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石川多依子
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「モノクロ語り・新川」 石川多依子さん 10月8日から土浦で写真展
2024年9月30日
土浦市在住の写真家、石川多依子さんの写真展「モノクロ語り・新川」が、土浦駅前の土浦市民ギャラリーで10月8日から開催される。新川は同市の市街地を流れる。2004年からフィルムカメラやデジタルカメラで撮り続けた新川の、上流から河口までのさまざまな表情を厳選し、57枚のモノクロプリントで展示する。 カメラと共に、時代を下り川下り 新川は、同市虫掛と田中町の間を流れる用水路の合流点を起点とし、真鍋や立田町、城北町、東崎町などを通り、霞ケ浦に注ぐ全長3.4キロの1級河川。土浦の街を散歩しながら撮り歩いている石川さんの、大きな撮影テーマの一つでもある。石川さんは2020年に「新川の今昔」という手記を書いている。 手記をもとに川筋をたどると、上流の消防署前の通りを過ぎたところの田中橋から、6号国道を渡る真鍋橋までの間には、2つの木橋がある。近くに旧・常陽新聞の社屋があった5号橋(通称・常陽橋)と、土浦二高前に架かる立田橋だ。「どちらも現在は橋脚部分が鉄骨ですが、以前は橋から橋脚まで全て木製だったので、とてもひなびた風情があった」と石川さん。5号橋は2018年に欄干が倒れ、しばらく通行できなかったが、昨年ようやくヒノキ材で再建された。立田橋の方はスギ材なので、ちょっと表情が異なるという。 真鍋橋の先は、旧水戸街道・真鍋宿通りに架かる新川橋、つくば国際大学高校前の新地橋へ続く。「道路や川に垂れ下がっていた多くの桜の枝が大胆に切られてしまい、景観は悪くなったが、それでも土浦で新川と言えば、桜の名所に変わりはない。高校生が行うプロジェクトにより、桜並木の下に菜の花の咲く範囲が年毎に広がっており、手漕ぎ舟や貸しボートなども見られるようになった」 城北橋を過ぎると川は少し左へカーブし、川幅を広げながら、ケーズデンキのある国体道路に架かる神天橋へ。ここからは真っ直ぐな流れとなって水門へ向かう。「マンション・ホーユーパレスの対岸には、当時は何艘(そう)もの舟がつながれ、地面には雑然と多くの漁用の網が置かれていた。早朝老人が舟を漕ぎだす光景が思い出される」 常磐線の鉄橋をくぐると、駅東の大通りに架かる天王橋。この手前から新港橋までの南岸には、かつて船溜まりがあった。「当時、停泊した幾艘もの舟や漁に使う網が干される光景があったが、今ではすっかりその姿を消し、現在では新川での漁は消滅したと思われる。河口先端では、鎮座する水神宮の鳥居が極端に傾いていた」 この鳥居は今では完全に倒れ、夏草に覆われたまま。歳月の流れを感じさせたという。(池田充雄) ◆「石川多依子写真展 モノクロ語り・新川」は10月8日(火)~14日(月・祝)、土浦市大和町1-1アルカス土浦1階、土浦市民ギャラリーで開催。開館時間は午前10時~午後5時。初日は午後1時から、最終日は午後4時まで。入場無料、駐車料金は2時間無料(駐車券を事務室に提示)。問い合わせは電話029-846-2950(ギャラリー事務室)へ。 ➡石川多依子さんの過去記事はこちら
散策から出会う土浦・路地裏物語 石川多依子さん モノクロ写真展
2022年9月14日
土浦市在住の写真家、石川多依子さんの写真展「モノクロ語り・土浦」が13日から、同市大和町の土浦市民ギャラリーで開催されている。2007年から現在までの約15年間、街の変遷を撮り続けた写真の中から、57枚を厳選して展示している。 街角での気付きが源泉 昨年1月、大町の通りに昔からある茶舗で、午前中の暖かい日差しに包まれて店番をする、1人と1匹の姿を収めた作品が展示されている。「若いころから知っている人で、懐かしいと思って話し掛けて撮らせてもらった。おじさんが優しい目で猫を見ていて、猫はどーんと構えている。その関係がいい」と石川さん。 2015年2月の厳寒の日、当時はまだアーケードがあった中央大通り商店街で、うつむき加減で歩いていた女性を振り向きざまに撮った作品もある。「すごく寒そうな感じで、マフラーの流れ方や手にしたビニール袋も雰囲気がある。駅へ向かうバスもちょうど来て、いい感じに撮れた」 生活の臭いがする写真 「人がいない風景ではなく、ちょっとでも人が入っている、生活の臭いがする写真が撮りたい」と石川さんは言う。はしごを使って物干し台へ登る主婦や、道端で遊ぶ子どもの姿などもある。ほんの少し前まで身近に見られた光景だ。「こういう写真にはモノクロの方が似合う。見ていても物語性があり、想像力が働く気がする」 今展に向けて、写真をプリントしながら思ったのは、やっぱり土浦は古い街だなということ。駅の周辺や表通り沿いなどは再開発が進んだが、一歩奥へ入ると路地や裏町が残っており、そうガラッとは変わっていない。ただそれでも、少し前まであった塀がなくなったり、家が空き地になっていたりなど、歩く度に小さな変化がそこかしこで見られるという。 タイの少数民族など撮影 石川さんは1945年水戸市生まれ。中学2年のとき父から一眼レフをもらい、写真の撮り方を教わった。高校3年で県美術展に初入選。大学入学から就職、結婚を経て一時写真から離れたが、40歳のころ家族と共に両親の住む土浦に戻り、再び精力的に撮り始めた。 インドや中東の国々を巡ったほか、タイでは少数民族の子どもたちと出会い、2000年にチェンライ市で教育支援活動をするNGO「さくらプロジェクト」に参加。北部山岳地帯の暮らしや、民族衣装の美しさなどを、現地に滞在しながらカメラに収めてきた。写真は都内のギャラリーや、水戸の常陽芸文センターでの個展などで発表。京都写真美術館のサイトでは、エチオピアで撮影した「サバンナの民・ボラナ」が公開されている。 歩いて初めて目が向く こうした活動の合い間を縫って、07年ごろから土浦の街を撮り歩くようになった。「車では通ることがなかった路地や裏町の面白さに、歩くようになって初めて気付いた。しかもカメラを下げていると、普段は素通りしていたところにもあちこち目が向く。古い家屋のたたずまいや、当たり前の日々を営む人たちの姿に、懐かしさや温かみを感じてきた」 コロナ禍以降は、健康のためという目的も加わった。「何もしないでいると家に閉じこもりきりになってしまう。自分の中では遊びの写真だが、この辺で一度まとめてもいいかなと思った」と開催意図。15年余りの移りゆく街の姿が、ほぼ撮影年代順に並んでいる。(池田充雄) ◆石川多依子写真展「モノクロ語り・土浦」は13日(火)から19日(月・祝)まで、土浦市大和町1-1アルカス土浦1階 土浦市民ギャラリーで開催。入場無料。開館時間は午前10時~午後5時(最終日は午後4時まで)。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー事務室)
土浦の街をモノクロ写真で表現 市民ギャラリーが企画展
2024年1月16日
土浦の歴史ある街並みや変化、そこで生活する人々の日常を、モノクロ写真で表現した写真展「ツチウラ・モノクローム」が16日から、土浦駅前の同市大和町、土浦市民ギャラリーで始まった。同ギャラリーが主催する。 展示してあるのは、市内で活動する写真愛好家や愛好団体のメンバーが1993年から2023年までの約30年間に撮影した203点で、複合商業施設として土浦駅前に開業した1997年当時のウララビル(現市役所)、かつて桜町にあった銭湯「松の湯」、江戸後期や明治の建物が残る中城通りに面した改修前の県指定文化財「旧矢口家住宅」、霞ケ浦湖岸周辺に広がるハス田、新治地区の石仏など。 時間の流れとともに変化していく街並みを、土浦駅前を中心にモノクロ写真で改めて振り返るという内容で、色彩が排除されていることで、対象の質感や存在感、光がより鮮明に表現されている。 開催にあたっては、テーマ別にモノクロ作品を公募し、応募があった60代から70代の12人の作品が展示してある。12人は、石川多依子さん、岡本紀明さん、佐々木隆さん、関郷さん、高木紀英さん、高畑徹伸さん、多田明美さん、茅根英二さん、塚本留蔵さん、松延洋子さん、吉田宣好さん、吉原世都子さん。作品は1人2点から57点まであり、最も多い57点を出展した石川多依子さんは市内で個展を開催したこともある。 作品の大きさは、A3や半切(35.6×43.2センチ)で、個々人でフレームを作り出品していることから多少ばらつきもある。デジタルカメラを使いモノクロモードで撮影した作品のほか、カラー写真をモノクロにした作品などもあるという。 同市民ギャラリー主任の若田部哲さんは「モノクロ写真は構図が大事で、一瞬の光を切り取るという写真の原点がある。現代はスマートフォンなどで誰でも写真を撮れる時代なので、気軽に白黒写真に挑戦してほしい。個性的でアートっぽい写真が撮れると思う」と話す。(榎田智司) ◆同展は2月12日(月)まで、土浦市大和町1-1、アルカス土浦(市立図書館)1階、土浦市民ギャラリーで開催。入場無料。開館時間は午前10時~午後6時。月曜など休館。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー)へ。
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