第75回秋季関東高校野球茨城県大会最終日は2日、ひたちなか市民球場で決勝が行われ、土浦日大が常磐大高に延長11回の末、6-5でサヨナラ勝ちし、17年ぶり8度目の優勝を飾った。両校は22日から埼玉県で開かれる関東大会に出場する。

土浦日大は準決勝の常総学院戦に続いて終盤に粘り強さを発揮し、試合をひっくり返した。小菅勲監督は「この2試合で良い逆境を乗り越え、心のスタミナがついた。大会で経験値を積むことが大事」と目を細めた。

投手陣は常総戦とは逆に、小森勇凛が先発し、藤本士生がリリーフ。中1日での登板に、コンディションは必ずしも良くなかったという。「ベストではなかったが自分らしいめりはりが利いた投球ができた。変化球は全ての球種を使い、まっすぐもコーナーを突けていたので自信を持って投げた」と藤本。「常磐大は霞ケ浦の好投手、木村優人を打ち込んで勝ち上がってきた勢いあるチームだが、自分らしさを出すことを心掛けた。最初の2点は変化球で逃げて打たれたので、その後は捕手と相談してまっすぐに切り替えた」と小森。
「本来の思い切り」発揮して
4-4で迎えた11回表、常磐大の篠原結人主将に勝ち越し打を許すが、小菅監督は動じない。「先に取られるのは想定内。むしろこれでゲームが動くよ」と選手たちに話したという。
その裏1死から藤本が内野安打、中本佳吾が右前打で一・三塁のチャンスを作る。打者・香取蒼太は代わったばかりの投手、仲田瞬の意表を突くスクイズを敢行。同点とすると後藤陽人が、前進守備の中堅頭上を抜くサヨナラヒット。「打線から硬さが取れ、本来の思い切りの良さや伸びやかさを発揮してくれた」と小菅監督。

「夏の大会の決勝では緊張して敗れてしまったが、その反省を生かし、チーム全体で修正できた」と後藤。塚原歩生真主将は「打ち合いは予想していて、いかに打力ある常磐大打線を単打に抑え、自分たちの野球を貫くかが問われていた」と試合を総括し、この先については「関東を制覇し、甲子園大会や神宮大会を目指して頑張っていきたい」と目標を語った。(池田充雄)