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【新型コロナ】「一律にいかない」 休校に戸惑うつくばの学校現場

【橋立多美】新型コロナウイルス感染症対策から小中学校の休校が6日に始まるつくば市で、最後の登校日となった5日、市立茎崎第三小学校(同市小茎)の鮏川誠校長に休校に向けた取り組みを聞いた。

低学年の保護者ほど登校希望多い

政府が3月2日から全国すべての小中高校などを臨時休校するよう要請したのに対し、つくば市は5日まで通常登校による準備期間を設けた。鮏川校長は「限られた4日間で休校に対処し、どう6年生を送り出すかと苦労した」と話す。突然の臨時休校の決定に戸惑いつつ、全学年で授業の終わっていない教科に時間を割くなど、授業の穴埋めを新年度に持ち越さないよう対応したという。

その一方で教師らは休校中の宿題のプリント作りに追われた。校長は「長期の休校が児童にとってプラスになるよう、一律ではなく児童のレベルに応じた宿題になるよう配慮した」とも。

休校中、保護者の仕事の都合などで児童の面倒を見ることが困難な場合は学校が受け入れる。授業は行わないが自主学習となる。保護者に登校の有無を問う「調査票」を配布した結果、同校は全校児童215人中、67人が登校を希望した(31%)。6年生4人に対し、1年生は12人で低学年ほど登校を希望する保護者が多いという結果だった。

「核家族で働いている保護者が多い。低学年の子どもほど保護者は心配する。その表れでしょう」と校長は推測する。市教育局教育指導課まとめで、同市の公立小学校で登校を希望した児童数は7,034人(47.3%)、中学校は740人(12.5%)だった。

地区ごとに臨時登校班を編成

自主学習は朝8時過ぎから午後3時まで。教師は休校中も通常通り勤務し、自主学習を支援する。学年ごとのクラスとし、感染防止のために机の間隔を広くとって手洗い対策を徹底する。また図書室での読書や外で体を動かすなど、息抜きに心配りをするそうだ。

通常、登校は8時前後の25分間だが自主学習の登校は8時からの10分間に絞った。通学路を1人で歩いて事件に遭遇しないよう集団で登校する登校班が機能しないためで、地区ごとに臨時登校班を編成してボランティアに登下校時の見守りを依頼した。下校は午後3時から速やかに行われる。

6年生の最後の授業が終わり、教室に入った校長は「卒業式は簡素化されてゆっくり話す時間がない」とした上で、「学校生活が急変したが困難を乗り越える経験はプラスになる」とエールを送った。

小4と中2の子どものいるが休校中の登校を希望しなかった会社員の女性(43)は「休めば同僚に迷惑をかける。家に子どもがいれば食費も暖房代もかかるし火事などの心配もあるが、感染リスクを考えて家にいさせることを選んだ」と複雑な思いを話した。

給食費の扱いも細大漏らさず

混乱は学校現場だけではない。給食に関わる事務を担当する市健康教育課も、前例のない事態に直面している。

給食費は6日以降の登校を希望した場合は月額とされ、希望しない場合は2日から5日までの日額で徴収される。が、3月の給食費は2月分と一緒に金融機関から引き落とされており、登校しない場合は返金される。

児童の年齢によって摂取量が違うため学年で給食費は異なる(小1、2年は月額4100円、1食単価240円)。またアレルギーや宗教に配慮した給食費にも違いがある。同課の職員は「ミスは許されない」と気を引き締める。

同市教委によると、市内の小学校は18日、中学校は12日に卒業式を行い、小中学校とも修了式は24日に行う予定。卒業式は飛沫感染が心配される合唱などは行わず、在校生は出席しない。修了式は各教室で全校放送で実施され、担任から修了証(通知票)を受けとる。

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