。服もシューズも高級品だ。彼女に決めるか。いやしかし、犬が気になる。動物は敏感だ。余計なことを感じ取ってしまうかもしれない。 私は、遠い星から来た。今はまだ体を持たない。水のような流体だ。ターゲットを探している。性別はどちらでもいいが、女の方に興味がある。すっと入り込み脳を支配して、地球人に成りすますのだ。そして我々の星にとって有益なデータを持ち帰ることが目的だ。誰でもいいわけではない。容姿は重要。生活水準も高い方がいい。あの女は、大企業に勤めている。申し分ない。犬さえいなければ。 私には時間がない。地球時間で5時間以内に入り込まないと、気体になって宇宙に戻ってしまうのだ。意を決して、女に近づいた。耳の穴から入り込む。一瞬で終わる。一気に飛び込もうとジャンプした私の前に、犬が突然現れて大きくほえた。 しまった。犬の中に入ってしまった。 「ジョン、急にほえてどうしたの?」女が、私の頭をなでている。どうしたものか。地球人については学習してきたが、犬についてはまったくの無知だ。逃げようと思ったが、首からひも状のものでつながれている。とりあえず、犬になりきって様子を見よう。そしてチャンスを狙って女の方に移るのだ。立ち上がって歩き出した私を見て、女が目を丸くした。「ジョン、2足歩行が出来るの? すごいわ。ちょっと待って、動画撮るから」しまった。犬は4本足だった。 それから私は「人間みたいな犬」として、ユーチューバー犬になった。ソファーでテレビを見たり、フォークを使って食事をするところをネットでさらされた。想定外だが、女と同じベッドで寝られることだけは、まあよかった。女は優しくて、いつも私をなでてくれた。「いい子ね」と褒めてくれた。女が眠っている間に、犬の体から女の体に移動することは易しい。しかし女の無防備な寝顔を見ると、なぜか躊躇(ちゅうちょ)してしまうのだ。

11カ国の出演者決まり制作発表 「世界のつくばで子守唄」コンサート

歌のコンサート「世界のつくばで子守唄 海のシルクロードツアー2023制作発表会」が28日、ホテル日航つくば(つくば市吾妻)ロビーで行われた。同市在住の脚本家、冠木新市さんの企画・プロデュースで、7月1日に開かれる。11カ国、15曲の子守歌をそれぞれの国や地域の出身者、約40人が歌や舞踊で披露し、コンサート後は各地域の交流会を行うという。 中国語の歌「祈り」を歌う劉暁紅さんと伴奏する大川晴加さん=同 制作発表会はコンサート会場となる同ホテルの「ジュピターの間」前で行われた。大川晴加さんのピアノ伴奏に合わせ、中国出身の劉暁紅(リュウ・ギョウコウ)さんが中国の歌「祈り」を歌い、披露した。「祈り」は日本の「竹田の子守歌」と同じ曲調で、中国だけでなくミャンマーでもよく知られる曲だという。演奏後はバングラデシュ出身のアナミカ・スルタナさんや台湾出身の潘頤萱(ハン・イガン)さんら出演者たちがそれぞれ自己紹介し、挨拶した。 挨拶する出演者の潘頤萱さん=同 つくば市在住で外国人サポートの仕事をしているアナミカさんは、コンサートで「アイアイチャンドママ」(日本語訳「来て、来て、ムーンおじさん」)という歌を披露する。この歌はアナミカさんが子どもの頃に母親から聞いた歌で、アナミカさんの母親も子どもの頃に聞き、代々伝わってきたという。「どのくらい古くから歌われているか分からない。子どもがよく眠ることを願う歌。バングラ語(ベンガル語)で歌います」と話す。

川遊び創出に海洋クラブ助け船 【桜川と共に】4

「最近の子どもたちは川に入ってはいけないと教わる。もっと川で遊んで、桜川の環境に興味を持ってほしい。そして澄んだ桜川を取り戻したい」。桜川漁協の組合員らは、大人が安全を重視するあまりに子どもたちが川から遠ざかっている現状を憂う。そんな中、子どもたちが川で遊ぶ機会を創出しようと、桜川に新しい風が吹き込んできた。 地元NPO、7月から本格的な活動へ 桜川での自然体験活動を先導するのはNPO法人Next One.(ネクストワン、つくば市研究学園)。筑波大学大学院で体育科学を修めた井上真理子さん(39)が代表を務める。桜川漁協の協力を得て今年から「B&G Next One.海洋クラブ」を発足させた。本格的な活動を7月から開始する。月1回、桜川での自然体験を行い、地域の人と交流しながら、環境問題についても学びを深めていく予定だ。 式で挨拶する山本杏さん=桜川漁協(つくば市松塚) 28日には、同クラブの活動拠点となる桜川漁業協同組合(つくば市松塚)でカヌーやライフジャケットなどの舟艇器材配備式が行われた。式では井上さんや器材を提供した公益財団法人B&G財団(東京都港区)の理事長である菅原悟志さんらが挨拶。市内外から訪れたクラブ員の児童ら16人とその保護者ら、つくば市環境保全課や観光推進課の職員も出席し、児童と漁協組合員らがクラブ発足を記念して桜の木2本の植樹を行った。式後は児童らが組合員やネクストワンのスタッフらから手ほどきを受けて釣りやカヌーの体験を行い、桜川の自然を満喫した。

土浦市立博物館が郷土史論争を拒絶!《吾妻カガミ》158

【コラム・坂本栄】土浦市立博物館と市内の郷土史研究者の間で論争が起きています。争点は筑波山系にある市北部(旧新治村の一角)が中世どう呼ばれていたかなどですが、博物館は自説を曲げない相手の主張に閉口し、この研究者に論争拒絶を通告しました。アカデミックディスピュート(学術論争)を挑む市民をクレーマー(苦情を言う人)と混同するかのような対応ではないでしょうか。 「山の荘」の呼称はいつから? 博物館(糸賀茂男館長)と論争しているのは、藤沢(旧新治村)に住む本堂清さん(元土浦市職員)。社会教育センターの所長などを務め、退職後は市文化財審議委員、茨城県郷土文化振興財団理事も歴任した歴史通です。「山の荘物語」(私家版)、「土浦町内ものがたり」(常陽新聞社)、「にいはり物語」(にいはりの昔を知り今に活かす会)などの著作もあります。 争点はいくつかありますが、主なものは現在東城寺や日枝神社がある地域の呼び方についてです。本堂さんは、同地域は古くから「山の荘」と呼ばれていたと主張。博物館は、同地域は「方穂荘(かたほのしょう=現つくば市玉取・大曽根辺りが中心部)」に含まれ、中世室町時代以前の古文書に「山の荘」の記載はないと主張。この論争が2020年12月から続いています。 博物館によると、この間、本堂さんは博物館を11回も訪れ、館長や学芸員に自分の主張を展開したそうです。そして、文書による回答を要求されたため、博物館は「これ以上の説明は同じことの繰り返しになる」と判断。これまでの見解をA4判3枚の回答書(2023年1月30日付)にまとめ、最後のパラグラフで論争の打ち切りを伝えました。 その末尾には「以上の内容をもちまして、博物館としての最終的な回答とさせていただきます。本件に関して、これ以上のご質問はご容赦ください。本件につきまして、今後は口頭・文書などのいかなる形式においても、博物館は一切回答致しませんので予めご承知おきください」と書かれています。博物館は市民との論争に疲れ果てたようです。