【鈴木宏子】県内で最も歴史がある市民公募型の美術展「第70回土浦市美術展覧会(市展)」が19日、JR土浦駅前、アルカス土浦1階の市民ギャラリーで開幕した。日本画、洋画、彫刻、美術工芸、書、写真など市民の力作374点が一堂に展示されている。
昨年11月末オープンした同ギャラリー第2弾のオープニング展として開催された。市展が同ギャラリーで開催されるのは初めてとあって、昨年度より約2割(55点)多い作品の出展があった。市内のほか県南の高校生から80代まで365人の作品が展示された。主催は同市美術展委員会(平田洋香委員長)など。
書家の平田委員長は「今年はそれぞれの部門で大きな作品が増えるなど、力の入った作品が増え、意気込みが感じられる。書の部門では(掛け軸などの)表具の仕方にも工夫が感じられ、(巻物にした)巻子(かんす)のかな作品も初めて登場した」と今年の特徴を話した。彫刻家の磯山芳男委員は彫刻作品について「等身大の作品や、木で魚を彫った木彫、漆を使った乾漆の技法、難しい技術がいる鋳造ブロンズ、テラコッタ(素焼きの塑像)など、いろいろな技法を使ったバラエティーに富んだ特徴ある作品が出てきている」と語っていた。
同展は戦後直後の1947年に始まった。市展を目指して日ごろの制作活動に励む市民も多いという。
友人と訪れたつくば市の無職、唐沢聰さん(70)は「個性を出した、いろいろな表現、技法、技術、描き方があると感じた」などと感想を話していた。
◆入場無料。会期は28日(日)までの10日間。開館時間は午前10時~午後6時(最終日は午後3時まで)。会期中の土日曜(20~21日、27~28日)はギャラリートークが催され、市展委員を務めるプロの作家が会場で鑑賞のポイントなどを解説する。