木曜日, 3月 30, 2023
タグ パンデミック

Tag: パンデミック

《雑記録》10 コロナ危機と人間の安全保障

【コラム・瀧田薫】WHO(世界保健機構)が新型コロナウィルスのパンデミック(世界的流行)を宣言した。危機の核心は「感染が何処まで広がるか、どれほど深刻か、そしていつまで続くか」にあるが、フィナンシャルタイムス紙が最悪の場合を想定(2020年3月20日付)している。すなわち、世界人口の最大80%が感染すると予測し、致死率を1%とした上で、対応策(隔離、治療薬やワクチン)の効果を折り込み、死者3000万人程度になると予想している。 この数字をどれだけ減らせるかは、「時間との勝負」ということだろう。しかし、公衆衛生の専門家の間に、パンデミック終息時について確たる見通しはないようだ。東京オリンピックは1年程度の延期とされたが、これは「希望的観測」に基づく判断であろう。 それにしても、この国の防災システムと政府の危機管理はお粗末だ。グローバリゼーションのもたらすパンデミックの危機を何度も指摘されながら、対応策は閑却された。その結果、難民はもとより、外国人観光客まで国外排除の対象と成り果て、観光立国政策はほとんど破綻状態にある。当面、ウィルスとの闘いに集中するにしても、それと並行して、この国の防災そして危機管理の抜本的な見直しが必要であろう。 ちなみに、1994年、国連開発計画(UNDP)が「人間の安全保障」の理念を提示している。この理念の狙いは、グローバリゼーションに伴って登場してきた21世紀型の危機(難民、テロ、地域紛争、武器や薬物の密輸、飢餓、経済・金融危機、環境破壊、感染症など)に対処するため、国家中心の安全保障という従来の枠組みを見直すことにあった。 中村哲氏と緒方貞子氏の実践 意外なことに、当時、この国の政府は他国に先駆けて、この理念の具体化に動いている。1998年、小渕首相が「人間の安全保障基金」を立ち上げ、2000年、森首相がこの理念を外交政策の柱の一つに位置づけている。何はともあれ、この原点に一度立ち返ってみるべきだろう。そして、原点から約20年が経過した今、「人間の安全保障」の理念がこの国においてどこまで実現されたのか検証する必要がある。

Most Read

音楽家たちに発表の場を つくばのカフェで演奏会

カフェやレストランなどを使って音楽家が発表する場をつくりたいと、つくば市内で飲食店を経営する飯泉智弥さん(49)が音頭をとり、同市竹園の商業施設、ヨークベニマルタウン内のエヌズ カフェ(N's Café)で20日、家族連れや関係者を招いたミニコンサートが開かれた。 飯泉さんは2017年に、小学1年生から大学生までの「筑波ジュニアオーケストラ」の立ち上げに尽力した(2017年10月27日)。21年にはつくば駅前の商業施設トナリエつくばスクエア・クレオに地元の音楽愛好家たちのためストリートピアノ「つくぴあ」を設置した。 その後、ストリートピアノの利用者たちの間から、定期的な音楽会をやってみようという声が上がったという。 飯泉さんは、どんな形で開催できるか、まずは試しにやってみようと、自らがオーナーとなっているカフェをプレ・イベントの開催会場とした。 店内のどの場所で演奏するか探りながら、当日はカフェの中央にステージを作った。来店客は、テーブルに座って食事をしながら音楽を聞く形になった。

3回目の桜《短いおはなし》13

【ノベル・伊東葎花】 早春の公園。青空に映える満開の桜。 私は公園のベンチに座って、砂遊びをする息子を見ていた。 「見事に咲きましたなあ」 隣に座る老人が話しかけてきた。 老人は、息子を見ながら言った。

数センチの隆起や沈下を面で可視化 「地殻変動の地図」公開

国土地理院 人工衛星データを解析 国土地理院(つくば市北郷)は28日、日本全国の大地の動きを可視化する「地殻変動の地図」を公開した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用する陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の観測データ8年分を用いて作成された変動分布図で、地形のわずかな隆起や沈下を彩色によって分かりやすくとらえられるようにした。 公開された全国地殻変動分布図は「地理院地図/GSI Maps」により一般にも簡単にアクセスし閲覧できる。 地殻変動分布は「だいち2号」の合成開口レーダー、SAR(Synthetic Aperture Radar)技術によって得られた。人工衛星から地表に向けて電波を照射し、戻ってきた電波を受信し、往復にかかる時間により地表までの距離を面的に観測するセンサーの一種。人工衛星では、地球を周回しながら同一地点に異なる方向から電波を2回、照射し観測することで、大きな開口を持ったアンテナと同様な解像度を得る。 微小な地形の変化を正確に読み取るには、統計的処理のために大量のデータが求められた。2014年8月から8年以上の観測データを得て、時系列解析を行った。国土地理院宇宙測地課、佐藤雄大課長によれば、衛星からの撮影は約1500回に及び、画像枚数にして6400枚のデータを得たという。

仕様書不備で落札決定取り消し つくば市

つくば市が3日に開札を実施した同市佐地区と上菅間地区2カ所にある生活排水路浄化施設の維持管理業務の一般競争入札で、同市は28日、業務委託の仕様書の中で、汚泥の処分方法を「産業廃棄物として処分する」など明記すべきところを明記していなかったとして、落札者の決定を取り消し、入札を不調にしたと発表した。 市環境保全課によると業務委託の内容は、2カ所の浄化施設を今年4月から来年3月までの1年間、維持管理点検し、汚泥を清掃し処理するなどの業務で、2月10日に一般競争入札が告示された。予定価格は約276万円で、3者が入札に参加。今月3日に開札が行われ、落札業者が決定していたが、28日までに仕様書の記載内容に不備が確認されたとして、落札者の決定を取り消す。 今後の対応について同課は、入札業者に事情を説明すると共に、4月以降の業務について、数カ月間は随意契約とし、その間に入札の準備を進めて、改めて入札を実施するとしている。 再発防止策として、仕様書を作成する際は複数名により記載内容の確認を徹底し、適正な仕様書を作成することで再発防止に努めますとしている。