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つくばセンタービルの価値を紹介 市民団体が「謎解きツアー」

つくばセンタービル(つくば市吾妻)の7カ所を巡りながら、建築デザインの意味や価値について解説する現地ツアー「つくばセンタービル謎解きツアー」を、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が開いている。

昨年11月3日から毎月3回開催し、これまで延べ83人が参加した。1月16日に7回目が開かれ、11人が参加した。同会代表でNEWSつくばコラムニストの冠木新市さんがガイドを務める。冠木さんは、つくばに移り住んで以来30年にわたり、センタービルについて独自に研究してきたという。

つくばセンタービルは建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した磯崎新さんが設計した。ポストモダン建築の代表作として世界的な評価を受けている。2020年、つくば市は同ビルにエスカレーターを設置するなどの改修計画を発表したが、専門家や同会から建築物の価値を喪失するなどの指摘を受け、昨年12月、当初の計画を大幅に見直した経緯がある。

冠木さんによると、センタービルの建設に当たり磯崎さんは1978年、日本住宅公団(現在はUR都市機構)が実施した設計者を選ぶプロポーザルコンペで、筑波研究学園都市を批判するレポートを書き、7つの性質をセンタービルに与えることを提案した。劇場性、胎内性、両義性、迷路性、寓意性、逸脱性、対立性の7つだ。磯崎さんはつくばセンタービルが起死回生の役割を果たす象徴的な建築となることを目指し、その中核として同ビル中心に、くぼ地となるセンター広場を造ったという。

センタービルの中心にあるセンター広場の床面は、ルネサンス期のイタリアの建築家ミケランジェロが設計したローマのカンピドリオ広場を引用するデザインとなっている。ツアーで冠木さんは「床面の模様がカンピドリオ広場を反転した色合いになっている」と解説する。広場には霞ケ浦や桜川を反転した形が水の流れでデザインされており、冠木さんは「この反転は現実と虚構、日常と非日常を意味しているのではないか」と参加者に問いを投げ掛ける。

続いて、センタービル正面玄関の柱に引用されている18世紀のフランスの建築家、ルドゥーのアル・ケ・スナン王立製塩所のこぎり歯のモチーフ、ホテル日航つくば1階に設置されている、米女優マリリン・モンローの体のカーブを表現したいす「モンローチェア」などを見て回った。

さらに、2階ペデストリアンデッキのつくばイノベーションプラザ前に立って、ノバホール2階の三角の窓を見ると、窓の中に、ホテル日航つくばの最上階の瞳のような窓の形が映り込む様子が見える。冠木さんは「まるで『プロビデンスの眼』(神の全能の眼)を彷彿とさせる」と独自の解釈を披露し、「ノバホールのノバは新星を表す。新星は新生に通じ、ノバホールの眼は母の胎内から何か新しいものが生まれるのを見つめている。磯崎さんの言う『胎内性』『劇場性』と合致する」と話す。「センター広場は空の器であり、くぼ地の広場で市民が自由に活動し、新しいものを生み出すことを願ってつくられたと解釈できる」ともいう。

ノバホールの三角窓に映り込む(左)ホテル日航つくばの瞳のように見える窓(右)=つくばセンタービル

市内から夫婦でツアーに参加した谷田部宏子さんは、「知らないことばかりでおもしろかった。深い内容だった」とし「(センタービル周辺は)駐車場が停めにくいこともあり買い物にはあまり来ないが、ノバホールには時々来る。センタービルの改修計画ついては何も知らなかった」と話していた。(田中めぐみ)

◆次回のツアーは、30日(日)午後1時から。定員10人前後、参加費無料。参加申し込みは090-5579-5726(冠木さん)

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