第106回全国高校野球茨城大会は10日目の17日から3回戦に突入。4会場で8試合が行われた。J:COMスタジアム土浦の第1試合では常総学院が水戸啓明と対戦、エース小林芯汰と公式戦初登板の小澤頼人による完封リレーで常総学院が4-0で勝利した。次戦は20日、ノーブルホームスタジアム水戸の第1試合で常磐大と対戦する。
常総学院はエース小林が満を持して登板。多彩な変化球と緩急を使い分け、5回までノーヒットのピッチング。「自分たちが目指している場所を再確認し、全力を出せるよう準備してきた。自分の感覚や打者の反応などからも良くなってきているのが分かる。次につながる内容だった」と本人の振り返り。
打線は初回、1死一・二塁のチャンスをつくるが後続が倒れ無得点。2、3回は三者凡退に終わり、次のチャンスが4回に巡ってきた。「2巡目だったので相手投手の特徴をつかんだ上で、場面に応じて『この一球』に狙いを絞っていこうと話し合った」と若林佑真主将。
先頭の3番・池田翔吾が死球で出塁し、4番・武田勇哉は右飛に倒れたが、5番・森田大翔が右翼への三塁打で1点を先制。6番・小林は中前適時打で1点追加、相手先発をノックアウトした。7番・近藤和真は右翼線への二塁打でさらに1点追加、その後2死三塁からボークで近藤が生還。この回は結局、ヒット3本の固め打ちなどで4点を奪っている。
「後ろへつなごうとみんなで言っていた。点が取れたのは素直にうれしい。打ったのはアウトコースのおそらくスライダー。低い打球でセンターを意識し、野手の間に落ちてくれと願った」と先制打の森田。島田直也監督は「相手投手は2人とも良かった。上を目指すにはこういう投手にどう対応するかが重要。特に先発は外のコントロールが良く手こずった。ワンチャンスをものにできたことは良かった」と語った。
近藤の二塁打のとき一塁から生還した小林だったが、実はこの時に脚をつっていた。最初は軽かったそうだが次第に悪化、6回の投球では連続四死球で2死満塁としてしまい、無念の降板となった。
救援に向かった小澤は「打たれたらどうしよう」と不安もあったが、先輩の励ましに「打たれてもいいから自信ある球で、1球1球気持ちを出して全力で投げよう」と開き直った。初球は捕手のミットを目掛け渾身のストレート。結果は三ゴロで、わずか1球で火消しに成功した。9回には2安打を浴び1死一・三塁のピンチを作るが、またも三ゴロからのダブルプレーで試合を締めくくった。
初戦とは逆で、打線は本調子ではなかったが投手陣が頑張ってくれた。チームとして互いに補い合える試合ができている」と島田監督。その言葉を「打てなくてもその分守備でピッチャーを支え、しっかりゼロで抑えることができた」という若林主将の言葉が裏付ける。(池田充雄)
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