【山口和紀】先月つくば市で行われたキャンペーン「あなたのまちを応援プロジェクト」で還元予定のポイント額が、還元分の予算額6000万円に対して3倍を超える約1億9400万円になったことがNEWSつくばの取材で分かった。キャンペーンは、キャッシュレス決済サービス「PayPay(ペイペイ)」を利用した買い物の購入額の30%を利用者に還元するというもの(2月9日付)。先月1日から28日までの1カ月間行われていた。
1億3400万円分が足りない
市によれば、キャンペーンの条件に該当する決済の総件数は約16万4000回。これらのすべてに対して決済額の最大30%分のポイントが還元されるが、その総額は約1億9400万円相当になるという。
キャンペーンは昨年12月臨時議会で予算化されたが、ポイント還元分としては6000万円が計上されていた。約1億3400万円分が足りなくなってしまった形だ。
つくば市は当初の予算を超過しても打ち切りをせず最後まで続けたが、同様のキャンペーンを先月1カ月の間行う予定だった富山県射水市では、開始10日で予算超過のために打ち切りを決めた。射水市ではポイント還元分として2億円を予算化したが、10日間で還元総額が3億4300万円に達し、2020年度3月補正予算案に3億500万円を追加提案している。
「市の一般財源からの支出はナシ」
今後の対応について、つくば市は補正予算案への追加提案は行わない構えだ。キャンペーンの担当部署である経済部経済支援室の渡邊室長は「事前のシミュレーションの下限値である6000万円をポイント還元分として予算化していたが、今回の結果はシミュレーションの最大値に近い結果となった。想定の範囲内であったことから、予算の超過はしていない。他事業の残額等を流用し対処する」と話す。
ポイントの還元分は市の予算から支出されるものの、「市の一般財源からの支出はない」とされていた。「県と国の交付金を事業費として活用するため」だ。具体的には、国の地方創生臨時交付金及び県の地域企業活力向上応援事業費補助金を用いる。
地域企業活力向上応援事業費補助金は、全体で1億6518万9000円が交付される。市はポイント30%還元キャンペーンのほかに新生児に対する3万円相当のポイント給付などに用いる。国の地方創成臨時交付金の交付額やその使途等の詳細は、現時点では公表されていない。
市の一般財源からの支出は見込まれるかとの質問に対して、渡邊室長は「他事業で支出される金額がまだ確定していないことから、県と国の交付金を超えて、市の一般財源からの支出が必要となるかは分からない。基本的には、県と国の交付金によって事業費をすべて賄う姿勢は変わらない」と回答した。
【訂正】最後の段落「県と市の交付金」を「県と国の交付金」に訂正しました(3月15日)。