10月22日、特撮ロケ地で
荒野に響くごう音、立ち上る真っ赤な炎。その前に立てば、誰もがアクションスターのようにー。音楽ステージや映画撮影現場での特殊効果をプロデュースする「スカイテック」(土浦市乙戸南、野澤勇人社長)が、テレビや映画の特撮で使われる爆破を一般にも体験してもらう体験・撮影会「爆破体験フェス(通称・爆フェス)」を10月22日、常陸大宮市の特撮ロケ地で開催する。「非日常の世界で、誰もが主役になれるチャンス」と参加を呼び掛ける。
新たな活用法あるはず
「その人を映えさせる、際立たせるためのドッカーンです」。特殊効果の魅力を野澤さんはそう語る。
同社は、舞台やコンサート、映画、プロモーションビデオなどに使われる特殊効果のプロデュースや、特殊効果用機器類、煙火などの輸入・販売を手掛けている。これまでに「ロック・イン・ジャパン」や「ラッキーフェス」などの大型音楽イベントなどを多数手掛けてきた。
「やっぱり私はライブがいい。大好きな矢沢永吉のライブに行くと、現場だからこそ感じるオーラがある。その主役の魅力を引き立てるのが、我々、演出です」

今回、場所を提供するのは、土木工事を手掛ける松井建設(那珂市、松井祐一郎社長)。自社で所有する常陸大宮市の採石場を活用したロケサポートを、約15年前から実施している。荒野をイメージさせる18ヘクタールの敷地は、映画「日本沈没」、大河ドラマ「麒麟がくる」、三代目J SOUL BROTHERSや聖飢魔IIのミュージックビデオなど様々な撮影で活用されてきた。
「今回の特色は、個人で爆破を体験できること」だと野澤さんは話す。「これまでCM撮影など、企業による爆破撮影の依頼を受けることはよくあったが、まだまだ新しい活用方法はあるはず。今回のイベントをきっかけに、ユーチューバーやインスタグラマーなども含めて、これまで爆破と結びつくことのなかった業種のPRにも利用してほしい」と期待を込める。
コロナ禍からの再起
背景に、音楽イベントが軒並み中止に追い込まれるなど、コロナ禍の影響もあったと野澤さんは話す。自粛が求められる日が続き「全く仕事がなくなった。ほぼゼロ」と2020年を振り返る。「それでも何かしなきゃいけない」と考える中で生まれたアイディアの一つが「爆フェス」だった。また「茨城は映画やドラマのロケ地として有名。特撮ロケ地への観光誘致として、地域おこしにも貢献できれば」ともいう。
機材設置には、さまざまな場面で爆破を手掛けてきた特殊効果の職人が当たる。大きな炎が特徴の「ナパーム爆破」、灰色の煙が巻き上がる「セメント爆破」、衣服に取り付けた火薬が破裂する西部劇さながらの「弾着」、「バズーカ砲」などが特別価格で体験でき、参加者は自身の様子を動画や写真に収めることができる。広大な荒野の隣には採石場がある。特撮ロケで使われた現場を見ることができるのも魅力だ。
「世の中リモートばかりになった。オンラインでは相手の息が感じられないですよね。息を感じることは、相手を知ること。リアル、ライブっていうのはやっぱり重要。そうコロナ禍で実感しました」「そんな時だからこそ、リアルな体験を。コスプレも大歓迎です」と野澤さん。(柴田大輔)
◆「爆破体験フェス(爆フェス)」は10月22日(土)午前9時~午後4時、常陸大宮市小場4585-1で。参加には事前チケット(1グループ3万5000円・税込み)の購入が必要。詳しくは同フェスホームページへ。