【鈴木宏子】土浦の名所や風物を歌った昭和初期の新民謡「土浦音頭」を街中に響かせたいと、七夕の7日、同市の中心市街地7カ所で「粋な七夕まつり」が催される。土浦の歴史や文化を掘り起こしまちおこしをする演劇公演「桜川芸者学校」の出演者らが、当時、土浦で一番人気だった芸者、君香の物語を展開しながら、街頭7カ所で土浦音頭を舞い踊る。
正午ごろ土浦駅前をスタート、中心市街地を下り、土浦音頭に歌われた土浦城(亀城公園)に向かう。7カ所は▽土浦市役所うらら大屋根広場(正午ごろ)▽アルカス土浦1階入り口(午後0時30分ごろ)▽古書店「つちうら古書倶楽部」店内(1時ごろ)▽モール505野外ステージ(1時30分ごろ)▽土浦名店街(2時ごろ)▽古民家カフェ「城藤茶店」店内(3時30分ごろ)▽亀城プラザ前(4時ごろ)と市立博物館前(4時30分ごろ)。
つくば市の脚本家、冠木新市さん(66)が代表を務めるまちおこし団体「スマイルアップ推進委員会」が主催する。冠木さんらは2016年、土浦音頭を掘り起こし、亀城公園前の古民家カフェ、城藤茶店(同市中央)で土浦音頭をテーマにした演劇公演を開催し、新たな踊りで復活させた。
今年5月、土浦音頭がCD「日本の名城を唄う」(日本コロムビア発売、税込2500円)に収録され発売された(https://newstsukuba.jp/?p=6423)のをきっかけに、もともとあった中心市街地7カ所で公演する構想を実現させる。
土浦音頭は昭和初期に、土浦芸者組合の関係者らが、下妻市出身の詩人、横瀬夜雨に作詞を依頼して制作した。当時の名妓、君香がSPレコードに歌を吹き込み、東京の三越や松坂屋ホールなどで踊ったとされる。君香はその後突然、芸者を引退し、土浦でワカサギを売り歩いたり、東京に闇物資を運ぶ担ぎ屋となって働き、1943年結核で死去した。7カ所の街頭公演では、君香の人生の断片が少しずつ明かされるという。
冠木さんは「これをきっかけに、駅前だけでなく土浦の中心市街地に人の流れができれば」と話す。
◆7日(土)の街頭公演はいずれも観覧無料。雨天決行。詳しくは電話090-5579-5726(冠木さん)。