日曜日, 9月 29, 2024
ホームつくば野党共闘見直しへ 共産新人の間宮氏が立候補表明【衆院茨城6区】

野党共闘見直しへ 共産新人の間宮氏が立候補表明【衆院茨城6区】

次期衆院選 茨城6区(つくば、土浦市など6市区)に、共産党新人で元つくばみらい市議の間宮美知子氏(77)が26日記者会見し立候補を表明した。6区には前回2021年の衆院選小選挙区で当選した自民現職の国光あやの氏(45)、比例で復活当選した立憲県連代表の青山大人氏(45)が立候補する予定で、間宮氏は3人目となる。共産党は前回、6区で候補者擁立を見送り青山氏を応援していた。野党共闘の見直しにより、対決の構図が変わりそうだ。

共産党県委員会の上野高志委員長は「野党共闘の原点は、2015年9月の安保法制成立後、市民から起こった『市民と野党の共闘を』という願いからで、安保法制の廃止が原点」だとし「立憲民主党は(党首などで)この間、安保法制はすぐには廃止できない、政権を共産党と一緒に担うことはできない、自民党を右から支える維新との協力にも言及するなど、市民と野党の共闘に背を向けている」とし、今回は県内全7選挙区で立候補者の擁立を検討しているとした。前回擁立したのは4区と5区のみだった。

上野委員長はその上で①消費税を5%に減税、最低賃金を時給1500円以上、労働時間を1日7時間に短縮するなど物価高から暮らしと経済を立て直す②百里基地(小美玉市)が300~500億円の予算で基地強靭化を図る対象となり、同基地で米、豪、英、仏など外国の軍隊と共同訓練が行われているなど、大軍拡に反対し、戦争準備ではなく外交により平和を構築するーなどを訴え、比例区での議席増を軸に、県内の得票目標を12万6000票とするとした。

間宮氏は「岸田首相は政権を投げ出したが、これまで(裏金問題など)岸田政権の追及をしてきたのが(党機関紙の)『しんぶん赤旗』。正義を守る、不正を許さないという考えの下でやってきた。市議をやった中で、議員として意見表明をすることは大事だと思った。自民党政権は軍拡に走り、労働者を切り捨て、自分たちだけもうけて、懐にお金を入れている。この仕組みは間違っている」などと述べ、①学費無償化を目指し、大学の入学金を廃止する②価格保障や所得補償の充実など農業者が安定して生産を続けられる条件を整える➂年金削減の中止など社会保障と教育の拡充―などを訴えたいと話した。

間宮氏は東京都立大学卒、都内の中学校と茨城県内の養護学校で教員を務めた後、JICAのシニアボランティアとして中米3カ国で計8年間、自閉症児の教育普及に当たった。2020年からはつくばみらい市議を1期務めた。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

5 コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

5 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img
spot_img

最近のコメント

最新記事

「聴こえるハザードマップ」土浦市が公開 視覚障害者や高齢者にも届く情報を 

土浦市が今月12日から、音声で伝える「聴こえるハザードマップ」を、市の公式YouTubeチャンネルで公開している。これまでは、被災想定区域や避難場所などを活字や地図などで示したハザードマップを印刷物や市ホームページで公開していた。今回、障害者や高齢者など目が不自由な人にも届くようにと、市として初めて、音声で情報を得られるハザードマップを作った。 市防災危機管理課は「ここ数年、各地で水害による被害が増えている。8本の河川と霞ケ浦がある土浦市でも、多くの方にハザードマップの内容を周知し、防災につなげたいという思いで作成した」と語る。 聴こえるハザードマップは、水害や土砂災害が発生した際に想定される被災想定区域の地区名、市内各地の避難場所や避難手順、緊急時に情報を入手できる情報発信元などを音声で発信している。「洪水ハザードマップ」と「土砂災害ハザードマップ」の2種類があり、「洪水」は水害時の心得、避難情報、浸水想定区域、避難場所、情報収集について、「土砂災害」は避難手順、危険箇所、避難場所について、それぞれ1分から5分程度の内容で五つの音声データに分け、わかりやすい言葉でゆっくりと人の声で情報を読み上げている。 すでに印刷物として配布している「土浦市洪水ハザードマップ」と「土浦市土砂災害ハザードマップ」の2種類を元に作成している。印刷物は、イラストや表、地図とともに、異なる大きさの文字や複数の色を使い分けることで、必要な情報を視覚的にわかりやすく表現している。今回作成した聴こえるハザードマップでは、既存の文字情報を読み上げながら、地図上に色分けされている浸水想定区域や土石流の発生、斜面の崩壊などが想定される区域について、河川ごとに地区名を細かく読み上げることで、聞くだけで位置が特定できるよう工夫をした。 同課は「視覚にハンデのある方にもわかりやすい情報をという要望が届いていた。視覚に障害のある方、高齢の方などにもわかりやすく情報を届けたいという思いで作成した。災害が起きてから危険な場所を知るのでは遅いので、視覚障害のある方、高齢の方、それぞれのご家族に是非、音声のハザードマップを利用し日頃からの備えにしていただければ」と呼び掛ける。(柴田大輔) ◆「聴こえるハザードマップ」は市の公式YouTubeチャンネルで無料で公開されている。今後、同じ内容を録音したCDを作成し、個人や団体に向けて貸し出しできるようにする。詳しくは同市のホームページへ。

農家と協働「田んぼさわやか隊」《宍塚の里山》117

【コラム・福井正人】今回は、私たちの会と地元農家との協働作業である「田んぼさわやか隊」について紹介します。この隊は、毎月第3日曜日の午前中に活動しています。活動エリアは宍塚大池を水源とし備前川に流れ込む、流長約2キロの農業水路流域にある水田(休耕田を含む)と水路になります。この農業水路については、一昨年春、フナののっこみとその水路で見られる魚たちについて書きました(22年3月25日掲載)。 上流域には里山の中心をなす谷津田が、中流域には耕地整備されたものの、貴重な土水路が残された水田が広がっています。 さわやか隊の活動の意義として、①地元農家と非農家の協働作業である、②活動のメインエリアである水路中流域の水田地帯が里山を守るように広がっている、③活動地域のほとんどの水路が土水路として残されており、たくさんの生き物を育む場所となっている、④休耕田を復田して、貴重な湿地を増やす―の4点が挙げられます。 なかでも、地元農家との協働作業であることが、田んぼさわやか隊の最も大きな活動意義です。ほとんどが非農家の当会会員にとって、さわやか隊は貴重な農作業を体験できる場であり、地元農家の側からは、高齢化や離農で人手不足が進みつつある現在、多少なりとも作業の軽減につながっています。 農家とWIN-WINの関係 このように、WIN-WIN(ウィン-ウィン)の関係が、里山における「人」を中心としたパートナーシップの構築に役に立っています。活動中の我々の姿を見て、「ありがとう」と言ってくださる地元の方に会うと、とてもうれしくなります。会員の中には、月1回のさわやか隊の活動に限らず、地元農家の方と、田植えや稲刈り、除草作業などを行う人もおり、活動の幅は広がっています。 また、さわやか隊の活動は、生物多様性の保全にも大きく寄与しています。特に農業水路が土水路として残されているため、デコボコができ、水の流れには緩急ができて、さらに植物も生えることから、生き物にとって過ごしやすい場を提供します。 もしこれが三面コンクリートの水路であったら、大雨の際には激流となって小さな生き物は隠れる場所もなく流されてしまいます。もちろん管理はコンクリートのほうが楽です。だからこそ、貴重な生き物の生息場所を守るための手間を、地元の農家だけに負担させるのではなく、保全団体の我々も積極的に関与しなくてはいけないと思っています。 最近では、当会が始めた里山体験プログラムにおいて、さわやか隊の活動が必修科目となり、大学生などの若い参加者も増えています。少しでもさわやか隊の活動にご興味を持たれた方は、活動に参加してみてください。(宍塚の自然と歴史の会 副理事長)

車検切れ公用車を公務で使用 土浦市

土浦市は27日、車検が切れた公用車1台を5月9日から9月25日まで4カ月半、市農林水産課が公務で使用していたと発表した。 市によると4カ月半の間に、同課の職員6人が37日間、39回公務で運行していた。運行距離は計1376キロ。車検切れの間、事故などはなかった。 9月25日に同課の職員が車を使用した際、車検証の写しを確認し、車検切れであることが分かった。 同車の車検については、管財課が4月10日ごろ農林水産課に文書で通知していたが、農林水産課が車検の手続きを失念してしまったという。 判明後、市はただちに同車の使用を中止。さらに市が所有するすべての車両の車検期間について改めて調査を実施したところ、車検切れで運行している公用車はほかには無かった。 再発防止策として同市は、公用車を管理する各課に対し、管財課が文書で車検満了日を通知するだけでなく、新たに庁内ネットワークで周知し、各課の課長にメールで通知した上で、各課から管財課に車検予約日の報告を義務付けるとしている。さらに運転日誌の表紙に車検の有効期間を掲示し、運転者の意識を改善するとした。 安藤真理子市長は「市民の信頼を損なうことになってしまい深くお詫びします。今回の事態を真摯(しんし)に受け止め、二度と同様の事案が発生しないよう迅速に改善に取り組みます」などとするコメントを発表した。

ガザ侵攻から1年 パレスチナにルーツ持つ女性が第3回イベント

29日、つくばセンタービル 料理やアート、映画の上映を通じてパレスチナを知るイベント「パレスチナ・デイ」(パレスチナ・デイ・つくば主催)が29日、つくば駅前のつくばセンタービルにある市民活動拠点「コリドイオ」で開かれる。主催するのは、パレスチナ人の父を持つ、つくば市在住のラクマン来良さん(35)ら市民有志。今回で3回目の開催になる。 3月のイベント(2月27日付)には県内外から100人を超える来場者があった。「ガザ侵攻から1年。関心が薄まりつつあるのを感じるが、現地では攻撃が今も続き、多くの子どもや大人が犠牲になっている。まずはパレスチナという場所があると知ってほしい。関心につなげられたら」とラクマンさんは思いを込める。 父親が西岸地区に ラクマンさんの父親は、パレスチナのヨルダン川西岸地区にあるカルキリアという街で自営業を営んでいる。父親とは昨日も電話で話をした。「カルキリアには一時的にイスラエル兵士が入り、住民を逮捕したり、殺害することもあった。今は比較的落ち着き、普通の生活ができているよう」だという。 ラクマンさんはパレスチナ人の父と日本人の母親のもとで1988年に埼玉県で生また。日本で育ち、15歳の時、初めてパレスチナを訪ねた。自身の文化を知ってほしいと願う父親の思いもあり、日本の中学を卒業後は、家族で5年間、隣国のヨルダンで過ごし、親族が暮らすパレスチナをしばしば訪ねた。そこで初めて見た風景に、ラクマンさんは衝撃を受けた。 現地はどこに行っても検問所があり、検問所を通過するたびに銃を持つイスラエル兵に身分を確認された。身分証のチェックだけでなく、家族の出自や職業、居住地、国籍の異なる両親がなぜ出会ったのかなどまで細かく詰問された。「イスラエルという国がパレスチナをコントロールしていた。これまで自分が生きてきた世界とは全然違う世界があった」と言い、「自分がパレスチナ人として扱われる中で、父から聞いていた『パレスチナ人には国がない』ということがどんな意味か実感した。自分たちは占領されている立場だと感じた」と振り返る。 20歳で日本に帰り、改めてパレスチナについて学んだ。入学した日本の大学ではパレスチナに関するサークルに入りイベント開催を通じて啓発活動を始めた。現在はドイツ人の夫とつくば市に暮らし、3人の子どもを育てている。 ママ友と声を上げる 今回、イベントを一緒に主催するつくば市の松﨑直美さん(54)は、子どもの学校を通じて知り合った「ママ友」だ。松﨑さんはラクマンさんとの出会いを通じてパレスチナへの関心を深め、昨年10月のガザ侵攻後は、都内で行われた抗議デモにラクマンさんと何度も参加した。今年1月には、駐日パレスチナ常駐総代表部(東京都港区)で開かれたパレスチナの伝統模様をあしらった刺しゅうのワークショップに参加した。最近はつくばで松﨑さん自身がパレスチナ刺しゅうを広める活動をするなど(7月1日付)文化活動を通じて現地のことを伝えている。 「パレスチナ・デイ」は「自分たちが暮らすつくば市でも何かしたかった」というラクマンさんの思いに松﨑さんが協力し、昨年12月に立ち上がった企画だ。第1回はラクマンさんの自宅で開いた。活動を続ける中でつながった人たちとプラカードを手に街頭に立ち、パレスチナへの連帯を表す「スタンディング・デモ」を市内で行っている。 自分の家族と重なる 昨年10月に始まったイスラエルの武力侵攻の直後、ラクマンさんは心に深い傷を負った。「子ども達が殺されているのを映像で見る。たくさんの大人も傷ついている。彼らが自分の家族と重なる。自分の子どもだったらと考えると仕事が手につかず、うつ状態になり、カウンセリングを受けた」と明かす。しかし「自分がうつになっても何も変わらないし、パレスチナのために何もできない。何ができるか考えたときに、日本の人にパレスチナのことを知ってもらうことをしようと思った」 その後の複数回、ラクマンさんは自身の子どもを連れて親族が暮らすパレスチナを訪れている。「子どもには現地を見せたかった。親戚もたくさんいる。特殊な状況でも人はとても温かい。皆、また行きたいと言ってくれている」と話す。 ラクマンさんは、自身がパレスチナにルーツを持つ人間だからこそできることがあると考える。「日本人の考え方もわかるし、パレスチナ人がこれまでどんな目に遭い、何を思うのかを家族を通じて知ることができている」と話し、「パレスチナで起きていることは、国同士の戦争ではない。民族浄化、ジェノサイドが起きている。パレスチナという場所があると知ってほしいし、関心を持ってほしい。これからも、できることをやっていきたい」と語る。(柴田大輔) ◆イベント「パレスチナ・デイ」は29日(日)午前11時から午後6時まで、つくば市吾妻1-10-1、つくばセンタービル内の市民活動拠点コリドイオで開催。午前11時からは、ジャーナリスト古居みずえさんがパレスチナで撮影したドキュメンタリー映画「ぼくたちは見た」の上映会が、午後1時からは、アーティストKENさんがパレスチナをテーマに絵を描きながら、参加者とのお話会を開く。午後3時30分からは、ガザ出身の女性らによるパレスチナ料理教室が共催団体により開かれる。そのほかパレスチナに関するパネル展、文化、書籍の紹介、雑貨や軽食の販売などがある。上映会とアーティストKENさんの企画は3階大会議室で、参加費はそれぞれ1000円と500円。パレスチナ料理教室は1階調理室で、参加費は3500円。一部の参加は事前予約制。問い合わせは「パレスチナ・デイ・つくば」のインスタグラムへ。