【相沢冬樹】2019年の「いきいき茨城ゆめ国体」に向け、阿見町(千葉繁町長)が整備してきた霞ケ浦セーリング特設会場がこのほど完成し、19日現地に関係者を招いて開所式が行われた。26日からは国体のリハーサル大会となる全日本選手権3大会が3日間の日程で組まれている。
特設会場は、同町大室の霞ケ浦高校大室グラウンドの一画約2万4000平方㍍を借り受け、霞ケ浦りんりんロードをはさんで湖岸堤にせりだす格好で整備された。一部湖内のしゅんせつを施した上、湖岸部には長さ60㍍の浮桟橋と2本の仮設桟橋、幅80㍍×奥行40㍍のスロープが建設された。
陸上部には艇置き場として2人乗り用(ダブルハンド)、1人乗り用(シングルハンド)各188艇分の区画を設け、人工芝を張ったウインドサーフィン用エリアも整備された。2階建てと平屋造のプレハブ本部棟(合計710平方㍍)や艇庫、イベントテント、売店テント、身障者向けを含む仮説トイレなどを設けている。
陸上施設は国体が終われば原状回復して高校側に戻すため、路盤も簡易舗装で車両の乗り入れなどはできない仕様。駐車場は設置されず、観客輸送は土浦駅発着のシャトルバスでまかなうことになる。
観客輸送を含めた大会運営のリハーサルのため、26日から3日間の日程で高松宮妃記念杯第64 回全日本実業団ヨット選手権、第 20 回全日本セーリングスピリッツ級選手権、2018 年全日本セーリング選手権の3大会が開かれる。これに先立っての開所式で、県セーリング連盟の関係者は「これほど観戦しやすい会場はない」と太鼓判。ヨシの残る水辺から土浦市街地越しに筑波山が展望できる風景などが評判だった。
千葉繁町長は、「国体のための特設会場だが、湖岸のスロープと桟橋の一部は残るということなので、大会後も活用を図り親水空間づくりの足がかりにしていきたい」と意欲をみせた。19年国体のセーリング競技は9月29日~10月2日の4日間が会期、成年男子・女子、少年男子・女子の4種別で10競技が行われる予定だ。