2012年以来9年ぶりのつくば開催となる日本顕微鏡学会(幾原雄一会長)の第77回学術講演会で、顕微鏡の世界を直接のぞける市民向けイベントが6月13日、つくば国際会議場(つくば市竹園)で行われる。市民公開講座と顕微鏡体験ワークショップの2プログラムで、参加登録、申し込みを受け付けている。
学会は日本の顕微鏡研究者の集まりである公益社団法人。顕微鏡学に関連する話題を取り上げ、最新の研究成果を発表し討論する場として、毎年学術講演会を開催している。今回は6月14日から3日間、同国際会議場で開催する。テーマは「デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の顕微鏡サイエンス&テクノロジー」。
コロナ禍の学会らしく、発表や参加はオンサイト・オンラインを併用するハイブリッド開催となるが、会期前日のプレイベントは開催地域の市民が足を運べる内容で構成した。
観察体験のワークショップ
特に「顕微鏡体験ワークショップ」では、顕微鏡製造会社の協力で走査型電子顕微鏡(SEM)、光学顕微鏡を使って、実際にミクロの世界を観察する機会を提供するという。13日午後2時から4時の日程。先着30人(小学生の場合は保護者同伴)で受け付け中。
これに先立ち午後1時からは公開講座がある。山梨大学名誉教授の大野伸一さんの「人間の血液中の赤血球の形について顕微鏡で調べた話題」、タイニー・カフェテラスの永田文男さんの「顕微鏡で見る昆虫や植物の巧みな構造」の2講演が予定されている。
学術講演会事務局では「つくばには数多くの研究機関や大学が存在し、そこには必ずと言っていいほど数多くの顕微鏡が設置されており、最新の研究に欠かせないものとなっている。新型コロナウイルスに立ち向かう有力なツールにもなっている顕微鏡の世界を、この機会にぜひのぞいてほしい」という。
講演会、ワークショップともに参加は無料。事前登録は日本顕微鏡学会第77回学術講演会ホームページから。(相澤冬樹)