第106回全国高校野球茨城大会は2日目の7日、J:COMスタジアム土浦での第2試合で、つくば工科・つくばサイエンスの合同チームが取手松陽と対戦。0-8と7回コールドで負けを喫した。つくば工科としての大会出場はこの試合が最後となった。


昨年の校名変更により3年生5人はつくば工科、1・2年生6人はつくばサイエンスとして出場。ユニフォームも異なるが、上級生と下級生が気持ちを一つにして最後の夏に挑んだ。
初回は内外野の連携で相手走者をホームで刺殺するなど、これまでの練習の成果を発揮することができた。だが2回に三塁打にエラーがからんで1点を失うと、3回には3安打と四球押し出しや捕逸などで一挙5点を奪われ、試合の流れは相手に大きく傾いた。先発投手の矢口遼真は「ミスからリズムを崩してしまった。自分の力がなかった」と悔やむ。

その後は何とか一矢報いようと、5回には矢口が中前へチーム初ヒットを放つ。矢口は3回途中で浅田新にマウンドを譲っていたが、6回には自ら志願して再びマウンドへ。「浅田も疲れが見えてきたのと、最後はエースを背負っている自分が抑えなくては」との思いだったという。
7回には先頭打者の坂田悠真が右翼へチーム2本目のヒットを放ち、ベンチを鼓舞する。「ここで2点取らないとコールドになるので、絶対に打ってやると思い、アウトコースのまっすぐを叩いた。練習すれば成果が出ることを、プレーで後輩に見せられたと思う」と坂田主将。

佐藤将光監督は「エラーでの失点は痛かったが、いままでは5回コールドで負けていたところを、要所を締め7回まで粘り強く戦ってくれた。3年がヒットも打って次につなげ、1・2年に背中を見せてくれた」と選手を称えた。「今の3年は学校が変わることに加え、部員の少なさでも苦労してきた世代。それを乗り越えて頑張ってきたからこそ、こういう試合ができた」
カリキュラムが変わることで、3年生と1・2年生では練習時間にギャップができるなどの苦労もあった。だが3年生が遅くまで後輩の練習に付き合うことでカバーしてきたという。坂田主将は「チームをまとめるのは大変だったが、最終的にいいゲームができ、納得いくプレーも出せた。小学校から野球を始めたが、高校が一番楽しかった。後輩たちにも一生懸命やる楽しさを味わってほしい」と後を託した。(池田充雄)
