【池田充雄】第22回県サッカー選手権兼天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権県代表決定戦は11日、水戸市のケーズデンキスタジアム水戸で決勝戦が行われ、流通経済大学サッカー部(龍ケ崎)が1―0でつくばFC(つくば市)を下し、県代表として天皇杯出場を決めた。
流経大は後半27分、交代選手3人が連携して決勝点を奪った。FW金原朝陽が奪い、FW齋藤聖七が上げたボールに、MF加瀬直輝が飛び込んだ。「サイドにボールが入ったのを見てトップスピードで中へ入り、クロスに相手より先に触った」と加瀬。ヒザ下に当てたボールはループ気味に浮き、GKの伸ばした手を越えてゴール隅に決まった。つくばの小松祐己監督は「失点まではゲームプラン通りだったが、疲れでミスが出てカウンターを受けた。相手は控えにもいい選手がいた」と、力の差を認めた。

前半、ボールを支配する流経大に対し、つくば慎重な立ち上がりで相手の出方をうかがっていた。「流経大がサイドから攻撃的に来ることは予想していたので、はがされず我慢しながら、相手がじれてくるのを待った。狙い通り、相手は次第にラストパスやサイドチェンジが雑になっていた」と小松監督。
流経大の中野雄二監督は「つくばは押し込まれても失点を防げるような、要所要所での守備がチームに浸透していた。ボールを支配していてもパスや動きに緩急がなければ、ブロックを作られ攻めあぐねてしまう。若い選手を入れることで動き出しが早くなり、縦に仕掛けられるようになった」と、交代の要点を語る。
つくばの司令塔、MF下重優貴は「相手は後半、ビルドアップのボールを前からさらおうとしてきた。70分くらいから全体の集中が落ち、いなしきれなくなってしまった。うちにもチャンスはあったので、決めていればどっちへ転んでもおかしくないゲームだった」と悔しがる。

今大会、つくばはクラブ初の決勝進出を果たし、あと一つで優勝の快挙を成し遂げるはずだった。FW川島みざきは「天皇杯に向けて全員が強い気持ちを持ち、チームに一体感があった。終盤、相手が10人になって流れがきていたが、そこで決めきれなかった。来年は、いいゲームで終わらせたくない」と言葉に力を込める。
勝利した流経大は2年連続10回目の天皇杯出場。1回戦は26日に北海道代表(12日に決定)と対戦し、勝ち上がれば7月3日の2回戦で浦和レッズと戦う。本村武揚主将は「浦和は昨年の優勝チームで、うちのOB(宇賀神友弥、武藤雄樹)もいる。こういう相手と真剣勝負ができる機会はなかなかない。そのためにもしっかり1回戦を勝ち上がりたい」と、大会への意気込みを語った。