【コラム・入沢弘子】新土浦市立図書館は9月30日に来館者50万人を達成しました。昨年11月27日に移転開館以来273日目です。50万人目の土浦市在住の親子には「土浦ブランド認定」のれんこんとグラジオラスを贈呈しました。
当館は94年の間に3度の移転をしましたが、過去の立地場所はいずれも土浦城跡・亀城公園に近い、市民に親しまれている場所でした。今回の移転先は中心市街地活性化の使命を負い、約2キロ離れた駅前でしたので、不安がありましたが、多くの方に来館いただけるようになりひと安心です。
来館者からは「本当にいい図書館だねぇ」と、よく声をかけられます。「お気に召していただけましたか?」とお聞きすると「イメージが変わったねぇ。来やすいよね」「霞ケ浦のコーナーよく出来てるよ。やっぱり土浦はいいね」「本を読まないけど来ちゃったよ。結構知り合いと会うんでね」「ランチマップもらって行ってみましたよ。館長さん全部のお店で食べたんだって?」などの声が聞かれます。
50万人目の小学3年生のお子さんにも感想を聞いてみたところ、「図書館の人が読みたい本のこと教えてくれるからいい」「とてもいい気分になれて大好き!」と話してくれました。
職員とのコミュニケーション
私も土浦に住んでいた小学生時代、図書館が大好きでした。当時は今の博物館の場所で、記者クラブも入居していたため、新聞記者の父と毎日通っていました。司書の女性は「今度はこれなんかどう?」と本を勧めてくれました。その時の1冊は今でも時々読み返します。
蔵書やサービスの充実はもちろんのことですが、土浦の図書館は本を通じて地元への愛着や誇りを感じてもらえること、市民の交流が生まれる場所であることはもちろん、職員とのコミュニケーションを通じて「図書館が大好き」という思い出を残してもらえることも大切にしていきたいと思います。
市民の皆さんにいつまでも愛される図書館づくりは、これからも続きます。(土浦市立図書館館長)