2022年度全国高校総体兼第102回全国高校ラグビー県予選会は20日、水戸市小吹町のケーズデンキスタジアム水戸で決勝戦が行われ、茗渓学園(つくば市)が24-6で清真学園(鹿嶋市)に勝利した。茗渓は11大会連続28回目の優勝を飾り、12月27日から東大阪市花園ラグビー場で開催される全国大会への出場権を獲得した。
茗渓学園 24-6 清真学園
前半 16-3
後半 8-3
競ったプレーでの精度高めたい
茗渓は、5月の関東大会県予選では74-0と圧倒した相手に、思わぬ接戦を強いられた。前後半を通して、トライとペナルティーゴールを3つずつ決めたのみで、トライ後のコンバージョンキックはいずれも失敗。守備では、相手にトライを許すことはなかったが、2つのペナルティーゴールを奪われた。
要因は相手のプレッシャーにより、小さなミスが続出したこと。「パスミスやキャッチミスなどで攻撃のテンポが上がらず、練習でやったことが出しきれなかった」と高橋健監督。「相手のプレッシャーをどう散らすかがポイントだったが、その意識を試合の中でチーム全員に植え付けられず、後半もメンバーが替わった中で修正できなかった」と松永樹門主将。
全国大会に向けて、この課題をどう修正していくか。高橋監督は「ちょっとした心の問題」と見ており、練習試合などでは成果は出ているという。松永主将は「競ったプレーでの精度が足りない。日ごろの練習から緊張感を高め、ハードワークを心掛けていきたい」と弱点克服を誓う。
南アから帰国、期待の超重量FW
この試合で、1年生ながらスクラムで最もハードなポジションと言われる右プロップを務めたのが和田翔太。身長183センチ体重125キロの恵まれた体格によるパワフルなプレーを持ち味とする。全国大会では相手スクラムの重さに苦しめられてきた茗渓にとって待望の超重量級FWの一人だ。
「今日は緊張して思うような動きができなかったが、ボールをもらったら相手を弾き飛ばしてゲインをかせぎ、ハイパントには体を張ってボールを守るなど、局面での役割は果たせた」と振り返る。
幼いころから父の転勤に伴い、中国やカナダなど海外経験が豊富。ラグビーを始めたのは南アフリカにいた小5のとき。父も中・高とラグビー部だったことがきっかけとなった。中3で帰国し谷田部東中(つくば市)に転入、現在に至る。
世界有数の強豪国である南アのラグビーと、日本のラグビーの比較については「南アフリカではパワープレーでの突破など個人技が中心。日本では体のぶつかり合いに加え、サインプレーなど戦略性が高く、自分の役割を意識しながらチームが一つになって戦う。より面白さを感じるようになった」
全国大会では自分の武器をさらに磨き、安定させ、チームに貢献したいと意気込む。(池田充雄)