つくば市の市立上郷幼稚園と沼崎小学校で昨年12月、それぞれ園児と児童がけがを負い医療機関を受診する事故が発生していたことが分かった。市は、19日開会の市議会定例会に事故の報告議案を提案する。
上郷幼稚園では、教室で工作をしていた園児が、誤って相手の園児の指先を切ってしまい、5歳の園児が左手薬指の指先と爪の先に切り傷を負った。沼崎小では小学6年の児童が校庭に落ちていたくぎを踏み、足の裏にけがを負った。
年齢に合わせた教材選びへ
同市教育局学務課によると、上郷幼稚園の年長児の教室で昨年12月21日午後2時45分ごろ、厚みのある段ボールをはさみで切る工作を実施し、一人の園児が左手で段ボールを抑え右手ではさみを持ち段ボールを切っていた。作業を手伝おうと、別の園児が反対側から段ボールにはさみを入れたところ、誤って、段ボールを抑えていた相手の園児の左手薬指の指先を切ってしまった。
当時、教室には担任など教諭らが3人いたが、事故時は別の子どもたちを見ていて、けがをした園児らを見ていなかった。
同園は止血など応急処置をし、教諭2人がけがをした園児を医療機関に連れて行ったが、処置が難しいと言われ、園児は同医療機関から救急車で総合病院に運ばれ治療を受けた。全治2週間と診断されたが、爪の傷の回復が長引き、3月の春休みまでに完治したという。
市は、材料の段ボールに厚みがあり、5歳児にははさみで切りにくかったとして、今後、年齢に合わせた教材選びをするよう改善していくとしている。
同幼稚園を管理する市は園児や保護者に対し、治療費など6万9475円を支払うことで3月中旬に和解したとしている。
体育倉庫周辺を立ち入り禁止に
沼崎小学校では昨年12月22日午前9時15分ごろ、校庭で、6年生がレクリエーションで鬼あそびをしていた時、児童の一人が校庭の鉄棒付近で、落ちていたくぎを踏み、右足の裏にけがを負った。
市教育局教育施設課によると、くぎは長さ2.5センチくらいで、靴を貫通し児童の足の裏には血がにじんでいたという。児童は保健室で消毒などの応急処置を受け、連絡を受けた保護者と医療機関で治療を受けた。
くぎは、鉄棒近くにある古い体育倉庫の建物から抜け落ちたとみられるという。市は事故発生を受けて、体育倉庫周辺に児童が近づかないよう、エリアを定めて児童を立ち入り禁止にしている。体育倉庫には体育の備品などが入っており、必要な場合は教員が出し入れをしている。
同小を管理する市は、児童と保護者に対し治療費など2万4202円を支払い4月10日に和解したとしている。