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目をそらさないで パレスチナにルーツ持つ女性がつくばで上映会

3月3日

連日、殺りくが起きているパレスチナにもっと関心を寄せてほしいと、来月3日、つくば市民有志が「PALESTINE DAY(パレスチナ デー)」と題し、映画上映会やチャリティーバザーを開く。主催するのはパレスチナ人の父親と日本人の母親を持つ、つくば市在住のラクマン来良(らいら)さん(35)。

親戚の多くはパレスチナにいて、子どもの頃は何回も現地に遊びに行った。「ガザでは毎日、たくさんの人が殺されている。無力感でいっぱいだが、目をそらすことだけはしたくない」と、自分を奮い立たせる。

ヨルダン川西岸も被害拡大

1940年代から続くイスラエルによる占領のため、パレスチナはガザ地区とヨルダン川西岸地区に分かれる。昨年10月、イスラエルがガザ地区へ攻撃を始めた。ラクマンさんによると、現在彼女の父親が住む西岸地区でも以前から、若い男性がイスラエル兵士に捕まえられたり、街を移動しようとするとイスラエル人入植者に発砲されてきた。10月以降は被害が増えているという。

パレスチナ人への殺りくが続く中、ラクマンさんは自分にできることを模索した。10月当初は毎週のように都内まで行き、ガザ攻撃に対する抗議行動に参加していたが、つくば周辺ではパレスチナ関連のイベントを見かけなかった。

身近な人たちにも関心を持ってもらうため、昨年12月には自宅に友人らを呼び、パレスチナの歴史を話したり、小規模のバザーをおこなった。今回はより多くの人を巻き込みたいと、友人の協力も得て「PALESTINE DAY」を企画した。

日本からできることもある

当日は、2008年のイスラエルによるガザ攻撃の実態を遺族などの証言をもとに報告したドキュメンタリー映画「ガザに生きるー第5章 ガザ攻撃」(土井敏邦監督、2015年)を上映する。またパレスチナ産のオリーブオイルや石けん、パレスチナに関する書籍などの販売や、パレスチナ刺しゅうでキーホルダーをつくるワークショップを催す。

パレスチナ刺しゅうでつくるキーホルダー。ワークショップで作成する予定(同)

上映会の収益は土井監督を通し、パレスチナの人々に物資や食料、現金として直接届けられる。物販などで得た収益も、可能な限りガザに住む人々に直接渡せるような形で寄付しようと思っているが、具体的な寄付先はまだ考え中だ。

ラクマンさんは埼玉県生まれ。「国際的で都会と田舎が入り混じった環境で子どもを育てたい」と3年前、海外出身の夫と共につくばに引っ越してきた。現在は市内の自宅から都内の会社に在宅勤務をしている。

「日本にいると遠い国の話に感じるかもしれないが、世界は繋がっている。イスラエルを支持する企業への不買運動など、日本にいながらできることもある。今回のイベントをきっかけにパレスチナを知ってもらい、自分に何ができるのか考えるきっかけになれば」とラクマンさんは期待する。(川端舞)

◆「PALESTINE DAY」は3月3日(日)午前10時から午後4時、つくば市大砂1177-1 大砂田園都市センター(真徳寺隣り)で開催。映画上映時間は①午前10時30分~➁午後1時~➂午後2時30分~の3回で、各86分間。映画鑑賞費1000円。ワークショップ参加費3000円。いずれも事前予約不要。問い合わせはラクマン来良さん(lailalackmann2@gmail.com)へ。

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