【コラム・荻生奈苗】つくば市社会福祉協議会は2020年度より、生活支援体制整備事業を市から受託し、地域住民の皆さんと「支えあいの地域づくり」を進めています。市内7圏域に一人ずつ「生活支援コーディネーター」が配置され、「地域支えあい会議(第2層協議体)」の場などを活用しながら、それぞれの地域の状況に合った支え合いの仕組みづくりを行っています。
私は谷田部東圏域担当の生活支援コーディネーターとして、研究学園(けんがく)地区の皆さんと一緒に地域づくりを進めています。
地区の皆さんと関わるきっかけとなったのは、21年7月に発行された広報紙「ひろば」(現在は休刊中)の20回記念号でした。このとき、けんがく地区で活動している複数の団体の紹介がされていました。まだ地域としては歴史の浅い地区でしたが、「地域のことを考え、活動している方がこんなにたくさんいるなんて!」と感銘を受けたのを覚えています。
そして、この方たちがつながり、話をする機会をつくっていけたら素敵だなあと考え、「活動団体同士の交流会をやってみませんか?」と提案したのが始まりでした。
21年の12月、第1回目の交流会が行われました。その中では、各団体が共通して直面している課題が明らかになりました。活動費、活動場所、広報、後継者(担い手)の四つです。交流会の中で、課題を乗り越えるためにどうすればいいかについて意見を出し合うことで、問題の解決に向けて歩みを進めています。交流会も、これまでに9回開催されました(2025年2月現在)。
地域の課題解決に取り組む
また交流会では、課題だけではなく、地域をよくするためのアイデアもたくさん飛び交い、22年から「さくらまつり」「ハロウィン」などのイベントがスタートしました。これらの活動の理念に賛同する個人や団体の方が取り組みに参加・協力してくれるケースも徐々に増えてきており、地域づくりの輪が広がっていると感じています。
上記の取り組みに、生活支援コーディネーターである私も一緒に活動を進めてきました。地域のために力になれればと思っていた私でしたが、皆さんの地域に対する熱い思いに触れ、逆に元気をもらっています。
けんがく地区は、若い世代を中心に人口が増え続けています。その中で、様々な問題が生まれてくることも予想されますが、地域の未来を考え、取り組む方々が集まり、話し合い、一緒に考える場があることで、課題の解決にも前向きに取り組んでいけると思います。
今後も、地域の皆さんの「こんな地域になったらいいな」「こんなことを皆でできたらいいな」の声をサポートしていきたいと思います。(市社会福祉協議会 生活支援コーディネーター)