【崎山勝功】生活に困窮する大学生やひとり親家庭などを応援する食料の無料配布会が21日、つくば市天久保の松見公園で開かれた。昨年12月から始まり今回で4回目、回を重ねるごとに食料を求める参加者が増え、コロナ禍に伴う困窮の度が極まってきた。主催の学生応援プロジェクト@つくばーPEACE(ピース)は、会場内に相談コーナーを開設、各種支援制度の情報を提供するなどした。
午前11時の配布開始前から、学生や子ども連れを中心に長蛇の列ができ、正午過ぎまで途切れることなく約270人が訪れ食料を受け取った。主催団体によると「途中で帰った人を含めると、実際には400人近く並んだ」という。
相談コーナーは、前回の無料配布会で学生たちから「休業支援金を受け取っていない」という声が相次いだことから開設した。新型コロナによる時短営業で勤務時間を減らされた場合、アルバイトや派遣労働にも休業手当ては支給されるが、制度の周知不足は顕著だった。会場内には休業支援金・給付金の申請用紙を設置。休業支援金や大学等修学支援制度、緊急小口資金などを紹介するチラシ作成し配布した。
飲食店でアルバイトをしている筑波大の女子学生(1年)は「部活動をしているため、(午後8時までの)時短営業の影響を受けてバイトに入れる時間が減った」という。時短営業前は、部活動と時間が重ならないように時間を調整してアルバイトをしていた。また「部活動以外がオンラインのため、部活外でのつながりができない」と人間関係での悩みも抱えている。
「足のケガで膝に水が溜まっている」という男子学生の一人は、「アルバイトのシフトを減らされ、お金が足りない。そのためMRIなどによるケガの精密検査を受けられない」という。
会場には外国人も姿を見せ、ボランティアスタッフらが英語で対応に当たった。男子留学生は、奨学金や親からの仕送りで生活しているが、「母国で仕事に就けたら退学も考えている」と退学を視野に入れている。
ツイッターで配布会を知った、つくば市内の会社員女性(47)は、中学1年生の男子(13)と一緒に食料を受け取りに来た。女性は「勤務時間が減って残業が無くなった分収入が減った。食料があると助かる」と感謝していた。
同団体の冨山香織代表(39)は「(配布会を)やればやるほど切実な声が出てくる。学生さんが孤立しているので、少しでも豊かになってくれれば」と語った。
会場で食料配布ボランティアに従事した高校3年生男子(18)は「コロナ(感染)が始まって1年経つのに、未だに大変な人がいると身に染みて感じた」と話した。高校生は4月から大学に進学するが「せっかく大学に入ったのに、リモート授業ばかりで直接授業を受けられないのが不安」と不安をのぞかせた。
◆土浦でも3月6日に食料配布会
コロナ禍で生活が困窮している大学生やひとり親家庭の生活支援のため、3月6日午前10時から土浦市中村南の三中地区公民館駐車場で「学生・ひとり親支援 食料・日用品無料配布会」が行われる。昨年12月26日に同市東真鍋で開催したのに続き2回目。
主催する「コロナに負けるな!つちうら食料支援プロジェクト」の担当者によると「荒川沖方面にも困っている人がいる」として、今回は同公民館での開催となった。前回は、ひとり親家庭など約50人が来場し、食料を受け取ったという。
配布会の会場では、食料や日用品を無料で配布するほか、生活に困窮するひとり親家庭を念頭に、生活や労働、子育て、介護などの無料相談会も開く。
問い合わせは、事務局の土浦母親大会連絡会(電話029-824-8949)。