第103回全国高校野球選手権茨城大会は5日目の13日、5球場で10試合が行われた。J:COMスタジアム土浦の第1試合、霞ケ浦は先発の山名健心が牛久の主戦・平山龍太郎と共に延長10回まで投げ合う展開、最後は四球押し出しのサヨナラ決着となった。
牛久は敬遠策が裏目に

試合はエース同士の投げ合い。中盤までに互いに2点ずつ取り合う展開だが内容は違った。牛久は8回までに8安打を放っており、得点も2回は3安打をつなぎ、6回は単打と長打で奪ったもの。一方の霞ケ浦は8回まで3安打、2回の得点は四球と敵失、5回の得点は死球と単打、犠飛で挙げた。
霞ケ浦の山名は「立ち上がりが悪かった。2ストライクからの変化球が甘く入って打たれ、ピンチの作り方も四球やエラーからと良くなかった。途中からは厳しいコースに投げられるようになった」と振り返った。
打撃について新山秀男主将は「チームとしてはライナーや強いゴロを打とうという意識だったが、徹底できなかった。自分としても高めのボールに手を出し、ポップフライやショートゲッツーになってしまった。切り替えて集中したい」と反省。「相手の緩いボールにどっしり構えられず、少しずつ前のめりになってフライを打ち上げた」と高橋祐二監督。
ようやく試合が動き始めたのは9回。霞ケ浦は2安打と犠打、四球で1死満塁、だがここは後が続かずサヨナラのチャンスを逃す。逆に10回表は1死一・二塁のピンチをつくるが、山名が相手の4、5番に対し最後の踏ん張りを見せて切り抜けた。

そして10回裏、先頭の本橋優太郎がセーフティバントで出塁し、3番・飯塚恒介が右翼線を抜く長打、4番・宮崎莉汰が敬遠で無死満塁。だがこの敬遠策は牛久にとって裏目に出た。5番・日渡謄輝へのフルカウントからの6球目がワンバウンドになり、霞ケ浦に勝ちが転がり込んだ。
「うちは毎年出足が遅いが、それにしても苦しすぎたゲーム。バッティングはちょっとしたきっかけで上がるので、冷静になり調子を上げていきたい」と高橋監督。新山主将は「厳しい展開だったが、勝ち切れたことが大きい。次に向けてもう一度修正し、守備から流れをつくる霞ケ浦の野球をやっていきたい」と気を引き締める。(池田充雄)