【橋立多美】つくば市森の里団地の脇を流れる谷田川にすみつくコブハクチョウが、釣り人が放置した仕掛けが足にからまって傷を負ったが、団地住民と市環境保全課の連携プレーで事なきを得た。
コブハクチョウの写真を撮り続けている同団地の富樫次夫さん(67)が26日夕方いつものように撮影に行くと、生息している7羽のうちの1羽が左足にからんだ針と糸を取ろうと必死にもがいていた。
すぐに倉本茂樹自治会長を通じて市環境保全課に連絡し、同課の職員2人が捕獲用の網を持って駆け付けた。ところがビックリしたコブハクチョウに逃げられて捕獲に失敗した。
翌27日午前9時半、住民が見守る中で2度目の捕獲が成功した。ペンチで足に絡まった糸と足の付け根に刺さった針を除去し無事救出作戦が終わった。同課職員は「針を取ろうとくちばしで引っ張ったせいで、くちばしの一部が引きちぎられて血が出ていた。疲れ果てたのかヨタヨタした状態だった」と話した。
その後コブハクチョウは同団地の住民から餌をもらい、安心した様子で仲間のところに泳いでいった。富樫さんは「ここはブラックバスやコイを釣りに来る人が絶えない。これまでも釣り人が持ち帰らない釣り針や糸がからんで死んだコブハクチョウがいる。放置せずに持ち帰ってほしい」と力を込める。
同課は、今回のような人為的な出来事に対処しており、「釣り人のマナー向上」を呼びかける。