月曜日, 12月 2, 2024
ホームスポーツサンガイア、開幕2連勝 劣勢はねのけフルセット勝ち

サンガイア、開幕2連勝 劣勢はねのけフルセット勝ち

バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(SunGAIA、本拠地つくば市)は11月6、7日、開幕戦のホームゲーム2試合を土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で開催した。6日はきんでんトリニティーブリッツ(大阪府岸和田市)にセットカウント3-1で快勝、7日は兵庫デルフィーノ(尼崎市)に3-2のフルセット勝ちを収め、開幕2連勝とした。

2021-22 Vリーグ2部男子(11月7日、霞ケ浦文化体育会館)
つくば 3-2 兵庫
 23-25
 18-25
 27-25
 25-19
 15-11

つくばは7日、2セットを先取された後に3セットを取り返すという劇的な勝利。劣勢をはね返すリカバリー力と粘り強さを発揮した。

第1セットは、曹海倫のサービスエースや松田康河のブロックなどで6点を先取する順調な立ち上がり。だがタイムアウトをきっかけに兵庫が5点を取り返し波に乗った。左右への大きなトスでつくばのブロック陣を振り回し、要所で繰り出す速攻も効果的だった。

第1セット、瀧澤陽紀がスパイクを放つ

第2セットは一転してシーソーゲーム。中盤から兵庫が徐々にリードを広げ、つくばを突き放した。つくばのオープンな攻撃は相手ブロックの餌食となり、速攻やワイドを使った攻撃は今ひとつかみ合わない。

第3セット、ようやくつくばにエンジンがかかってくる。十文字龍翔や鎌田敏弥らルーキー、若手が攻撃で躍動し、濱田英寿の強烈なサーブや、満生大輝のバックアタックなども効果的。長いラリーを交えながら激しく攻め合い、デュースで追いすがる兵庫を突き放して1セットを返すと、その後はつくばが自分たちのリズムを取り戻した。

ルーキーの十文字(右端)はこの日14打13得点、驚異的な攻撃決定率を誇った

「苦しい内容だったが、途中出場の選手らが持ち味を出し、よく盛り返してくれた。攻撃で圧倒的な選手はいないが、だれが出ても遜色ない。ベンチを含め全員が活躍して攻略してくれた」と、五十嵐元監督は選手たちを讃えた。

若返りを果たしたチームの中で、精神的支柱となったのがリベロの新垣東麻とセッターの浜崎勇矢。2セットを落とし暗くなったチームに絶えず声を掛け、士気を高めた。「今季は守備に力を入れており、それが後半徐々に機能してきた。どんな相手でも自分たちのバレーを出したい」と新垣主将。

今季の開幕2連戦を勝利で飾ったサンガイア

これでつくばは2勝0敗で15チーム中6位。次戦は13日、ひたちなか市総合運動公園総合体育館で大同特殊鋼レッドスター(名古屋市)と対戦する。ちなみにこの日は同会場でV1女子の日立Astemo(アステモ)リヴァーレ(日立市)がトヨタ車体クインシーズ(刈谷市)と戦う。茨城勢のダブルホームゲームだ。

つくばの浜崎は大同特殊鋼戦に向けて「相手は完成度が高いチーム。スパイクやブロックなどの精度を高め、ホームの観客の皆さんの力を借りて戦い抜きたい」と意気込んだ。(池田充雄)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

1コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

1 Comment
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img
spot_img

最近のコメント

最新記事

牛久入管問題について意見交換 市民団体が年間活動報告 土浦

法務省出入国在留管理庁 東日本入国管理センター(牛久市久野町、牛久入管)に収容されている外国人の処遇改善に取り組む市民団体「牛久入管収容所問題を考える会」(つくば市、田中喜美子代表)の年間活動報告会が1日、土浦市大和町の県県南生涯学習センターで開かれ、入管問題について意見交換した。市民や外国人ら約100人が参加した。 集会では考える会が、牛久入管の2024年の被収容者数は、年間で約50人前後ではないかと報告した。2020年のコロナ禍以前は年間で約300人前後だったことから、被収容者数は6分の1にまで減少している。 一方、被収容者は一時的に牛久入管から仮放免され一時的に収容を解除されたものの基本的に「就労禁止」の条件が課せられ、生活費に困窮しているのが実情だという。国民健康保険に加入できないため、仮放免中の外国人が病気やけがで医療が必要になった場合には、高額の医療費負担がかかりさらに生活に困窮する事例があるとの報告があった。 また考える会の会員から、昨年末から今年にかけて、成田空港で入国拒否された外国人難民申請者が牛久入管に収容された事例の紹介があった。報告によると、西アフリカや中部アフリカ諸国から正規のパスポートと正規の短期滞在ビザを持って来日した外国人難民申請者が、成田空港で入国を拒否されたが帰国を拒否したために成田の入管施設に収容。収容後に難民申請をしたが、1カ月足らずで却下されると同時に退去強制令書が発布されて牛久入管に移送されたという。 この件を受けて、伊藤しのぶ弁護士は「空港での当番弁護士制度ができればと思う」と述べ、難民申請者への空港での法的保護の必要性を訴えた。 報告会では入管問題に取り組む駒井知会弁護士が「在日外国人の弁護活動を通して入管法と入管体制を考える」と題して記念講演し、今年6月10日施行された改正入管法について問題点を指摘した。「3回目以降の難民申請者に対して強制送還も可能」とした改正点に対しては「(迫害の危険に直面している人を保護する国際法上の原則である)ノン・ルフールマン原則=メモ1=違反の送還を防ぐためにも訴訟をやっていかないといけない」との姿勢を示した。 また新しく導入された、監理人による監理の下で、収容しないで退去強制手続きを進める「監理措置制度」=メモ2=については「弁護士の守秘義務と入管当局への報告義務との相反がある」と制度自体を厳しく批判した。 同会の田中代表は「今は嵐の前の静けさ。来年は大変な事になりそう」と述べ、改正入管法による悪影響が来年以降本格化することを懸念した。(崎山勝功) 【メモ1】ノン・ルフールマン原則 難民など生命や自由が脅かされかねない人々が、入国を拒否されたり、迫害を受ける国や場所への追放や送還を禁止する国際法上の原則。1951年の難民条約と1967年の議定書で成文化され、日本では難民条約を批准した1982年から発効された。【メモ2】監理措置制度 監理人が仮放免中の外国人の生活の面倒を無報酬でみる傍ら、「就労をしていないか」「逃亡の恐れがないか」などを監視し、入管当局に報告する制度。通報を怠った場合は罰金刑などが課される。

お遊びに終わった市長退職金投票《吾妻カガミ》197

【コラム・坂本栄】五十嵐つくば市長2期目の退職金をネット投票で決めるというイベントが終わった。各種メディアでも取り上げられ、多くの市民が市長採点に参加するのではと思っていたが、投票したのは1000人強にとどまった。このユニークな試み、お遊びの域を出なかったようだ。 市民受けを狙った仕組み 投票の仕組みは記事「…市民評価で金額決定へ…」(8月26日掲載)に出ている。議会の受け取りは同「可否同数、議長裁決で可決…」(10月4日掲載)、投票の結果は同「ネット投票の評価は62.7点…」(11月12日掲載)を読んでほしい。 私はコラム191「…退職金問題の研究」(9月16日掲載)で、「採点に参加できるのはマイナンバーカード取得を済ませた15歳以上の市民に限られ、しかも市が用意したスマホ上の参入アプリを使いこなせる人だけが対象になる」「マイナンバー嫌いとネット弱者は市長採点に参加できないから、この仕組みの公平性には疑問符が付く」と指摘した。 そして、どうしても市民投票で退職金を決めてもらいたいのであれば、「無作為に抽出した市民3000人ぐらいから何点付けるかを聞き、その平均点を出して決めるべきであろう」と、非ネット・非マイナンバー方式を提案。さらに、4年前の退職金辞退も今回のネット投票も「選挙での受けを狙ったポピュリズム(大衆迎合)の手法だ」と書いた。 市長落第をギリギリ回避 トップの写真でも分かるように、投票者は1048人だけ。15歳以上の投票資格者は21万8721人だったそうだから、0.48%の有資格市民しか投票しなかったことになる。私が提案した無作為抽出3000人規模の3分の1、しかも投票動員など結果操作が可能なこの方法では、62.7点という評価そのものにも疑問符が付く。 笑ってしまったのは、10点刻みの投票者数分布だ。0点=119人、10点=52人、20点=27人、30点=41人、40点=24人、50点=90人、60点=82人、70点=133人、80点=160人、90点=101人、100点=219人。0点と100点に塊(かた)まっている。 五十嵐市長は2期目最後の会見で、投票結果の62.7点が市長選の得票率53%よりも10ポイント高かったことを強調した。有効投票率に占める自票の割合と市長の業績に対する評価点を比較すること自体、ピントがずれている。大学時代の評価方法(優:100~80点、良:79~70点、可:69~60点、不可:59~0点)を思い浮かべ、不可(落第)をギリギリ回避できたのがうれしかったのだろう。 市論操作に使えるツール 五十嵐市長は、多額の予算を投じてマイナンバーとネットを活用する投票システムを構築した。元々、市長選挙で使いたかったようだが、選挙を管轄する総務省に反対され、自分の退職金決定に流用した。上で指摘したように、投票機会の公平性に問題があるようなこのシステムでは、総務省が導入を危惧したのもよく分かる。 問題は、市の施策に対する市民の受け止め方を調べるツールとしても使おうとしていることだ。機会の公平性や回答者の姿勢に疑問符が付くようなシステムで市論を操作し、入手したデータを市政運営の理屈付けに使いたいのかも知れない。(経済ジャーナリスト)

サンガイア ホームで東京Vに連勝

バレーボールVリーグ男子のつくばユナイテッドSunGAIA(略称サンガイア、本拠地つくば市)は11月30日と12月1日、つくば市流星台の桜総合体育館で東京ヴェルディ(本拠地 東京都稲城市)との2連戦を戦い、両日とも3-0のストレート勝ちを収めた。これでサンガイアは5勝3敗で東地区4位。次節は7・8日、桜総合体育館でレーヴィス栃木(本拠地栃木県)と対戦する。 2024-25 Vリーグ男子(東地区)レギュラーシーズン(12月1日、桜総合体育館)サンガイア 3-0 東京V25-1125-1725-18 サンガイアは10月26・27日の開幕節では3-2、3-1と苦しみながら勝った相手に、今節は2試合とも3-0の完勝。「少しずつチームとしてまとまり、仕上がってきた。2日間で違うメンバーを出して勝てたことも収穫」と加藤俊介コーチ。 セッターでは新人の森居史和が初のスタメン。正セッターの于垚辰は筑波大女子バレーボール部のコーチも務めているため今節はチームを離れ、全日本女子インカレに帯同、筑波大の大会2連覇に貢献した。 森居は昨年は順天堂大の正セッターとして活躍、だがインカレ決勝では体調不良のため試合に出られず、チームも準優勝に終わった。「去年からちょうど1年ぶりの運命の日の復帰戦。燃えるような気持ちで臨んだ。立ち上がりはボールがうまく手に収まらないなど試合勘に不安があったが、周りのスパイカーがカバーしてくれてトスを上げやすかった」とこの日の感想。「持ち味である強気のトス回しを生かし、いつもとテンポの違う攻撃をしてくれた」と加藤コーチ。 「森居が初スタメンなので、後押しできるよう頑張った。気持ちが乗っていた」と話すのは梅本鈴太郎。第1セット半ばには強烈なドライブサーブで3本のサービスエースを奪い、チームの9連続得点に貢献。他のプレーも好調だったという。 サンガイアは梅本だけでなく、鎌田敏弥や川村駿介らも強烈なサーブやスパイクで得点を重ねた。「ミスをせず攻めるサーブを選手たちに求め、見事1週間で修正してくれた。サーブが機能するとブロックも絞りやすくなり、いい形で守備から攻撃に移れる」と加藤コーチ。東京Vも途中から強いサーブで対抗し、バックアタックも多用して追いすがるが、精度の差がそのままスコアに表れた。 架谷也斗主将は「選手一人一人の努力の結果。全員がやるべきことをやれれば勝つ自信はあった」と話し、次節のレーヴィス栃木戦については「プレシーズンマッチで敗れた相手。チャレンジャーの気持ちで向かっていく」と答えた。(池田充雄)

「キター!」 アイデアを広げて形にするための授業実施 土浦三高

企業製品のデザインを手掛け、多数の特許を出願するなど独自のアイデアを形にするプロダクトデザイナーで、ベンチャー企業「発想法」(東京都港区)代表の黄慶浩さん(33)による、発想力を磨く授業「チート級の発想法体験会」が25日と28日、県立土浦三高(土浦市大岩田)で開かれた。黄さんは「新しいアイデアを生み出すには、ごみくずだと思うようなものも含めて、とにかくたくさんアイデアを出すことが大事」だと語る。 受講したのは同校普通科の1年生約120人。生徒が自ら問題意識を持ち、設定した課題や問いの解決に向けて取り組む「探究」の授業の一環だ。 この日使用したのは、黄さんが開発したA4サイズに近い用紙に横3つ、縦5つのマスが並ぶ「マスオ」という製品だ。蛇腹状に複数のページが繋がっていて、思いついたアイデアをマスに書き入れていく。生徒にはそれぞれ16ページ分が配られた。マスの大きさは、縦が約6センチ、横が約7センチ。正方形型の付箋の大きさに近い。 授業では、2035年の未来世界を想像し、黄さんが用意した課題をもとに、生徒がそれぞれ具体的な社会的な課題解決の形を考えていく。初めから一つの答えを出そうとするのではなく、思いついたことをマス目にどんどん書き連ねる。連鎖的に思考を膨らませていく中で生まれるアイデアをつかみ取るのが狙いだ。書き出すのは文章にこだわらず、単語やイラストなどなんでもいい。書き出す『量』が大事だと黄さんはいう。ページをめくらなければいけないノートでは見えにくい思考の広がりを、蛇腹にすることでいつでも一覧することができるし、離れたところにあるイメージを矢印や線で繋ぎ合わせることもできる。頭に浮かぶアイデアを付箋に書き出すと、一度に全部を見るには張り出すスペースが必要になる。黄さんが製品開発を仕事にする中で、より自由な発想を手助けするために生まれたのが「マスオ」だった。 AIが出せないオリジナルのアイデアを 「現在は、AI技術の発達により、AIが出せないようなオリジナルの発想が高校生にも求められている」と黄さん。「いきなり大きな答えを出さなくてもいい。考えるハードルを下げてもらいたい。思いもよらないアイデアが浮かんだ瞬間に感じる、『キター!』『うわー!』という喜びがある。若い人たちにもそんな、アイデアを出すこと、ものを作ることへの喜びを感じてほしい。自分が手掛けたもので人が喜んでもらえることも、自分にとっての喜びややりがい」 授業に参加した大海瑞希さん(15)は「自分でも思ってもみないアイデアが出てきた。またやってみたい」と言い、ラハマン・サミハさん(16)は「流れるようにアイデアが浮かんできたのが楽しかった」と笑顔を浮かべた。大山雄琉さん(15)は「初めは2、3個しかアイデアが浮かばなかったが、取り組んでいるうちに一つのアイデアから次のアイデアへとどんどん派生していき『ゾーン』に入ったような感覚になった。今回の経験を自分なりの勉強法につなげていきたい」と思いを語った。 土浦三高ではこれまで探究の授業の中で、土浦の魅力をアピールするために市内の商店を結ぶスタンプラリーを開くなど、設定した課題に対して、生徒自身が解決につながるアイデアを形にしてきた。学年主任の市川真人教諭は「自分の考えを『見える化』しながら思考が進んでいくのを実感できる。自分もやってみて楽しさを感じた。探求の授業は2年生になると、それぞれがテーマを決めて1年かけて取り組んでいくことになり、発想が大事になる。テーマを決めかねている人が多いので、その助けになれば」と語る。(柴田大輔)