第106回全国高校野球茨城大会は4日目の9日、J:COMスタジアム土浦での第2試合で土浦三が石岡商と対戦。1点を取りつ取られつの拮抗(きっこう)した戦いを繰り広げたが、延長10回で土浦三がついに力尽き、4-5で敗れた。
序盤は石岡商が先行し、土浦三が追い掛ける展開。2回表に2安打で石岡商が先制すると、その裏に土浦三は4番・関川千智が四球で出塁、6番・黒田広将の左前打で同点。さらに7番・中村太陽の右前打で1死一・三塁とチャンスを広げたが、関根優多のスリーバントスクイズは相手の好守に阻まれた。
その後も土浦三は3回、4回に1点ずつ失点。野手の細かいミスもあったが、エース関根優多が今一つ波に乗り切れていなかった。「マウンドにうまく対応しきれず体が開いてしまうため、80%の力で投げていた」と関根は明かす。
5回以降は力みがとれ、自分の本来のフォームで投げられるようになり、7回まではすべて三者凡退。8回は1安打を許したものの、次打者でダブルプレーを取りやはり3人で打ち取っている。
土浦三は4回に相手の送球ミスから1点を追い上げ、6回に関川の右翼線への三塁打と5番・木口善生の右翼線への二塁打で3-3の同点とする。だがこの後木口はけん制球でタッチアウトとなり、貴重な逆転のランナーを失った。
8回には相手エラーに乗じ4-3と逆転に成功、さらに無死一・二塁と好機をつくるが、交代した相手投手を攻めきれず、またもけん制で走者を失っている。
それでも9回表を乗り切れば勝てるはずだった。だがここまで力投した関根には疲れが忍び寄っていたようだ。投げ損ねのワンバウンドのボールが当たってしまい先頭打者に出塁を許す。続く代打2人は打ち取ったものの、下位の8・9番の連続ヒットで、4-4の同点とされてしまう。
そして10回タイブレーク。先頭・2番打者の送りバントは関川の見事な処理で走者を進めさせず、次打者は二ゴロに打ち取り2アウト。ここで相手4番打者との勝負を選んだが、制球が整わず歩かせてしまい満塁。5番打者の打球は打ち取った当たりだったが、二塁手と遊撃手が重なって抑えきれず、三走の生還を許した。
「1点を争うゲームになることは予想していたが、相手打線がしぶとかった。タフなゲームで関根を中心に守りで頑張ってきたが、相手の執念が一枚上だった」と竹内達郎監督。タイブレークまでは想定内で、それを見据えたチームづくりもしてきたという。「実際に、多くの場面で自分たちが積み上げてきたものをしっかりと発揮してくれた。選手の頑張りに報いるマネジメントをしてあげられなかったのが残念」と肩を落とした。(池田充雄)