【池田充雄】第101回全国高校野球選手権茨城大会は24日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝2試合が行われた。第1試合は霞ケ浦が初回の大量点で波に乗り水城を6対2で下した。第2試合は常磐大が打撃戦を制し5-3で水戸商に勝利。いよいよこの2チームが甲子園への切符を懸けて激突する。決勝戦はあす25日午前10時から、ノーブルホームスタジアム水戸で開催される。
準決勝第1試合は1回表、霞ケ浦が相手投手の立ち上がりを突いて4点を奪った。1死の後、守備の送球エラーと2者連続四球で満塁となり、5番・仕黒大樹が左中間二塁打で2点を先取。スリーツーからの甘いストレートを叩いた。「チャンスで打順が回り、絶対打ってやろうと思った。真ん中にいいボールが来てくれた」と仕黒。続く6番・小早川健人もきれいなセンター返しで2者を返した。
だが1回裏は、死球と送球エラーでいきなり無死二、三塁のピンチを迎える。「立ち上がりは制球が定まらなかった。1点はしょうがないという気持ちで、あわてずに一つ一つアウトを取れた」と先発の山本雄大。山本は2回以降も先頭打者を出しながら後続をしっかりと抑え、5回を無失点でしのいだ。

霞ケ浦に追加点が生まれたのは5回表。単打2本と送りバントで1死二、三塁とすると、代打・川島諒也の左翼への犠牲フライで1点を追加。また6回にもセーフティバントと送りバントで1死二塁とし、1番・天野海斗の左越え三塁打でさらに1点を追加。6-0とリードを広げる。

6回裏からはエース鈴木寛人がマウンドへ。だが立ち上がりに3連打を浴びてたちまち2点を失う。「力が入りすぎてフォームが乱れてしまった。守備陣がよく守ってくれた」と鈴木。その後は立ち直って切れの良いピッチングを披露。ストレートを見せ球にスライダーを効果的に使い、8、9回はいずれも3者凡退で締めくくった。
これで霞ケ浦は3年ぶりの決勝進出。前回は土浦日大に延長15回で敗れており、その悔しさを今の3年生は忘れていない。「決勝は何があるか分からない。それを経験して今ここにいる。ピンチのときにあせらず、チャンスのときこそ落ち着いていく。試合を重ねるごとにその自信がついてきた」と仕黒。高橋祐二監督は「平常心で精一杯頑張りたい。勝ち負けは後からついてくる」と、無欲で挑む心境を明らかにした。
