同人誌即売会の第30回「亀城祭(仮)」が26日、土浦市中央の亀城プラザで開かれる。漫画やアニメの愛好者たちが集う交流イベントだが、仮称を思わすネーミングのまま、イベントは30回目を迎え、春に萌え(もえ)る。
亀城祭(仮)は漫画やアニメの愛好者たちが、読んだり見たりするのに飽き足らず、創作活動を始め、出来上がった作品を同じ趣味を持つ同士で売り買いする同人誌の即売・交流会。東京ビッグサイトなどを会場に大規模なイベントが開かれているが、地方でも同様に小規模な同人誌即売会が行われており、土浦では亀城祭(仮)がそれにあたる。
主催はコスモグループ。土浦市在住の女性会社員、三条深海さん(ペンネーム)が代表を務める。元々趣味で漫画を描くなどの活動をしていたが、県内で互いの作品を見せ合うなどして交流をする場を作っていきたいと同じ趣味の仲間に声を掛け、同市内で即売会「コミックネット」を開いたのが始まりという。
亀城プラザの大会議室や石岡市民会館を借りて、40小間程度の小規模な同人誌即売会を開催したが、会場が手狭になったため、2007年以降、亀城プラザ1階フロアを借り切る現在のスタイルになり、春と秋の年2回のペースで開催してきた。コロナ禍で20年の春、秋、21年の秋は中止となったが、参加意欲は衰えず、22年の2回の開催をこなし、今春第30回の節目を迎える。
この間ずっとタイトルから(仮)の字を外さずにきた。三条さんは、「イベントとしての発展への期待を込めて、今は(仮)である、という意味でつけている。また亀城祭という地域のお祭りがあるので、それとの区別のため名称を工夫した」そうだ。
イベントの参加者は毎回、延べ200人ぐらい。今回は出展者として50を超すサークルが参加する。1階フロアに約60台の机を並べて売り場とし、出展者の販売物が展示される。創作物は一次制作(自分で創作したオリジナル作品)、二次創作(元々あった作品に自分なりに手を加えたもの)がある。漫画やアニメだけでなく、手作りのアクセサリーや写真集などを扱う売り場もある。
別室にはアニメ世界から抜け出したような衣装を着こなし、化粧を施したコスプレイヤーたちが集まり、写真撮影などに興ずるコーナーも出現する。

参加者の9割は女性が占め、年代は中学生から40代までと幅広い。コロナ禍以降、コミック系のイベントは全国的には縮小傾向だが、亀城祭(仮)はアトホームな感じの集まりで、常連が多いという。他県からの参加者も少なくない。
三条さんは「参加者同士のコミュニケーションを大切にする同人誌即売会として、その都度の企画を織り交ぜながら、継続して開催していきたいと考えている。現在の中心となっている運営スタッフが入れ替わった場合でもイベントを継続開催できるようスタッフを募っているが、自主的継続的に運営に関われる人材がなかなか育たず、課題となっている」と語る。(榎田智司)
◆第30回「亀城祭(仮)」 3月26日(日)午前11時30分~午後3時、土浦市亀城プラザ。詳細はこちらから。