土曜日, 2月 22, 2025
ホームコラム古民家を活用した「家貨屋」《ご飯は世界を救う》66

古民家を活用した「家貨屋」《ご飯は世界を救う》66

【コラム・川浪せつ子】つくば市周辺には古民家がけっこう残っています。ですが、古民家をそのままの状態で保存するのは大変です。そのため、店舗として付加価値をつけて保存していることも多いようです。役所などの公共機関で色々と活用されていることも…。

今回の「家貨屋(かかや)」は「ルーラル吉瀬」自然村(つくば市吉瀬)の「つくば文化郷」(国登録有形文化財)として利用されています。「つくば文化郷」の敷地はかつての農家。敷地内には色々な建物が配置されています。昔の農作業所、長屋門、蔵、母屋、離れなどが現存しています。

その中の主屋は「家貨屋」という名で、火曜から日曜は古道具販売、金曜はフランス料理、土曜はネパール料理を提供しています。また、「軒下市」としてイベントを開いたり、焼き菓子や野菜などを販売しています。

フランス料理の塩味ケーキ

今回は、フランス料理のサーモンとベーコンの「ケークサクレ」を食しました。ケークサクレとは甘くない惣菜系のパウンドケーキです。フランス語では「塩味のケーキ」という意味だそうです。初体験でしたが、気に入りました。

「つくば文化郷」には、長屋門横に「レンタルギャラリー・長屋門」「古民家カフェ・まめは」などもあり、レトロ感をたっぷり味わえます。

古民家とフランス料理はミスマッチィングとも思いましたが、ケークサクレはフランスの家庭料理のひとつで、お母さんたちが大切に守ってきたお味です。長屋門とその横の大きな樹木。落葉の時期、建物同様、年月と哀愁感を絵に入れたくて、夕焼けにしてみました。(イラストレーター)

つくば文化郷の長屋門

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