
【田中めぐみ】筑波大学(つくば市天王台)が、障害のある学生の勉学を支援するためクラウドファンディングで出資を募っている。大学で学ぶ障害学生は近年、全国的に増加している一方、支援が足りていないという。同大は「プロジェクトを多くの人に知っていただくことで、共生社会のために何ができるか、考えるきっかけになれば」としている。
日本学生支援機構の調査によると、国内の大学などに在籍する障害学生は近年増加している。2017年度は全国で約3万人、これは全学生の約1%で、割合は依然として少ないが、14年度が約1万4000人(約0.4%)だったのと比較すると急増している。
背景には16年4月の障害者差別解消法施行がある。障害のある人も無い人も互いを認め合い、共生できる社会をつくることを目指して制定された法律だ。施行後、各大学で障害学生数の把握が進み、増加につながったと推測されるという。
筑波大学は開学当初から多くの障害学生に門戸を開いてきた。01年度には「障害学生支援委員会」を、07年度は「障害学生支援室」を設置、15年に「ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター(DACセンター)」に組織再編し、全ての障害学生に就学支援がなされ、合理的な配慮がなされるよう運営を行っている。

しかし支援は十分ではない。例えば全盲の視覚障害学生は、資料や文献を読む際にパソコンの読み上げソフトを使ったり、点が浮き上がり点字を表現する点字ディスプレイという機器を用いる必要があるが、器機は高額で全ての希望者に行きわたっていないのが現状だ。
また肢体不自由の学生は、授業以外でも論文執筆の支援や、移動、食事、排せつなどの介助が必要だが、介助サービスをしてくれる事業所は少ない。周りの生徒に頼むとヘルパーの初任者研修受講が必須となる。受講料は高く、国からの交付金だけでは賄いきれない。
こういった現状を解決したいと、筑波大学はクラウドファンディングプロジェクトを行っている。DACセンターの佐々木銀河准教授は「障害は人そのものにあるというよりは環境によって生まれる。支援を整え、受け入れる環境があれば、社会的な障壁は無くなる」とし「いろいろな立場の人が学べ、多様性を尊重できる大学を目指したい」と話す。
プロジェクト「障害のあるなしに関わらず、共に学び合えるキャンパスへ」の実施期間は31日まで。目標金額120万円に対し、9月26日現在60万4000円集まっており、達成率50%。詳細はhttps://readyfor.jp/projects/tukubadac
◆DACセンターは多様性を受け入れる共生キャンパスを目指し、10日(水)~12日(金)、同大で「ダイバーシティ・ウィーク2018~多様性がひらく未来」イベントを開催する。詳しくはhttp://www.tsukuba.ac.jp/event/e201809201720.html