土浦市の安藤真理子市長は4日の定例記者会見で、小中学校の給食費を無償化するための補正予算案を5日開会の市議会9月定例会に提案すると発表した。可決されれば10月分から無償化を実施する。給食費の無償化に取り組む市町村は県内で14番目になるという。
子育て環境のさらなる充実と物価高騰による子育て世帯の負担軽減が目的。安藤市長は「将来を担っていく子供たちの健やかな育ちを支えていきたい」と話す。
無償化の対象は、公立の小学校15校、中学校7校、義務教育学校1校の計23校に通う小学生約6200人と中学生約3200人の計約9400人。同市の現在の給食費は小学生が月額4200円、中学生が4700円で、今年度は10月から半年間で約2億4500万円、23年度以降は年間で約4億5000万円かかる見込み。財源は、今年度の半年分は22年度決算で確定した剰余金の一部を充てる。
給食費の無償化に取り組む市町村は今年になって全国で増えている。同市によると現在、無償化を実施している県内13市町は、大子町など6市町が小中学校の給食費無償化を実施。水戸市が今年4月から中学校のみ無償化を実施。神栖市など6市町が期間限定で小中学校の無償化を実施している。
一方、国のこども未来戦略会議は今年6月に示した「こども未来戦略方針」案で、学校給食について「無償化の実現に向け、まず無償化を実施する自治体の取り組み実態や成果・課題の調査、全国ベースでの実態調査を速やかに行う」などとしているが、無償化の時期は明確になっていない。安藤市長は「早急に無償化を実施することが、現在の物価高で負担が増大している子育て世帯の支援につながると考えた。本来は国がやるべきものと思っている。早急に始めたいと思っていた中、財源の確保ができたので10月からやろうと決めた。国の無償化が決まるまでのつなぎだと思っている」とした。(鈴木宏子)
▽今年度、学校給食費の無償化を実施している13市町村と実施時期は以下の通り(土浦市調べ)
【小中学校の給食費を無償化】
・大子町 2017年4月から
・城里町 18年4月~
・河内町 20年9月~
・潮来市 22年4月~
・日立市 23年4月~
・北茨城市 23年4月~
【中学校のみ無償化】
・水戸市 23年4月~
【期間を限定し小中学校を無償化】
・神栖市 23年4月ー24年3月
・境町 23年4月ー24年3月
・稲敷市 23年4月ー24年3月
・鉾田市 23年9月ー24年3月
・石岡市 23年9月ー24年3月
・かすみがうら市 23年9ー11月