【鈴木宏子】高齢者のニセ電話詐欺被害を防ごうと土浦市は、振り込め詐欺などを撃退する「自動通話録音装置」計100台を高齢者世帯などに無償で貸し出している。県のモデル事業の一環で、取り組んだのは県内で初めてという。
固定電話に装置をつなぐと、着信時に「この電話は振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため会話内容が自動録音されます」というアナウンスを発信者に流し、すべての会話を高音質で録音する。さらに装置の赤いボタンを押すと、あらかじめ登録していた近親者など4人に順に緊急を知らせる録音メッセージを届けたり、非通知電話を着信拒否するなどの機能もある。録音した会話は警察に提出すれば声紋分析が可能で捜査に役立てることができるという。
65歳以上の高齢者世帯のほか、日中、高齢者だけになる世帯などに貸し出す。
市生活安全課によると、県内のニセ電話詐欺の認知件数は今年6月末までの半年間で155件と前年同期と比べ48件減少、被害額は計約1億4800万円と同比1億1900円減っているという。
同市は8月から貸し出し受付を開始。現在、第2期分として9月4~28日まで申し込みを受け付けている。装置は市役所窓口まで取りに来て、自分で取り付けることが必要。今回の貸し出し期間は来年6月末まで。同課は2021年2月末まで、交代でさまざまな高齢者に使ってほしいとしている。装置の販売価格は1万2800円(税別)。詳しくは電話029・826・1111(同市生活安全課)