五月晴れとなった24日、筑波山と宝篋山を望むつくば市栗原の市栗原交流センターの芝生広場で、屋外でヨガを楽しむ「外ヨガ」が開かれ、15人の参加者たちは、新型コロナウイルス感染拡大以来ほぼ2年ぶりに、マスクを外して仲間と一緒に体を動かした。
今月23日、国が新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を変更し、屋外で人と2メートル以上の距離を確保できない場合でも、会話をほとんど行わなければマスク着用の必要はないと発表したのを受けてマスクを外した。
村野一義所長は「マスクの着用について政府の方針が示されたので、会話しない受講生はマスクを外して参加してもらえる」と安堵(あんど)した表情を見せた。
外ヨガは、マットに仰向けの姿勢で大地と接触するグランディングという軽いウォーミングアップから始まり、水分補給をしながら座ったり四つんばいの姿勢で股関節や背骨を動かしたり、立ちポーズを取ったりした。最後は、横たわって何も考えない瞑想(めいそう)の時間を意味する「しかばね」のポーズで終了した。
「肩こりで体はガチガチ、できるかな」と不安げだった参加者の水谷浩子さん(62)は「マスクを外して気持ちよかったし、リラックスできた」。ヨガ経験者で50代の鷹巣あけみさんは「鳥の声や風を感じながらの外ヨガは、余計なことを考えることがなくて良かった。ここでヨガができるのは幸せ」と話した。夫に子どもを預けて産後5カ月で参加した30代の岡野絵莉子さんは「体を伸ばして開放された気分」と笑顔を見せた。
感染から身を守るとはいえ、長く続くマスク着用の生活は心の負担になっていたはずで、マスクなしで外気を吸いながらヨガのポーズをとる参加者たちは、心身ともに開放感を感じている様子だった。
外ヨガは栗原交流センターが企画した講座で、24日を初回に全3回開催される。「筑波山と宝篋山を見上げ、近くを流れる桜川に沿って水田が広がる景観と、広い芝生広場を有する栗原交流センターの立地を生かした講座を考えた」と同センターの村野所長は話す。コロナ禍による健康志向の高まりと戸外での活動に定員15人を超える応募があり、抽選で受講生が決まった。
講師を務めたヨガインストラクターの染川ひろみさんは、市内各地の交流センターやヨガサークルなどで幅広く指導している。染川さんは「心と体をつなぐことが大切で、ポーズの格好を気にすることはない」と話し「筑波山に連なる山々を眺めて田園をわたる風や鳥の声に耳を澄ますなど、心地良さを体感してください」と語りかけていた。(橋立多美)