火曜日, 6月 3, 2025
ホームつくば雨の中、遺児ら進学支援訴え 秋のあしなが学生募金始まる

雨の中、遺児ら進学支援訴え 秋のあしなが学生募金始まる

病気や事故、自殺などで保護者を亡くした遺児の進学支援を訴える「第95回あしなが学生募金」が21日、つくば市吾妻のつくば駅前など県内2カ所で始まった。朝から雨が降り、学生スタッフたちは雨がっぱを着て、道行く市民に募金を訴えた。

県内の学生スタッフが不足しているため、つくば駅前では、あしなが奨学生で新潟青陵大学3年の大平京夏さん(21)が新潟県からつくば入りして支援を訴えた。この日県内から参加した学生4人はいずれも水戸駅前で募金活動をしているという。

大平さんは父親を亡くし、高校生のときから奨学金を借りている。大学進学後の現在はあしなが育英会から月4万円、日本学生支援機構から月8万円借りているが、大半を大学の学費に充てており、日々の生活費はアルバイト代月4~5万円とパートで働く母親の若干の仕送りが頼り。「学費と教科書代の出費が痛い」と窮状を口にする。

「まだ支援が行き届いていない子どもたちが国内にまだいることを訴えたい」と話し「衆院選で大学授業料無償化などの議論があるので(教育問題に)世間の注目が集まるかも」と期待を寄せる。

午後からは、つくば市に住む私立高校2年の梅原萌乃さん(17)が募金活動に加わった。梅原さんは「奨学金をもらえなかったら今の高校を辞めて他の学校に行かないといけなかったのでありがたい」と感謝し「将来は管理栄養士になりたいので、大学か専門学校に進みたい」と夢を語った。

募金活動は22、28日にJR取手駅前で行われ、遺児らが街頭に立つ。(崎山勝功)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

何のために悩んでいるのか?《続・気軽にSOS》161

【コラム・浅井和幸】悩みは人それぞれ。悩む目的も人それぞれ。自分がより良く生きるために悩むのか。それとも周りの人を笑顔にするために悩むのか。自分の苦しさを増やすために悩むのか。それとも相手を苦しめてやろうと悩むのか。 悩み方も人それぞれ。心身の調子を崩して悩んだり。悩むこと自体を楽しみに悩んだり。「どうしてこんなにつらいんだ」という言葉を繰り返しているだけの悩みだったり。嫌な人や物事を思い続ける悩みだったり。 悩んでいる部分も人それぞれ。自分ができる選択肢で悩む人がいる。自分ではどうすることもできない遠い世界のことで悩んでいる人がいる。自分がほとんど影響を与えられない物事で悩んでいる人もいる。 どうしてそんなに悩んでいるの?と聞くと、こんなにひどい環境なんだから悩んで当たり前だろうと回答がある。何を目的に悩んでいるの?と聞いても、目的なんてない、苦しいから悩んでいるんだと返ってくる。 つまり、目的があって悩んでいるのではなく、苦しいから悩んでいるのだという人が多くいるということ。それでも相談室にわざわざ来て料金まで払って来るのだから、苦しさの緩和とか楽しさの増加とかを望むのではないかと決めつけるのは浅はかなこと。 不幸になるために悩んでいる? 多くの人は、苦しくて悩んでいることが悪いことではなく、当たり前のことだ、普通のことだ、一般的なことだ、正しいことだという証明、そのままでよいという許可が欲しいということが、短期的な目的ということも多いものだ。 もちろん、その短期的ということについて、当人は「最終目的」だと感じている。その「最終目的」を達成した後に、時には次の目的が生まれてくることがある。それが、苦痛の緩和や喜びの増加のための悩み。 言葉にすると反発されやすいが、不幸になるために悩んでいるのではないかと感じられる悩み方をしている人は多い。追い詰められると「~するしかない」という口癖とともに、さらに苦しむ時間を増やすループにはまりやすい。 事実を見つめ、できれば喜びという目的に近づく、増やすような手伝いをしたいと考え、思い悩む日々なのです。1人でも多くの人が、今よりも少しだけ力を発揮して、今より少しだけ明日に希望の持てる時間と空間を増やせることを願わずにはいられないのです。(精神保健福祉士)

1日40万人超え過去最高に TX 乗車人員 コロナ前の水準に

2024年度営業実績 今年8月開業20周年を迎えるつくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区、渡辺良社長)は2日、2024年度(24年4月-25年3月)の営業実績を発表した。1日平均乗車人員は前年度比5.3%増の40万3000人と40万人を初めて超え、過去最高となった。これまで過去最高だった19年度の39万5000人を超えるなどコロナ禍前の水準に戻り、記録を更新した。 同社は、沿線の人口増加が寄与したとしている。2024年度の年間乗車人員は1億4598万3000人。 利益剰余金、過去最高に 24年度決算は、乗車人員の増加に伴い運賃収入など本業で稼いだ営業収益は前年度比6%増の479億4100万円、一方、本業にかかった経費である営業費は、人件費やレールの交換など鉄道施設の修繕工事経費などが増加したことから同比4.4%増の382億4000万円になった。 この結果、本業で稼いだ営業利益は同比12.7%増の97億100万円、通常業務で得た経常利益は同比14.5%増の71億9500万円となり、当期純利益は同比1.2%減の59億9400万円と3期連続の黒字となった。ここ10年間ではコロナ禍の20年度、21年度の2年間を除いて黒字経営が続いており、利益剰余金残高は過去最高の136億600万円となる。 一方、鉄道・運輸機構からの借入金である総事業費8000億円の建設資金のうち、24年度は194億円を返済する予定。これにより同機構に対する借入金の残りは3968億円になる。 同社は、乗車人員の増加に伴う混雑緩和のため車両を6両から8両編成にしたり、鉄道設備や車両の更新など経年劣化対策に取り組んでおり、「今後も安全輸送を徹底すると共に、充実したサービスの提供や経営基盤の強化に取り組む」としている。(鈴木宏子)

本サイトへのアクセス状況を分析する 《吾妻カガミ》207

【コラム・坂本栄】本サイトはつくば市と土浦市を中心とする地域の話題とテーマ自由のコラムで構成されています。周辺市町村の話題も取り上げていますが、ほとんどが両市の行政や催事・人物紹介の記事です。このため、本サイトにアクセスするのは両市の人がほとんどと思っている方が多いと思います。実はそうではありません。他の地域から来訪する方がかなりの数に上ります。 県内だけでなく全国から来訪 5月中旬にNPO法人の年次総会を行った際、編集担当者が2024年度(2024年4月~2025年3月)のアクセス概況をまとめました。それによると、つくば+土浦からのアクセスを10とした場合、東京4区(新宿+渋谷+千代田+港)からのアクセスが5に上りました。主要市(大阪+札幌+横浜+名古屋+福岡)からやって来る方は8ですから、本サイトは全国的に読まれていることになります。 ローカルのニュースを扱っているのに、どうして全国から訪れるのか? ①学園都市エリアに対する関心はこの地域にとどまらない(あるいは東京通勤者がオフィスで読んでいる)②このエリアで仕事をしていた人が東京に戻り(あるいは全国に散らばり)元勤務地の話題に関心を持っている―などが考えられますが、正直なところよく分かりません。 ちなみに、県内主要市町(水戸+牛久+阿見+取手+筑西+石岡+守谷+龍ケ崎+つくばみらい+古河+下妻+常総+ひたちなか+日立+かすみがうら)からのアクセスはつくば+土浦とほぼ同数でした。水戸からのアクセスは土浦並みでしたから、「県都」の方々の学園都市エリアへの関心の強さが分かります。 こういった分析結果=本サイトの記事はつくば+土浦エリアだけでなく県内はもちろん全国の方々に関心を持たれている=はサイト運営のヒントになります。つまり、購読者や視聴者エリアが限定されるローカルの新聞や放送と違い、Webメディアは地域情報を全国に発信する機能も持っており、サイト運営に当たっては「地域情報の全国発信」を意識する必要があるということです。 土浦のイベント類に強い関心 アクセスが多かった上位7記事を紹介すると、①開催を中止 土浦全国花火大会(24年11月1日付)②五十嵐氏が星田氏破り3選 つくば市長選(同10月28日付)③内部告発で分かったつくば市政の実態【吾妻カガミ】(同9月30日付)④県案の土浦スマートIC 国交省がゴーサイン(同9月6日付)、⑤聖地土浦に巨大ロボット立つ アニメ「パトレイバー」(同8月3日付)⑥道の駅 市内2カ所に整備も検討 つくば市(同12月9日付)⑦霞ケ浦湖畔で音楽フェス 5年ぶり野外開催(同9月19日付)―の順でした(青字部を押すと記事が現れます)。 土浦の花火中止記事へのアクセスは6万を超えましたから、全国の方々の関心も強かったようです。土浦のイベント類がベスト7に3本も入ったのは予想外でした。つくばの市長選挙結果や市政は地域だけでなく全国の関心を集めたようです。 残念だったのは、昨年度の記事(コラムを含む)掲載本数が1日平均2.15本にとどまったことです。7年半前の本サイト創設発表の際、1日平均3本(朝昼晩各1本のイメージ)を目指すと述べたことを思い起こすと、「1食抜き」に近づきました。(NPO法人NEWSつくば理事長)

ドストエフスキーに魅せられて 清水正さんの軌跡《ふるほんや見聞記》5

【コラム・岡田富朗】元日本大学芸術学部教授の清水正(まさし)さんは、1949年に千葉県我孫子市に生まれました。清水さんが<批評>に目覚めたのは、小学生の頃と言えるかもしれません。時計の読み方を理解できなかったことがきっかけで、「<時間とは何か>を考えるようになった」そうです。 この頃から、本を読んで知識を得るのでは無く、あくまで自分の頭で考え、自分の納得のいく解答(解釈)を求め続けるタイプで、それは現在も変わらないそうです。 清水さんは17歳の時、太宰治の『如是我聞』に出合い、太宰作品に深く没頭します。死が親しいものとなり、「これが文学というものなら、わたしも一生を文学に賭けてもいいな」と思い、最初の小説『青蜻蛉(トンボ)』を執筆しました。そのテーマは<芸術と死>でした。 本気で小説家を目指しましたが、同じ年にドストエフスキーの『地下生活者の手記』を読んで衝撃を受け、以来、ドストエフスキー文学の研究にのめり込むことになります。清水さんにとって<読む>ということは批評するということであり、ドストエフスキーに関する作品批評は膨大なものとなりました。 ドストエフスキーについての初の著書『ドストエフスキー体験』を20歳の時に刊行し、19歳の時にはすでに『白痴』についての論考を書いていました。 怒りと悲しみを抱えて かけがえのない人の死に立ち会いながら、怒りと悲しみを抱えて書き続けてきた清水さんが語った「書くことは祈りである」という言葉には、人生そのものを賭けて文学に向き合ってきた重みがにじみ出ています。 そして今、誰も成し得なかった偉業『清水正・ドストエフスキー論全集』全11巻を完成させた清水さんは、なおも筆を執り続けています。ドストエフスキーという偉大な山を登りながら、そこから見渡す風景の中で、現代文学にも目を向け、鋭い批評を続ける著書は一読に値します。 清水さんは、大正4年(1915年)に我孫子に移り住んだ志賀直哉をはじめ、宮沢賢治、林芙美子などの批評も行っています。そのほか、「つげ義春を読む」「阿部定を読む」「世界文学の中のドラえもん」「今村昌平を読む」「宮崎駿を読む」「土方巽を読む」など、多岐にわたる著書を執筆されています。(ブックセンター・キャンパス店主)