帝国データバンク
民間調査機関、帝国データバンク水戸支店の「女性登用に対する県内企業の意識調査」によると、県内の女性管理職の割合は、過去最高となったが、8.9%にとどまっていることがわかった。政府が目標と定める女性管理職の割合は30%。
就労人口の減少などから女性活躍が企業にとって不可欠となっている。国も男性の育児休業促進策を盛り込んだ育児・介護休業法を改正するなど環境整備を急いでいるが、現実は疑問が付いているのが実情のようだ。
調査結果によると、従業員全体に占める女性の割合は平均27.5%(前年度比3.5ポイント増)で、比較可能な2014年以降では最高となった。一方で10%に満たない企業も30.6%あった。
女性管理職の割合を企業規模別にみると、小規模企業が平均14.1%と最も高く、規模の小さい企業ほど割合が高い。小売業(15.3%)、卸売業(13.8%)、サービス業(12.9%)は県平均の8.9%より高かった。
しかし建設(8.2%)、製造(5.6%)、運輸・倉庫(4.9%)の3業種は県平均を下回った。企業側は「採用に男女の区別はしていない。だが応募は圧倒的に男性が多い」「現場の仕事が主なので、女性には不向き」と職種を指摘する声もあった。
役員については、全員が男性の企業は50.3%と半数超にのぼった。
女性の就労には男性の協力も不可欠だ。今年6月、出産や育児などによる離職防止、仕事と育児の両立を目的に、改正育児・介護休業法が施行され、来年4月からは男性の柔軟な育児休業取得推進に向けた枠組みが創設される予定だ。
そこで男性の育休取得に関する進ちょく状況を質問したところ、「積極的に取得を推進している」県内企業は7.9%にとどまった。「今後推進する」とした企業は41.2%で、合わせて49.1%と約半数近くになるが、「特に何もしない」と回答した企業も42.9%と4割以上に及んだ。
調査は今年7月、県内企業376社を対象に、景気動向調査と一緒に実施された。有効回答企業数は177社、回答率は47.1%だった。(山崎実)