【池田充雄】プロ野球独立リーグのルートインBCリーグで活動する、茨城アストロプラネッツのホーム開幕戦が21日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で行われた。今季リーグ初参戦の神奈川フューチャードリームスに2-6で敗れ、前日のアウェー開幕戦と合わせ、1分1敗という悔しいスタートとなった。
4回に一挙4点を失う
新型コロナの影響で約2カ月半遅れの開幕を迎えたBCリーグ。試合前の挨拶で茨城の上杉泰賀主将は、野球ができる喜びと医療関係者への感謝を語った。
ホーム開幕戦の先発を務めたのは小沼健太投手。自粛期間中も状況をポジティブにとらえ練習に専念したという。「オープン戦の延長のつもりで初回から飛ばした」と3回まではいずれも3人で抑える立ち上がり。3回裏に茨城は2死一、三塁から井川翔のタイムリーで1点を先制。低めのボールをうまくすくい上げ、センター前へと運んだ。
しかし4回表、神奈川の逆襲に遭う。連続ヒットで無死一、三塁とされ、3番打者の打球は併殺コースだったが二塁・松浦大知のファンブルで同点。さらに2点タイムリーと犠飛で計4点を失う。「走者が出て考えすぎて配球がばらばらになり、そこを突かれてあたふたしてしまった」と小沼。自粛明けで実戦不足の影響が出たようだ。
茨城は6回裏、上杉主将の右越え三塁打で1点を返し2-4とするが、9回表には3人目の日下滉貴が無死一、二塁から右越え二塁打を浴び、ダメ押しの2点を失って試合を終えた。
5-5で引き分けた前日の埼玉武蔵ヒートベアーズ戦(熊谷さくら運動公園野球場)と合わせ、1分1敗のスタート。坂克彦監督は「相手が必死に抑えようとしてくる中、漠然と打ちにいっても勝てない。自分の打席だけでなく9人全員の対戦データを活用し、頭を使って打ち崩してほしい」と打線にさらなる奮起を促した。
独自の運営テストも実施
試合は無観客で開催されたが、スタンドにはチーム関係者のほか、「有観客を想定した運営テスト」に協力した約15人のモニター観戦者がいた。
このテストは茨城アストロプラネッツ独自の試み。来るべき有観客試合の開催に向けて、観客の安心安全を確保しつつ試合を盛り上げられるよう、どのような問題点があるのか把握し、改善につなげるため実施した。
内容は入場から観戦後の退場までの導線確認や、ソーシャルディスタンスを保った観戦時の座席感覚の確認、適切な応援方法の確認など。観戦者はファンクラブ会員から募集し、試合後はインターネットでアンケートに答えてもらい、その結果を対策に反映させていく。
テストは今後も毎回のホームゲームで行っていき、7月10日を目途に有観客試合に移行したいとの考え。新型コロナウイルスの収束度合は地域によって異なるため、判断は各球団に任されている。