水曜日, 3月 18, 2026
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精度を高めて「フェイズ3」入り KEK、BelleⅡ実験を再始動

【相澤冬樹】高エネルギー加速器研究機構(つくば市大穂、山内正則機構長)は11日、小林誠、益川敏英両博士のノーベル物理学賞受賞に結びつく成果を残した加速器、KEKB(ケックビー)の後継機であるSuper(スーパー)KEKBを再始動、Belle(ベル)Ⅱ実験は新たなステップ「フェイズ3」に突入した。

同実験は26の国と地域から900人を超す研究者が参加する国際共同実験。地下11メートルに周長約3キロの衝突型加速器が設置されており、電荷の異なる電子・陽電子をそれぞれ7GeV(ギガ電子ボルト、1GeVは10億電子ボルト)、4Gevのエネルギーで加速し、正面衝突させる。このときB中間子・反B中間子が対で生成され、短時間で崩壊するが、その模様は衝突地点に設けられた検出装置BelleⅡで追跡される。

シールド遮へいされビーム入射を待つBelle II 測定器(中央青い枠が見える)

この衝突エネルギーは、欧州原子核研究機構(CERN)の LHC加速器に比べると小さいものの、大量の衝突反応データ生成によってカバーする。ルミノシティ(衝突頻度)重視の設計という。陽子・反陽子衝突のLHCに比べ、電子・陽電子衝突はバックグラウンドで騒がしい存在となる余計な素粒子を生成しないため、B中間子崩壊の追跡を容易にする。

2010年から大改造に着手されたSuperKEKBは、16年の試運転の「フェイズ1」、18年に初衝突を記録した「フェイズ2」と準備・調整を進めてきた。昨年7月以来の再起動となるフェイズ3では、KEKBが持つルミノシティの世界最高記録を40倍にまで高める計画。11日午後1時すぎ、制御室で始動のキーが入った。調整運転の後、ビームは衝突型の円形加速器に入射される。この先、断続的に運転を続け、早ければ1年後にはルミノシティの目標数値をたたき出したい構えでいる。

B中間子崩壊から新物理探求

ビームを待つBelleⅡ側ではフェイズ2後に、バーテックス検出器(VXD、崩壊点検出器)が取り付けられた。B中間子が崩壊した場所を測定するための検出器で、時間経過を追って観測できるのが特色。今後数年かけてBelle実験の約50倍のデータ量を蓄積し、精度を高める。「小林・益川理論」の新たな証明ばかりか、標準理論の発展型に至る道筋が見つかるかもしれない。

KEK素粒子原子核研究所、中尾幹彦教授は、BelleⅡ実験では宇宙初期に隠された新しい物理法則の発見が期待されるという。「たとえば宇宙のダークマター(暗黒物質)探しでは、これまでアクシオンのような極めて小さい質量の領域か、極めて質量の重い超対称性粒子(SUSY粒子)が候補になってきたが、案外中間領域は調べられていなかった。BelleⅡで測定可能な質量かもしれない」と狙いの一端を語った。

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葛城地区周辺11カ所440ヘクタールを区域指定 つくば市 住宅供給に期待

TX沿線開発地区周辺で初 つくば市は6日付で、つくばエクスプレス(TX)沿線開発地区の葛城地区周辺おおむね1キロの11カ所計440ヘクタールを区域指定した。同周辺地区は市街化を抑制する市街化調整区域のため、これまでは特定の要件を満たした土地所有者しか住宅を建てることができなかった。指定により、土地があればだれでも住宅などを建てることができるよう都市計画法上の位置づけを変えた。TX研究学園駅周辺の葛城地区(約484ヘクタール)に匹敵する面積となる。 同市がTX沿線開発地区周辺で区域指定を実施するのは葛城地区周辺が初めて。今後、他の沿線地区周辺でも区域指定を実施するかどうかについて、市開発指導課は、葛城地区の区域指定後の住宅の貼り付き状況などをみて検討したいとしている。 今回の区域指定によって建築できる建物の用途は住宅や店舗などで、高さは3階建てに相当する10メートルまでなど。11カ所440ヘクタールは現在すでに集落や住宅、店舗などが立地し、空き地や畑などが混在している。TX沿線は地価上昇が続いている中、今後は区域指定エリアの空き地などに住宅が建ち、より買い求めやすい住宅が供給されることが期待されている。 区域指定制度は、2000年の都市計画法改正で既存宅地制度廃止に伴って新たに設けられた制度。県内では猶予期間を経て06年に既存宅地制度が廃止され、つくば市では07年度から運用が始まった。運用開始に伴って同市は市内全域を調査し、①40戸以上の宅地が連続して建っている②市街化区域から概ね1キロの範囲内にある③人口が減少している集落内にある④宅地率が概ね40%以上である⑤道路や下水道が整備されているーなどの要件がある地区を対象に、これまで市内で計約1700ヘクタールを区域指定してきた。 一方、TX沿線開発地区についてはこれまで、区画整理事業が進んでいたことから区域指定から除外していた。葛城地区では2014年度に換地が実施され、18年度に区画整理事業が完了、現在、住宅が8割以上貼り付いていることなどから、「つくばに住みたいと思っても住めないという声を踏まえて」(市開発指導課)区域指定を実施した。 一方で、土地区画整理事業で開発された葛城地区は、道路や公園、公共施設や学校用地が確保されるなど公共投資により計画的なまちづくりが進められてきた。これに対し区域指定エリアへの新たな公共投資は予定されておらず、民間投資で開発を実施することになる。(鈴木宏子) 【訂正18日17時】第4段落、市内のこれまでの区域指定面積を1700ヘクタールに訂正しました。