【鈴木宏子】ホームページ(HP)の制作を通して、生徒たちが身近な課題に目を向け、解決方法を考えるプログラミング教育の授業がつくば市で今年度から始まった。22日、同市下河原崎、市立高山中学校(若山隆男校長、生徒数264人)で授業が公開され、2年生29人がそれぞれパン屋の社長になったつもりで、売り上げをもっと増やすにはどうしたらいいかを考えながらHP制作に挑戦した。
教育産業が開発したIT教材を積極的に学校に導入し、学校の学び方改革を進めようという経産省のエドテック導入実証事業の一環として取り組む。高山中のほか、春日義務教育学校、東小、吾妻小の市内4校で今年度実施される。
IT企業「ライフイズテック」(東京都港区)が開発した教育教材を用いて、実際のホームぺージ制作で使われている、コードと呼ばれる命令文を入力しながらホームぺージをデザインする。
学校のプログラミング教育は現在、小学校でブロックなどのまとまりを動かしてプログラミング的思考を学ぶ。一方、実際のプログラミングは、テキストコーディングと呼ばれる命令文を入力する方法が主力なことから、実際に使われている技術を学ぶ入り口になる教材だという。
22日は2年の技術家庭科の授業で取り組んだ。まず、パン屋の売り上げをもっと増やすためにHPにどういう機能があったらいいかをグループごとに考え、意見を出し合った。「お客さんが感想や意見を書き込めるようにしたらいい」「手話や音声が付いた動画を載せたら体の不自由な人でも利用できる」などの意見が出た。
続いて1人1台のパソコンを使ってホームぺージに機能を加える作業を進めた。作業画面にはネコのキャラクターが先生役となって登場し、一人ひとりの進捗(しんちょく)に応じて個別にアドバイスしたり、生徒がクイズに答えたりして作業が進んだ。
2年の木村瑛人さんは「ゲームのようなストーリー性がある教材なのでとても楽しい」と話し、朝井七海さん(13)は「機械いじりは苦手だが、ヒントをもらいながらできるので楽しい」と話していた。
指導した柳田誉之教諭(33)は「2021年から技術家庭の学習指導要領に『ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決』が追加される。(今回の教材の)テキストコーディングはかなりレベルの高い内容だが、授業の動機付けとして、より便利なHPにするにはどうしたらいいかを考えた。生徒たちは普段から検索やコメント機能を使っているので、双方性の良さに気付いてくれたと思う」と話していた。
今年度の授業の最後には、生徒一人ひとり、オリジナルのHPをつくるという。